さて、まずはこの物語(?)の主役である『シゲじい』の事を紹介しないと話にならないと思います。シゲじいは俺の父方の祖父であり、既に鬼籍に入って10年余りになります。大正末期の生まれで酒と煙草と女が大好きおっぱい星人。戦時中は志願して海軍に入ったけれども早々に大怪我して予備役へ。そこからかなり腕の良い大工として活躍して、俺が産まれた頃には既に大工は引退しておりました。老後は畑仕事と若い姉ちゃんの尻を追い掛け回すのに精を出し、3回の脳梗塞と糖尿病、前立腺がんを患いながらも90過ぎまで酒と煙草を辞めずに亡くなるとかいう、頑丈さがちょっとバグった人でした。
そんな人なので、親戚に迷惑を散々掛け倒しており、嫌っている人と好いている人の評価は両極端。嫌っている人は顔も写真ですら見たくないと言う人も居れば、楽しい爺さんだったよな!って明るく語る人も居る。俺は勿論後者で、でなけりゃこんな話を書こうとは思い至らない訳ですが。