3日間の休みを経てミミが診療所での仕事を再開してからしばらくしていると俺達の周りにもいろいろな変化が訪れた。
まずはリハビリ器具の貸し出しだが様々なケースを想定してかつ手作業で作れそうな器具をギベルトに提案するとギベルトの腕もあり、俺が知っている器具にも負けないほどのクォリティで試作品を次から次へと作っていった。
またギベルトのスキル『
とりあえずアレフさんに相談し、緊急で職人を招集してできる限り予約待ちの期間の短縮を試みている。
その間のリハビリも俺の仕事でなかなか骨が折れる。
とりあえず今は臨時で職人を招集してはいるが、ギベルト以外にもこの街に常駐してくれるよう交渉してみるか。
そしてできればギベルトにもリハビリ器具作りの指導をしてもらいたいな。
ただあいつの事だ。
「俺には弟子はまだ早い」
とか言いかねない気もするし、師弟というよりインストラクターと生徒みたいな形を定着させるのがいいんだけど。あいつも職人の子だしな。
他にもメルが作ったサンプルメニューを軸にしたリハビリ中の食事メニューだけど、どうにか正式運用が認められた。
これにより今後は診療所の判断で往診した際にリハビリ中の食事メニューを患者さんに対して提案できるようになった。
メルのお店との兼ね合いがあるが注文聞きの人だけでなく調理補助の人も雇っているようだから少しは負担が減り協力しやすくなったのだ。
そして今日の診療も無事終えて、ミミ、ミーザとお茶を飲みながら話をしていた。
「ふう、なんとか今日も無事に診療を終えたな」
「うん、でも最近は診療所より往診の方が忙しいよね」
「そうだな、この合間にギベルトやメルとも器具や料理の打ち合わせをしているからな」
「でも少しづつユーイチ様の目標が近づいているような気がしますし、私がこの街に来た時よりも元気な方が増えた印象です」
確かにミミの言うように、この街の後遺症に悩む人にスキルで大きな後遺症を取り除きつつ、リハビリを行った事で仕事等に復帰した人もいるのは事実だ。
だけどやっぱり生きている限りどうしてもケガや病気はつきものだし、現状療養部屋は1つだからな。
この先ミミが見習いを終えて王都に戻ったり、もし俺が元の世界に戻る事になったらこの街の人達はどうしていけばいいんだ?
俺がそう考えていると後日俺に新たな話がもたらされたのだ。