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18 321/2003 

 冬の肌を刺すような寒さが口から吐く気霜となる。レンガの道を歩いていると、オランダ風の三角屋根の建物に白いLEDで雪を表現していた。葉の落ちた街路樹にもそのLEDが絡めてあり、歩くだけでぎらぎらした景色が瞳に反射する。私は中村くんと村雨にカメラを向けた。

「もう少し寄って寄って!」と友くんが言うと、お互いにぐちぐち言いながら最後はにっと作り笑いをした。私はその瞬間にボタンを押し込んだ。同時に細雪がちらちらと降り始めた。


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