目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

第3話 シゲじいの一日

さて、俺が物心付いた頃にはもう仕事も辞めて悠々自適な老後を過ごしていたシゲじいの一日のルーティンを紹介してみたいと思います。ただし、これは脳梗塞で半身麻痺が残る前の物で、俺が知る限り一番元気だった時期の物です。


AM3:30起床。シゲじいの朝は早い。下手すりゃ新聞配達の人達より早く動き出して着替え、洗顔を済ませて日課の散歩に出発。散歩コースはその日の気分で変わり、海に向かったり山へ向かったり……。片道1時間の道程をすたこらさっさと歩く。


AM5:30帰宅、朝食。散歩から帰って来ると家族分の味噌汁と自分の朝飯のおかずを作り、出来上がれば朝食。朝飯にはご飯に味噌汁、自家製野菜の漬け物に納豆か焼き魚、卵焼きが付く。そして水の代わりに日本酒か焼酎の水割りが傍らに常駐している。


AM7:00畑仕事スタート。当時は知り合いから土地を借りて、大きめの家庭菜園の様な感じで色々な野菜を育てていた。因みに我が家は当時汲み取り式トイレだったのだが、排泄物はシゲじいが有効活用していた。


AM10:00昼前の一服。一旦家に帰って来て、昼飯前の休憩。縁側に座り、煙草をふかしながら水分補給に酒を煽る。この時、昔の大工仲間や飲み友達が尋ねてくるとそのまま宴会モードに突入する。そうでなければ30分程休憩したら再び畑仕事に戻る。


AM12:00昼食。シゲじいは好き嫌いが多い人間だったので基本は三食自作。普段は野菜炒めとか簡単手抜き料理だが、気が向くと鶏ガラを買ってきてスープを自作し、ラーメンを作ったりもしていた。案外凝り性なのである。勿論、昼飯とは言ったが飯の代わりに酒である。シゲじい曰く『原料は同じだし、アルコールは燃えるんだから燃料になる』とのこと。ちょっと何言ってるか解らない。


PM1:00午後の畑仕事。昼飯の後軽く昼寝して、3時頃まで畑仕事の続き。


PM3:00おやつタイム。シゲじいは甘党で、毎日饅頭や羊羮なんかを甘いコーヒーで流し込んでいた。そのまま相撲中継の観賞タイムへ突入。


PM5:00夕食作り。シゲじいの晩飯の定番は豆腐田楽。味噌を塗って焼いた豆腐に漬け物、日によっては刺身や魚の煮付けが付く。ちゃちゃっと作って居間に戻り、相撲中継を眺めながら晩酌。


PM6:30就寝。相撲中継の後のニュース番組で天気をチェックし、そのまま寝床へ。まぁ、雨が降ろうが雪が降ろうが朝の散歩は合羽を着て出かけるので天気のチェック意味ある?と今では思う。※流石に台風の日の散歩は止めろ、と家族で止めた。シゲじいは不満げだったが。




……とまぁ、こんな感じの一日を過ごしていたウチのシゲじい。同じ生活出来るか?って言われたら、多分無理ですね(笑)



この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?