昨日までの往診についての報告をまずアレフさんにして今後の正式に診療所主導での運用について聞いてみたが、やはり食事が絡んでいるので慎重に事を進めたいと言われるが、同時に俺達が実績を重ねれば正式運用を認める方向で考えてくれるとも言ってくれた。
これは地道に頑張っていかないとな。そう考えながら続けて俺はメルの店に昨日までの往診の事を報告すべく向かっていた。
メルの店に到着したがこの時間はもう休憩に入っていた。それを確認した俺は裏口に回り裏口の扉をノックする。
実は少し前から俺達がメルに用事が食べる以外である場合は裏口から入店して欲しいと言われていたのだ。
ノックしてしばらくするとメルが扉を開けてくれて俺に声をかける。
「あ、ユーイチ君、こんにちは。とりあえず上がってくれる」
「お邪魔します」
そこからメルに案内されて厨房まで行き、メルに促されてカウンターの席に座る。
「確か昨日までだったのよね往診って、もしかしてその事で来たの?」
「そうだ、実は……」
昨日でとりあえず毎日の往診は終了し、週に何回か行く事にして、徐々に回数を減らし、完全に終わる事とアレフさんからの正式運用についての返答をメルにも話した。
「そういうわけで、しばらくはアレフさんから紹介された家庭での試験運用が続くな」
「そうなの」
「すぐには正式運用ってわけにはいかないのは残念だが地道に頑張っていくしかないな」
「確かに正式運用がすぐできないのは残念だったけど、少なくともまだ続けられるしそれは良かったと思うな」
まだ続けられる、確かにそう前向きに考えた方が精神衛生もいいかもしれない。メルの奴相当前向きだな。
「ありがとうメル、正直このまま正式に認められなかったらどうしようかと思っていたし、やっていいって言ってくれるうちはまだチャンスがあると考えられるもんな」
「そうよ、それに最初にその事を教えてくれたのはユーイチ君とソフィアさんだったじゃない」
「俺とソフィアさんが、あの倉庫を紹介した事か?」
「うん、実家の店は叔父さん夫婦、実質叔母さんに他の人に売られて、ここでも料理店をやっていけるか不安だった」
そうか、メルにとっては自分がやりたい料理店ができるかどうかってところだったもんな。
「ユーイチ君やソフィアさんがこの倉庫を紹介してくれた時は、ああ私はお店をやっていいんだって思えたの。だからさ、ユーイチ君もいまやりたい事ができているんだし大きな成功はこれからの頑張り次第だよ」
俺はもしかしたらやる事が多くなって足元をおろそかにして焦りそうになっていたかもしれない。小さな成功を重ねてそれが大きな成功になる事をメルのおかげで思い出せたな。