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2章 日本

第13話 東北上陸


ーー 北海道ダンジョン対策本部の対策室長 ーー



 滝川市周辺を数日に渡り広範囲に捜索をしたが、ダンジョンの痕跡は無かった。

 モンスター暴走した種族のモンスターも見つからない。

 見たのは霧のように透けた闇の毛玉だけだ。


 最終的に滝川市のダンジョンは消滅したと結論を出す。



 世界の未公開情報を探すと、ダンジョンが消滅したと思われる報告がある。


 ダンジョンマスターを倒して約24時間後にダンジョンが消えた報告が数件ある。

 滝川市のモンスター暴走でダンジョンマスターは倒していない、マスターの魔石が無いからだ。

 時間は発生から10時間程度であり違う。


 他の消滅情報は確証が無い。


 例えば、民間人がダンジョンの入口を見つけたが、対策部隊が到着して探したが無かった。


 地域にモンスター襲撃が数回あったがその後消えた。

 他のダンジョンのモンスターが遠くに移動しただけかもしれない。


 他にも推定消えたと考える情報は意外と多い。


 だが、モンスター暴走中に理由不明で消えたのは初めてだ。

 証拠は動画や証言や分析レポートで多く残る。

 誰かがダンジョンコアを破壊したのでは? と考える人がほとんどで私もそう考えている。


 日本であの規模のダンジョンコアを破壊できるLv保持者は何処かのグループに所属している。

 可能性のある全てのグループに問い合わせたが、何処も破壊してない。


 隠れた強者か、国外のグループが居たのではと推測する。


 検討結果、北海道ダンジョン対策本部としては恥ずかしいが、今ある事実をすべて公開した。




 ニュースやネットは゛誰がダンジョンを破壊したのか不明゛の点が強調され、最も注目して報道された。

 ダンジョン対策省の不備を指摘し、全力で探す必要があると報道された。


 ネットは祭りが始まり『勇者きたーーーー』『ガタ、勇者の俺を呼んだ?』と騒がれた。


 頭が痛い…………





ーーーーーー サクラ ーーーーーー



 北海道を離れる前に日本のモンスター被害を調べる。


 本州の3地域にモンスター被害があり、九州は1つ、四国に1つある。

 どれも広範囲のモンスター被害であり、人を選択する事も無く無差別に殺人をしていた



 ダンジョンマスターはノルマをしなければ死ぬ。


 ある程度のKPを稼がなければダンジョンが増える。ノルマだけのKP数では無秩序にダンジョンが増え、多くの場所でモンスター襲撃が発生する。


 そうなればダンジョン対策本部の能力以上の襲撃が発生し、経済、流通、治安、が壊れていく。

 そして日本の国が壊れる。


 外国には、すでに国の秩序が半壊した国がある。

 世界には、国が関与できない地帯が広がっている。

 核兵器が使われた一帯は進入禁止地帯と言う名の放棄地になった。

 モンスター集団や人間により地域破壊が起こり、人が関与しない場所が少しずつ増えている


 だから国を守る為にもコントロールされた間引きが必要だ。



 しかし、遠征で消耗する低位中位モンスターに殺害対象を戦術的に選び殺す程の知能は無い。


 リトルダークウィスプは選べたが、あれは状況や条件が単純で特殊だからだろう。


 モンスターがダンジョン管理領域を出るとコントロールできないため、行ってこいと指示するしかない。


 鳩さんの様に、直接現地で指揮する以外は無差別殺人になる。


 知能が高いモンスターはDPがとても高い、遠征の消耗モンスターに使えない。


 どうしようもない苦悩があるのも理解している。

 しかし、無差別に日本人を殺すのは駄目だ。

 私が日本の全てのダンジョンをサブダンジョンにして日本を制覇する。


 私の考えに賛同し従うサブマスターを作る。


 私が命令して殺人を実行する、その罪と罰は全て私の物、誰にも渡さない。

 殺しの責任は全て私が持つ。




 私は何年も死と隣り合わせだった。


 過去、私は何の役にも立たず。

 重すぎる負担を家族に押し付け、苦しむ家族を見る事しか出来なかった。


 だが、私の難病が役に立つ時が来た、家族も救われた。

 同じ様に難病に苦しむ多くの人に出会った。

 多くの人を見送った。


 全員ではないが、ここに居るだけで人の役に立つのが嬉しいと笑って話していた。

 死ぬまで笑っていた人もいた。

 その思いを受け、私もそう有りたいと心から思う。


 死の恐怖や死の意味、死に対する思いに最も身近にいた私が死の責任の全てを持ち、私が死ぬ時に連れて行く。


 私が彼らに生きる目標を示し、私が彼らの指標になり、強制的にマスターになった仲間の心を守る。


 そして、管理者の残酷で非情な目的から日本に恩を返すために日本を守る。



