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第39話 セレネワン


 ダンジョン攻略のお祝いに、近くの街に入り豪華料理を2人でたらふく食べる。

 ザンガは清中共のお酒を多種飲んで酔っ払ったふりをした。

 実際は食べた物は全て魔素になり酔えなかったのだ。

 しかし、食べた味や飲んだ味は全て感じ取り、とても満足だった。


 次の日から、各地を探索しながらダンジョンの攻略を行う。

 ほとんどの攻略はウェアウルフが終わらせ、残りをザンガが倒し、私がサブコアにして闇収納する。

 途中で何度か減ったウェアウルフリーダーとウェアウルフを補充した。


 ダンジョン攻略の回数が増すことにウェアウルフのLvが上がり連携も強化されダンジョン攻略の知識や経験が増え、軍団が益々強力な組織になって行く。

 このまま行くと最強の軍団になるかも知れない。


 何故なら、普通のダンジョンマスターではモンスターは消耗品として使われる。

 何度も何度も経験を積むことが無い。

 訓練も無いだろう。


 だが、この軍団は生還率が異常に高い、その経験は更に訓練に活かされる。

 将来が楽しみだ。


 ダンジョン攻略をして思うのだが。

 何故か、ほとんどのダンジョンマスターに【麻痺】が効き、ザンガの麻痺最強の思いが強化されていく。

 ザンガの麻痺はきっと最大Lvだろう。


 私、もちろん麻痺耐性最大ですが何か?

 耐性系は全て最大です。


……

…………


 約1ヶ月でサブコアが10個揃い、最初の目的を達成する。

 魔石も大量に入手し備蓄する。


 次の予定、未来への布石のためにサブコアを入手する。

 眷属会議を行い進捗を伝え、アサカにこの国の詳細地図を30冊購入を頼む。



ーーーー



 この国への布石用コアの入手のため、ダンジョン捜索と攻略を行った。


 サブコアを入手して人里より遠い場所、見つからない場所にサブダンジョンを作る。


『トウカ、タケル、アサカ今いいか?』

『問題ございません、お嬢様』

『おk』

『はい、大丈夫です』


『私の居る清中共に作ったダンジョンのコアルームに転移で来て、アサカは地図を持ってきて』

『畏まりました』『おk』『はい』


 3人が揃った所で指示をする。


「タケル、このダンジョンを最小のDPと最小の維持費で、侵入から2時間程度守れるダンジョンを作ってくれ。

 ダンジョン管理領域は5キロ。

 ただし、通路は縦2メートル横1、5メートル以上とする。

 何故なら、匍匐前進迷路はまだ日本以外出したく無い。

 この国のダンジョンを征服して匍匐前進迷路は無かったからだ。

 もし、侵攻されたら私がサブコアを休止して回収する。

 いいか」

「おk、やってみる」



 私は、サブマスター用のハイエルフを召喚する。


 ハイエルフは私の前にビシリと立ち、右手を胸に当て45度のお辞儀をする。


「マスター、御身の前に」

「君はセレネワンと命名する」

「セレネワンのお名前を頂き、歓喜に震えます」

「君はこのダンジョンのサブマスターとなって私に仕えなさい」

「畏まりました」


 サブコアにセレネワンの手を当てサブマスターに登録する。

 そして、アサカの所に行き。


「セレネワン、君は私の隣にいるアサカの眷属となり、アサカが君の直接の上司になる。

 相談や報告等はアサカにしなさい」

「畏まりました」

「では眷属化を」


 アサカがセレネワンに手をかざし眷属にする。


「みんな集まってくれ、このダンジョンの当面の行動内容と目的を話す」


 サブコアに張り付いていたタケルと皆が集まる。

 集った所で1つのモンスターを召喚する。


「このモンスターの仕様は次の通りだ。

 ハイダークウィスプ

  (闇や影に潜り移動可能)

 魔法

  デス(中)      Lv9/10

  睡眠(中)      Lv9/10

  麻痺(中)      Lv1/10

  インビジブル(中)  Lv1/10」


 セレネワンにこの国の地図を渡し。


「セレネワン」

「はい」

「時期が来るまで、毎日深夜このモンスターを100召喚して1体ずつ各地に派遣しなさい。


 ハイダークウィスプの使命は

 1、昼間は隠れ夜に活動する。

 2、活動時は必ずインビジブルして隠密に活動する。

 3、1日1人、眠っている人に催眠を掛けデス魔法をする。

 4、場所を移動して次の日も同じ事をする。

 5、目的以外は戦うな、睡眠と麻痺とインビジブル、闇や影を使って逃げよ。


 注意点。


 1、日本に被害を出さないため、日本に絶対に行かない様に指示する。


 2、このダンジョンの近くに放たず、100キロ以上に離れた町や村や都市に分散して送り出す。このダンジョンが発生元と分からないようにするため広く分散する。


 以上の事を毎日深夜に行いなさい。

 10日で1000ハイダークウィスプですよ、いいですね」


「その指令、承りました」


「さて、これの意味と目的。

 このモンスターの活動は長い時間バレないでしょう。

 不審死が多発しても、原因が不明のままになる。

 しかし、いつかはこのモンスターがバレルでしょう。

 その時は既に大量のウィスプが広範囲に活動している。

 結果、この国の内陸部に発生したモンスター被害となって世界に伝わる。

 それが目的です。

 日本との関連はダークウィスプが近いと多少疑われますが、それだけ。


 他のダンジョンマスターが真似をするでしょう、とても良いことです。

 原因がそのマスターになる可能性がでる。尚かつその国にコントロールされない間引きが増える。

 これは未来への布石。

 アサカ、セレネワン、重要な使命を任せる」


「承りました、マイマスター」

「了解しました」


「このダンジョンに誰か入ってきた時に、それが間違って入った様なら殲滅しなさい。

 このダンジョンを攻略や封鎖の時はアサカに緊急連絡し、2時間内に対処する必要がある。


 時間的余裕がある内に敵を殲滅するか、ダンジョンを放棄するかを決断する。

 放棄する場合は、私がサブダンジョンを速やかに廃棄してサブコアを回収する。


 撤収後、継続が必要なら場所を変えて再開。

 もし、ダンジョンマスターが管理領域に来たら最速で私に連絡すること。


 また、最悪対処が間に合わない場合はセレネワンはアサカの共有部屋に退避しサブダンジョンは放棄する。


 以上、アサカ指揮を頼む」


「了解しました」


「よし、この国の内陸部に同様のダンジョンを多数作る」


 トウカ、タケル、アサカにこのダンジョンを任せ、私とザンガは次のダンジョンを作りに行く。

 タケルとアサカには、新たなサブダンジョンができ次第呼ぶと伝えた。


……

…………


 約2ヶ月かけて内陸部の広大な範囲に26個の工作用サブダンジョンを作りダンジョン作成をタケル、管理をアサカに任せた。


 アサカには、工作ダンジョンが増える事でハイダークウィスプの放出先が重なる事が発生するが、放出先の人口を見て調節するように。


 ダンジョンの100キロルールも、時と共に被害のエアポケットになってバレるので、随時変更する様に。


 また、100キロ圏内の間引きが少ないのでダンジョンが増える可能性がある。

 等々も踏まえて、臨機応変に対応する様に頼む。



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