青空。それがきっと一足先に情報として飛び込んでくると思うが、画面を占めているのは灰色と影の狭い路地裏である。日陰となりじめじめとした不気味な路地裏から見える蒼穹は、遠い場所にある憩いの場オアシスを思わせた。そして画面において占めているのが灰色の影であるから、手前に目線を移すとそこは静観で空気すらもすべからく地面に叩きつけられそうな、虚しい路地である。
ぽつり。一滴の水が壁を伝うパイプから滴り落ちる音が、写真を見ていると聞こえないだろうか?