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絵が書きたかった私、異世界で貴族を目指す。
絵が書きたかった私、異世界で貴族を目指す。
みんと民
異世界ファンタジースローライフ
2025年05月06日
公開日
2,729字
連載中
私の名前は「麦倉麗華(むぎくら/れいか)」そして難病とされる病を患い、生を授かって14で亡くなった。 その私は今… 「ハァ…最悪。霊になってまでなぜこんな戒めを…」 幽霊になっていた。 そして数百年が経ったころ… 「フォッフォッフォッ…お前の言葉がトゥルーとして証明された。」 そう、この霊の世界、とっても時の流れが遅く、そのため流行や時代遅れているのだ。 ただ、この世界には誰もが夢見る、「魔法」に近しいものが存在している。 「おっそ…マジかよ、神さん…ずっとトゥルーかライか測ってたわけ…?」 神さん…安直すぎるがこれしか呼び名がないのである。 「ようやくお主をここから出せるぞい…転生先でも老人には優しくするんじゃよ〜」 いや、軽……そんなんでいいのかよ。 天界も楽だな。 そう、私は寿命を全うしたわけでも、自殺したわけでもない。 病による死…なのだ。 正直もうそんなにその時のことは覚えてない。 ―ただ、とても絵を書きたかった。

第1話 約束

私の名前は「麦倉麗華むぎくら/れいか」。

そして1年ちょっと前、難病に罹りそろそろ生を終わらせようとしていた。

難病と診断されたとき、私は目の前が真っ暗になった。


嘘だって思った。けど現実は私に厳しかった。

頭痛や腹痛で夜もまともに寝れず、食事もままならず…


この点滴の線をぶち抜いてやろうか。と思ったことだって数え切れんほどある。


けど私がそれを留めたのは彼女の存在が大きい。


「お、しーちゃん!!やほ〜!」


「よっ!むぎちゃん、今日も元気ですなあ〜!」


彼女の名前はしずく。石戸いしどしずく、14歳。

私が入院したばっかのころ、病室が隣ということで私がよく遊びに行ってた。


今じゃ私はベッドから降りられないような体になってしまった。

しずくは回復傾向にある。しずくはガンで入院していた。

手術も成功し、落ちきっていた体力も今では付き始めている。

なので最近ではしずくからこちらに来ている。


しずくは穏便で優しい性格。いつでも笑顔を絶やさず、私の親友でいてくれた。


退院まで、見守ってたかった…

そう、私の余命はもう僅か。


医師から


「あと1年生きられるかどうかと思ってください」


と、言われるほど私は生と死を行き来していた。

私は別にしずくと違って穏便でもない、優しくもない。だから気分が下がる。



病は気から…とよく言う。なので気も落ちきっている私は潔く死ぬつもりだ。


だけど…しずくと絵を描く約束をしてたんだ。

一枚の絵を…


あぁ、描きたかったな…ごめん…ごめんね…しずく―――





「お主は死んだのじゃ。」

………………は?

「?聞いとるか?」

………………死んだ…?



いや、誰だよあんた。




私のそんな第一声は…



    声に出すことができなかった。



それから数百年…


「お前を元の世界とは別の世界に転生させることとなった。」


転生?


「あぁ。次の世界では病に侵されることのないよう、特性「絶対健康」を授けといたからの!では、いってらっしゃーい」


えぇ…いや、ちょま……………





「レイカ〜!起きて〜〜!」

バッ…そんな音と同時にカーテンが開けられる。


「今行きます〜〜」


朝か…

ん…?


今…声、出せたよな?


「あ………ぁ…」


出せた、!声が出せたんだ!!

てことはここは神さんが言ってた「異世界」とやら…

ふふふ。なにかおもしろい予感がしてきた。



そういえば神さんが転生際になにか言ってような…



「特性…?絶対健康とやらだったよな…」

なんかゲームとか詳しくないけど…すてーたす?とかあっちゃう感じ?!



「ステータス、オープン」


大体最初はこうなんだろ?!



「またやってるの〜レイカ…魔属性検査は明日よ〜」


魔属性検査…だと…!?

魔属性検査…?

神さんに聞けば…


神さん…?誰だそりゃ…

神さん神さんとさっきから何を私は言っている…




〜〜〜


「神さま…良いのですか?記憶をもたせたまま転生させちゃって…」



「記憶消し魔法は痛いんじゃ、それにもうわしらのことは忘れておるじゃろう。」









あちらの世界の人化が進んどる。やはり…

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