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第48話 モンスター襲撃2



 国外からの少数モンスター襲撃事件も終わり。

 その日の内に海外の工作を再開するため、最新の工作ダンジョンに転移する。


 既に100を超える工作ダンジョンが清中共を中心に世界へ広がっている。


 この調子で全世界に工作ダンジョンを作る予定だ。



 既にアサカ配下のハイエルフが100名を超えた。

 この先に1000を超えるハイエルフが出来ると考え。


 アサカと相談して、地域や業務毎に10人のグループを作りその中から1人のリーダーを作る。

 そのリーダーを地域や国毎に10人をまとめ一人をジェネラルとしてまとめる。

 その一番上にアサカが立つ組織を作った。


 ハイエルフは賢く優秀だ、アサカの負担も減るだろう。




ーーーーーーーー




 それから十数日後、アサカより緊急連絡が入る。


『朝鮮半島より大量のモンスター集団が対馬島に進行、襲撃と思われます。

 トウカとタケルには連絡済み、対馬島監視ダンジョンのコアルームに集合予定です』


『やはり来たか! 私達もすぐ行く!』


 朝鮮半島からモンスター襲撃が予想されたため、緊急連絡を頼んでいだ。


 本格的な防衛が始まるのだ、参加しない訳がない。




 私とザンガは今行っている事を急遽中断して、対馬島の監視ダンジョンコアルームに転移する。


 すでに、アサカ、トウカ、タケル、防衛軍団のリーダーが揃ってダンジョン管理領域のマップと監視スクリーンを見ていた。


「みんな、お久しーー」

「待ってたぜ!」

「お待ちしておりました、サクラ様」


 4人が振り向き一番にタケルが答え、次に防衛軍団長のエンシェントライトドラゴン、続いてトウカ、アサカの2人も挨拶をした。


「状況はどう?」


 タケルが楽しそうに答える。


「モンスターは約200前後、種族は飛行種族でバラバラ、広範囲に広がってまとまりが無い感じだ。


 一番遅いモンスターに合わせる様で移動スピードは遅い。

 対馬島に着くのに1時間以上掛かりそうだ」


「なるほど」と言いながら私も管理領域のマップを見る。


 広範囲に赤い点がバラバラで、組織的なまとまりは無さそうだ。

 到着を合わせる為、移動速度だけ合わせた感じがする。

 こう、広範囲にバラけると範囲で一網打尽は無理だった。


「タケル、迎撃作戦は?」


「おk。

 飛行モンスター主体で大型が居ないためドラゴンは出さない。


 迎撃場所は朝鮮半島と対馬島の中間地点を過ぎた所で行う。


 ハイブラッドスパロー5羽が1部隊で高速飛行部隊を構成。

 3部隊が敵後方の高空に配置して、後方の包囲攻撃をカバーすると共に朝鮮半島に逃げるモンスターを全て迎撃。


 ハイダークウィスプ5体が隠密部隊を構成、4部隊で左右の包囲を担当。


 ハイブラッドスパローの高速飛行部隊の3部隊が全面に分散配置して迎撃包囲。


 ハイピクシー5体は範囲攻撃部隊を構成、2部隊が上空全面に分散配置して最初の範囲攻撃をする。


 その後高空に待機し空の迎撃と各部隊のサポートする。


 配置が完了したら、ハイピクシーの範囲攻撃が開始の合図で戦闘に突入だ!


 打ち漏らしがあったら、高速飛行部隊を追加して迎撃。


 どうだ、この作戦?」



「ふむふむ、ハイブラッドスパローが多いか。

 戦闘結果を見てハイブラッドスパローを増やすか?」


「だな! 迎撃と追撃には超高飛行が必須だし、ドラゴンも超高速飛行出来るが大き過ぎて小回りが出来ないし目立ち過ぎる。

 今出すのはまだ早いかな」


 トウカは思う、ドラゴンなら数体で殲滅できるような?