 だから私は【全日本ダンジョン制覇】を目指す。




ーーーーーーーー




 本州に渡るため北海道の南端、白神岬に転移で行く。

 そこから本州の龍飛岬まで約21キロ。

 私のダンジョン管理領域は半径30キロ、余裕で転移可能。


 龍飛岬まで転移して本州に到着した。



 モンスター被害が近いのは、笠間、水戸、常陸大田、日立、にかけて広い地域だ、その周辺の山間部の奥深くにダンジョンがあるだろう。

 日本は山国だ潜むとこは何処にもある。


 東北の青森から南に向かい、刑務所の襲撃、各町でリトルダークウィスプの放流を行う。


 途中数回、北海道に向けて北海道全体に広がる指示をしたリトルダークウィスプを多数解き放つ。

 これで地域のKP数を稼ぎ、新規ダンジョン発生を防止する。



……………………………



 数週間かけてターゲットダンジョンの場所を除く、東北全体から関東の一部までの街をゆっくりと巡った。


 途中でラビより、ブッチギリの最速累計10万KPレコード達成と大量の報奨DPを貰う。

 KPも大量にあるがDPも大量になった。


 もちろん、目に付く暴力団も襲撃した。


 使命のため、管理者の信頼を得るため、目的を達成するため、ラビに精神誘導されないため、KPが要るなら少しでも国に害のある人を殺す。

 躊躇はない。



 KPとDPは能力UPとリトルダークウィスプ、ダンジョン維持費しか使わないから余る。

 だが、将来を考えるとまだまだ足りない。



 リトルダークウィスプの進化したダークウィスプが少しずつ帰還してきた。

 睡眠魔法もデス魔法もいい感じでLvが上がっている。


 私の中に亜空間の倉庫2を作る、大きさは2キロ四方高さ300メートルの巨大倉庫、内部は低い山に丘陵に森、川が流れ湖があり、昼夜の自然環境を作る。


 頑張ったダークウィスプはこの中で過ごしてもらう。

 DPが豊富だから贅沢に作る。


 放流数に比べ帰還はとても少ない。多分、倒されている方が多いだろう、でもその分日本のLv保持者が増える。

 日本の安全が高まる、とても良い事だ。




 ダンジョンマスターに会う前に私を強化した、その一覧を見る。



ダンジョン

  ダンジョン領域 通常はサクラの中の亜空間。

  倉庫1と2が有る。

  宝物庫無し。

  ダンジョン管理領域 サクラを中心に半径30キロ、高さ700メートル、下50メートルの円柱形。

  転移50回/日 0時に回復


マスターの種族

  エンシェントダークエレメント LvMAX

    (古代闇源精霊、

     防御は魔法が少し弱点、物理に強い耐性)

    (指定空間を闇にできる、闇や影に潜り高速移動、対象を闇の空間に閉じ込める能力)


 魔法

  デス (極)     Lv MAX

  インビジブル (極) Lv MAX

  闇収納 (極)    Lv MAX (遠隔で範囲収納)

  物理強化 (極)   Lv MAX

  魔法防御強化 (極) Lv MAX (魔法防御強化)

  眷属 (極)     Lv MAX (100万の眷属可)


  治癒 (極)     Lv MAX

(魔素による魔力バリアーのHPのみ回復する。

 人間等のリアルな怪我の回復は出来ない。

 ダンジョン生成モンスターはHP0で魔素に分解 (死亡)。ダンジョン生成物は魔素で出来た何かのため治癒 (修理)可能)


  呪い解除 (極)   Lv MAX

  状態異常解除 (極) Lv MAX

  精神異常解除 (極) Lv MAX


パッシブスキル

  状態異常耐性 (極)  (麻痺はここ)

  物理耐性 (極)    (物理防御と攻撃が上がる)

  精神耐性 (極)    (睡眠はここ)

  呪い耐性 (極)    (デス魔法は呪い)

  自動自己回復 (極)  (HPの自動回復)


変異型パペットドール (世界樹の木製)

    HPが多く物理と魔法防御が高い。

    付与に親和性が最高。


 パペットドールの付与

    状態異常耐性 (極)

    物理耐性 (極)

    魔法耐性 (極)

    自動自己回復 (極)


 憑依した時の防御

  パペットドールのHPが有るまで私に攻撃が来ない。

  パペットドールのHPが0でパペットドールが壊れ魔素に分解、憑依が強制解除。

  ただし、呪いや精神攻撃系はパペットドールに精神が無いためパスして私に当たる。




 相変わらず防御に極振り、攻撃はデスのみ。

 ラビは諦めたのか何も言わない。


 ダンジョンマスターに合う準備は終わった。


 茨城県の近くにいると思われるダンジョンマスターを探しに行く。





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