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第40話 ダンジョン見つけた征服するよ


 3ヶ月以上かかった隣国の工作も終了し、隣国の調査と確認の名目で休暇をとる。


 十数日間5人で隣国の各地を観光し豪華料理を食べ歩きした。

 お金、余裕過ぎたからね。

 みんな珍しいお酒を飲み珍しい料理を頼んだ。


 宿泊施設に泊まれないのが残念だが、隣国のダンジョンから日本のダンジョンに転移して洋館に泊まる。

 朝起きて違う場所の清中共ダンジョンに転移して観光に出た。


 アサカが張り切って観光場所や高級料理店を調べ案内する。

 さすが、元エリート秘書、現在の出来る秘書アサカだった。


 慰安旅行のようで楽しくて、心の洗濯は例えダンジョンマスターと言うモンスターでも必要だった。



ーーーーーーーーーーーー



 少し時が戻り。


 隣国の工作ダンジョンが出来てから数日たった。

 すでに相当数の人がハイダークウィスプにより死んでいるはずだが、事件になってない。

 やはり、清中共は人口が多く、病気や事故等で死亡者が多い国だ。


 総人口の対比で死亡者が極微小であり、広範囲で少人数の死亡では大きな事件にならないのだろう。

 今後の推移を良く見て徐々にハイダークウィスプを増加しよう。


 ハイダークウィスプによる被害が一般に報道されたら、開き直って増量で行く。


 ハイダークウィスプの被害が清中共発祥として世界に広まればなおよし。



ーーーー



 観光をしていたある日、セレネテンからアサカに連絡が入り、アサカから私に伝わる。


「セレネテンから連絡です。

 ダンジョン管理領域内にダンジョンマスターと多くのモンスターが来たようです。

 そして、管理領域内でダンジョンマスターと話がしたいと発言しながら近づいてます。

 どうしますか?」


 来るとは思っていたが意外と早い。

 さて、どうしたものか。

 日本以外のダンジョンマスターと馴れ合う気は全く無い。

 日本以外は敵だ。


 サクッと殺して無視するか。

 話して情報を手にいれるか。

 でも、会話は相手に情報を渡してしまう。


 どちらにしても殺して敵対しか無いだろう。


 問題は相手が単独か?

 後ろに集団がいるか?

 その規模がどれくらいか?


