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第23話 やめろ、俺が惨めになるだろうが

「いやっふうううううううう!!!!!」


:なんなんこいつ

:定期的に叫ぶタイプの深夜テンションか

:↑いやどんなタイプよ


 ふはははは、深夜なんだから叫びたいんよなぁ!!!


「んで、チュートリアルを終わらせたからお前が出てきたってこと?」

『ま、そんな感じ。こっからは本当のダンジョンメイキングが始まるってことを知らせにきたんだよな。面倒くさいけど義務なんだよなこれ、まったく』


:百歩譲ってスキルが喋ることは認めよう。流暢すぎんか……?

:スレ主のスキルだからスレ主の口調真似してるとか……なんてなw

:↑えっ…………

:ソート順の並び替えがある+現実世界に忠実+スレ主アホ=…………

:くっ、そうか『スレ主アホ』があるのか……! ならやっぱスレ主の口調学習されてるかもな……

:そうじゃん『スレ主アホ』じゃん……ほなしゃーないか


「お前ら何回も俺を煽ってるけど、全部見えてるんだからな? あまり好き放題言うなよ、弱く見えるぞ」


:見せてんのよ


「『当ててんのよ』のこの世で1番最悪な形」


 それよりも。

 スキル野郎の言っていた『本当のダンジョンメイキングが始まる』というセリフ。


 ……あまり男の子を興奮させるなよ? ちょろいんだからワクワクしちゃうだろ……っ!


『ま、それを伝えに来ただけだし俺はおさらばするわ』

「は? じゃあほんとになんできたんだよ」

『いやだから伝えに来ただけって言ってるわ。あれ、日本語分からない?w』

「さっさと帰りやがれクソ野郎!!!」


:ごめんやっぱりこのスキル、スレ主を学習してないかも

:なんで?

:スレ主こんなに煽り強くないもん

:確かに

:確かに

:確かに


「えw 家にいるだけの奴らが何いってんのw 俺煽り強いが?w」


:俺在宅ワーク

:ワイも

:深夜も働いてんだからな

:部下のミスを取り戻すのが、上司である俺の仕事だからな。それが深夜になろうと部下が快適に仕事できるなら無問題モーマンタイ

:今日はスレ主と一緒に遊んだからな。明日もサボるために今仕事してるで

:サボリニキいつもお疲れ様です

:バカニキ、生きてるか?

:ここで俺に飛び火だと!? ふっ、でも俺はまだ学生だからな!

:え、バカニキ学生なん?? 勉学真っ只中であの知識量なん???

:↑俺、現役の冒険者専門学校通いなんよ


「待ってバカニキ。お前冒険者専門学校なん??」


 冒険者専門学校。

 その名の通り、15歳の時にスキルを手に入れた人の中でも、冒険者を強く志願した者が通う専門学校だ。


 しかしあそこ、入学試験がかなりエグい。


 頭脳の試験ではなく、『〇〇ダンジョンの〇階層まで1人で踏破する』という試験。

 それをまだわずか15歳のやつにやらせるというのだ。


 ちなみに、『〇階層まで行きました』というのは、各階層にいるボスモンスターのドロップアイテムで証明可能だ。


 また、もちろんのことこの専門学校にも『浪人』という概念があるので、いつかは入学できるだろうが……


「お前、現役マジで?」


:おう、今年入学したぜ!

:待て待て待て

:今年の現役合格者って1人だけだよな??

:↑いえす。しかも指定踏破階層じゃなくて、そのダンジョンでまだ数人しかいない全踏破をしやがったキチガイ


「お前最強じゃん……」


 めっちゃバカなのはバカでも生きていけるからなのかよ。

 ちょっと、いや結構見直したわ。


:しゃーねーだろ!!! 何階層までって言われたか聞いてなかったんだし!

:マジかよ。なんで??

:『13時から説明を行います』って言われてたんだけど、13時って何時か分かんなくてとりあえず午後の3時に行ったら説明終わってた

:お前マジかよw

:よく合格できたなwww

:今は13時=午後1時って分かってるからな!?

:当 た り 前


「見直したからこれからはバカニキって呼ぶのやめようと思ったのに」


:そんなああああああああああ!!!!!

:草

:これはさすがにバカニキ

:俺も見直したかと思ったのに

:頼むから埼玉のダンジョンには来ないでくれ。バカニキ来たらワイの仕事量が増えそうや

:サボリニキww

:そんなあああああああああ!!!!!


 やっぱバカニキはバカニキだな。

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