 だが、打漏らして逃げられる可能性がある。

 トウカが難しそうな顔をして一言。


「お嬢様、過剰な気がしますが、良いですか?」


「最初だし、情報を渡さない為に一匹も逃さずに殲滅が必要だしね」


「了解しました、お嬢様」


 アサカは楽しそうな二人を嬉しそうに見守り、戦闘は二人に任せようと再認識した。

 私の出番は情報戦ねと。

 アサカの後にはエンシェントファイアドラゴンの人間形態が静かに控えていた。



「よし! タケル、開始して」


「おk、ライトワン作戦開始だ!」


「了解しました、タケル様」


 防衛軍団長のライトワンから副団長に念話で指示が出される。


 コアAIが念話を中継してコアルームに念話内容が流れる。



 私はタケルに近寄り「タケル、ライトワンって防衛軍団長のエンシェントライトドラゴンの名前?」と聞く。


「そう、サクラを参考に俺が決めた!」


 えっ、私の安直な命名規則を真似したの……

 ちょっとショック。




ーーーー




 防衛ダンジョンの出入口は山に隠れた谷の中腹に有り。

 横60メートル、縦40メートル、奥に300メートルの巨大な洞窟の通路。


 出入口には植物モンスターによって覆い尽くされ、普通は森の一部に見える。


 しかし、出撃時には植物モンスターが移動して、数十秒で出入口が全開となる。


 この巨大洞窟は、ドラゴンが奥から直接飛行で飛び出せる通路の大きさがある。


 その通路の一番奥の大部屋に防衛軍団が揃っていた。




 防衛軍団長の念話による出撃指示が、副団長のライトドラゴンに指令される。


 ライトドラゴンは翼を広げ、一歩前に力強く右足を踏みしめる。

 ドシン、と地響きが鳴るように重い音が響く。


「お前等! 団長から計画通りの出撃指令が出た!

 日頃の訓練の成果を見せる時だ!

 今回ドラゴン隊は待機だが、その分他の隊の活躍の時だ!

 成果を見せろ!

 出撃!」


 防衛軍は興奮を抑え、静かに滾っていた。


 高速飛行部隊の3部隊に待機のハイピクシーから補助バフを受ける。

 そして、1隊単位で隊列を組み飛び立つ。


 普通の鳥の速度で飛び立ち、暗い大きな通路を進み、植物モンスターが開けた狭い出口を抜ける。


 すぐ様隊列を崩さずに上昇に転じ、上空3000メートルに上昇。

 飛行速度を解き放ち、音速超えの爆音が出ない亜音速で作戦位置に飛ぶ。

 数分で指定位置に着くだろう。



 次にハイピクシーの範囲攻撃とサポートの2部隊が同様に飛び立つ。


 次に左右の挟撃する、ハイダークウィスプの4隊が同様に飛び立つ。


 最後に正面迎撃する高速飛行部隊の3部隊が同様に飛び立つ。


 計9部隊も隊列を組み上空1000メートルに上昇。

 飛行速度を合わせて指定位置に約十分で着く。



 迎撃ポイントに着くと、後方を取る高速飛行部隊は敵モンスターの横幅の長さに等間隔で15体のハイブラッドスパローは展開、上空1000メートルに待機。


 ハイダークウィスプとハイブラッドスパロー計35体は、敵モンスターを囲む様に全面と左右に等間隔で展開。


 ハイダークウィスプは海面スレスレに左右に展開。

 ハイブラッドスパローは敵モンスターと同じ高度で正面に展開。


 ハイピクシーは包囲網の内部、上空1000メートルに分散待機。


 あと6分弱で敵モンスターが包囲網の中に入る。


 迎撃部隊はこの6分の待機が長い時間に感じていた。




 管理領域マップと監視スクリーンを見ていた私は、迎撃部隊の一切乱れない移動と展開を見て。


「タケル、迎撃部隊の行動が凄いな、一流の軍団だ」

「だろだろ! ライトワンと協議して練習を重ねたぜ!」


「うん、これはいい! モンスターも訓練すれば強くなる事はウェアウルフで実証済みだからね」

「だろだろ!」


 タケルの横にいるライトワンが厳しい顔をしているが、口元が少し上がっている。

 嬉しさが隠せない様だ。



…………




 ハイブラッドスパローの目はとても良い1000メートル上空からでも海の波が細かく見える。


 朝鮮半島方向からモンスターの集団が見え始める。


 敵後方包囲の高速飛行部隊リーダーから、迎撃部隊と団長とコアAIに念話で連絡が入る。


『こちらアルファスパロー隊、敵モンスターを視認。

 多少バラけているが、予定迎撃範囲に進行中!』


 コアAIが念話内容を中継してコアルームに声が響く。


『こちら団長、ハイピクシー隊に告ぐ。

 敵モンスターが作戦範囲に入ったら、タイミングを合わせて急降下し、範囲魔法の有効レンジに入ったら攻撃。

 その後、急上昇して上空からサポートに入れ』


『『『了解!』』』


 範囲魔法の射程はそれなりに長いが、最大範囲に入れるためには適度に接近が必要である。



『迎撃部隊全員に告ぐ。

 自身に【物理防御強化】【魔法防衛強化】をかけ攻撃準備。


 ハイピクシー隊の攻撃が終わり次第、包囲殲滅作戦に入れ!

 1体も逃さず全滅だ!』


『『『了解!』』』





 この念話と監視視点は、防衛ダンジョンのコアAIが中継して巨大な部屋の巨大なスクリーンに映されたいた。


 防衛待機組もリアルタイムに戦況を見ている。


 あちらこちらから「くーー、俺も行きてーーーー」「次は私が出る!」「俺もだ!」


 初めての出陣なのだ、思いも気持も高ぶる。





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