 まずは話してみるか、全員とリンク会話をする。



『ザンガ聞いたな? 戦闘の可能性有りで二人で対処する。

 他はコアルームで観戦よろ』


 相手が話を前提に近づいているので、戦闘がすぐに起こらない。全員でダンジョン管理領域に戻り、セレネテンのコアルームに転移する。

 サブコアに指示し管理領域視点をスクリーンに出す。


 ダンジョン前に人間の男とモンスター集団がいた。


「3人はここで観戦よろ、ザンガと私で行ってくる」

「お気をつけて、お嬢様」


 私は金属球になりザンガと共にダンジョン入口手前、見えない所に転移。

 私一人がゆっくりとダンジョン出口に向かう。

 ザンガは待機する。


 ダンジョンを出ると、20メートルほど離れて男が立ていた。

 その後ろにはオークやゴブリン、コボルト、その上位種が居た。

 私は聞く。


「なんの用だ?」

「お前が最近暴れているダンジョンマスターか?」


「だったらどうする?」

「俺っちの仲間が2人殺られたんだが、どうしてくれる」


「しらないな」

「白を切るのもいい加減にしろ! 言う事聞けば俺っちの仲間にしない事も無いぞ!」


「仲間? 何人居るんだ?」

「フッ、秘密だな!」


「そうか」

「どうする? このまま攻め込むぞ!」


 清中共にも集団の組織が有るのは分かった。

 私がダンジョンマスターを倒しコアを奪取した経緯を考えるに、征服ではなく支配か協同か。

 相手の話しからは支配っぽい。

 話しぶりから、私を下っ端に加えたいのだろうな。それも多くのモンスターを連れて威嚇しながら。


 こいつは鉄砲玉だな、見るからに弱いし威厳がない。

 バック組織の規模が不明だが、これ以上会話の必要性を感じない、潰そう。


『ザンガ、ダンジョンマスター以外潰す。

 麻痺、睡眠は無しでやる。 いいか?』

『麻痺無いのか…… 何時でもいいぜ』

『多分こいつの裏にダンマス組織がいる、麻痺がバレたくない。

 ダンジョンマスターは逃がして追跡しダンジョンを潰す。

 私は右からやる、ザンガは左から』

『おぅ!』

 2人は密かに【物理防御強化】【魔法防御強化】し。


「おい、なに黙ってる…………」

『3、2、1、ゴー』


 高速で飛び出し右のモンスターの腹に当たり、パンと言う音を出して当たった裏側が弾ける。

 インパクトハンマーの付与により衝撃が裏側を弾き飛ばした。

 そのまま通り過ぎてカクカクとユーターン、次のモンスターもパンパンパンの音と共に3体が弾ける。

 カクカクと軌道を変えながらモンスターが弾けて黒い霧になる。


 左側では巨大なフェンリルが目にも止まらぬスピードでダンジョンから飛び出し、爪の斬撃スキルを使う。

 1振りで数匹の体が切られて崩れ落ちる。

 続けて何度も斬撃が行われる。

 そして左側のモンスターも黒い霧になって消える。


 突然の出来事に、敵ダンジョンマスターが左右を見たら、モンスターは既に半分を切っていた。


「ヤバイ! 【獣化】」

 ダンジョンマスターは宙に浮き大な水龍に変化する。

 その時は既に残り僅かのモンスターしか居ない。


「くそ!」

 の声と共に空中に逃げ出す。


『ザンガ、私が追い掛けるから全て倒したらついてきて』

『おう』


 私は【インビジブル】を使って消え水龍を追う。

 ザンガは残りのモンスターを倒して追う。

 水龍はよほど焦ったのかそのまま一直線に飛んでいく。

長い時間飛んだ後に水龍はフット消えた。

 相手のダンジョン管理領域に入ったのだろう。

 私の探知には1つのダンジョンが見えている。

 ザンガの所に戻り【インビジブル】を解いて。


『ダンジョン見つけた征服するよ』


 その後、何時もの手順でダンジョン攻略が終わり、サブコアが増えた。

 急なダンジョン攻略だが、ウェアウルフ達は問題なく対応して、速やかに展開と攻略をした。


 セレネテンとアサカに、また敵が来るからと監視強化を頼む。



ーーーーーー



 2日後、他のモンスターが管理領域に現れたのですぐに来てみると。

 人間から逃げながらダンジョン入口に来て、そこで戦ったよ。

 人間にこのダンジョンを教え、人間がダンジョンを破壊する方法をダンマス組織は選んだようだ。

 組織の黒幕はそれなりに賢いが臆病者だな。




 数日後から人民解放軍によって作業が行われ、ダンジョンの周囲に2重の柵と大量の重火器と兵員が展開した。

 周囲に野営地も作られる。


 特に攻めるでも無く、ただダンジョンを封鎖しただけだった。

 軍が来てからは一切モンスターを出していない。


 十数日後にダンジョンの破壊部隊と思われる、剣や盾や杖を持った人間が来た。

 強そうな雰囲気は無かったし、結界も無い。

 精鋭とは思えなかった。


 ダンジョン前で戦ったモンスターはゴブリンだけの弱いモンスターだから、このダンジョンは弱いと思われたのだろか?



 清中共のダンジョン対応力が落ちるのは私にとって良い事なので、この包囲網は壊滅しよう。


 ダンジョン管理領域に転移し、部隊全てを含むダンジョン領域を作成した。


 ダンジョン対策部隊やLv保持者が気が付き、大声を上げて注意し戦闘準備を始める。



 作ったダンジョン領域に【範囲麻痺】【範囲睡眠】【範囲麻痺】【範囲睡眠】【範囲デス】を発射。

 複数回したのは念の為だ。

 ラビにより全員の死亡が確認される。

 全てダンジョンに吸収し、死体は魔素に分解。

 1軍の重火器や弾丸や設備が多数手に入ったが私は使えない。


 この場所が人類にバレたので撤収する。

 サブコアが作ったダンジョンとモンスターは消えるが仕方がない。

 サブコアが稼いだKP、DPは私のコアに移動しサブコアを休止にする。

 遠い場所で再度ダンジョンを作り再開した。




 今回の件で重要なのは、他国にもダンジョンマスターの組織が有ること。

 その組織と衝突を前提に対策が必要だろう。


 その後も他のダンジョンに散発的にモンスターの襲撃があったが全て撃退する。

 ダンジョンマスターが居ないのが残念だった。

 数回の襲撃を撃退したら、その後襲撃が消える。

 諦めたのか?


 これから見るに、その組織はあまり力が無い組織か、個々の都合が優先され集団力が弱いのか。

 全面対決も想定したが無駄だった。

 私の余りまくっているKPが火を吹くと思ったのに。

 はっきり言ってKPは減るより増えるほうが多いのに残念だった。



 暇に任せてウェアウルフの女性軍団でも作ろうかな。

 今のウェアウルフ軍団は全員男性だったので喜ぶかな?



 多くのダンジョンを攻略したが、保守的で個人プレーのダンジョンマスターが多いように思う。


 この国は、皇帝になりうる強者が出ないと大きくて纏まらないかも知れない。


 そして、強力な王が多数で戦う三国志に……


 妄想し過ぎた、反省。





 タケルに重火器の話をしたら、嬉々として試射場を集合部屋に増設し、重火器をセットした。

 ザンガ、トウカと共に楽しそうに試射していた。


 そう言えば黒社会を潰した時の、拳銃と弾丸が多量に有った。

 タケルの前にどっさり出したら、タケルが喜んで飛びついて、これはXXXXの銃だ! これはXXXだ!

 と喜んでいた。


 楽しそうで何より。


 だが、私達の様な高位のモンスターはこの重火器では怯ませる程度で倒せないのだが、分かっているのだろうか?


 まあ、重火器に集中攻撃されたら逃げるけどね。


 重火器でも徐々に魔力バリアが少し削れるので、立ったまま何もせずに、ずーーーーと自動回復を超える攻撃を受けたら死ねるかも。

 ちょっと想像できない。


 やはり魔力の乗った攻撃は、魔力が乗っただけ魔力バリアのHPを削るので怖い。




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