私の名前は「
そして1年ちょっと前、難病に罹りそろそろ生を終わらせようとしていた。
難病と診断されたとき、私は目の前が真っ暗になった。
嘘だって思った。けど現実は私に厳しかった。
頭痛や腹痛で夜もまともに寝れず、食事もままならず…
この点滴の線をぶち抜いてやろうか。と思ったことだって数え切れんほどある。
けど私がそれを留めたのは彼女の存在が大きい。
「お、しーちゃん!!やほ〜!」
「よっ!むぎちゃん、今日も元気ですなあ〜!」
彼女の名前はしずく。
私が入院したばっかのころ、病室が隣ということで私がよく遊びに行ってた。
今じゃ私はベッドから降りられないような体になってしまった。
しずくは回復傾向にある。しずくはガンで入院していた。
手術も成功し、落ちきっていた体力も今では付き始めている。
なので最近ではしずくからこちらに来ている。
しずくは穏便で優しい性格。いつでも笑顔を絶やさず、私の親友でいてくれた。
退院まで、見守ってたかった…
そう、私の余命はもう僅か。
医師から
「あと1年生きられるかどうかと思ってください」
と、言われるほど私は生と死を行き来していた。
私は別にしずくと違って穏便でもない、優しくもない。だから気分が下がる。
病は気から…とよく言う。なので気も落ちきっている私は潔く死ぬつもりだ。
だけど…しずくと絵を描く約束をしてたんだ。
一枚の絵を…
あぁ、描きたかったな…ごめん…ごめんね…しずく―――
「お主は死んだのじゃ。」
………………は?
「?聞いとるか?」
………………死んだ…?
いや、誰だよあんた。
私のそんな第一声は…
声に出すことができなかった。
それから数百年…
「お前を元の世界とは別の世界に転生させることとなった。」
転生?
「あぁ。次の世界では病に侵されることのないよう、特性「絶対健康」を授けといたからの!では、いってらっしゃーい」
えぇ…いや、ちょま……………
「レイカ〜!起きて〜〜!」
バッ…そんな音と同時にカーテンが開けられる。
「今行きます〜〜」
朝か…
ん…?
今…声、出せたよな?
「あ………ぁ…」
出せた、!声が出せたんだ!!
てことはここは神さんが言ってた「異世界」とやら…
ふふふ。なにかおもしろい予感がしてきた。
そういえば神さんが転生際になにか言ってような…
「特性…?絶対健康とやらだったよな…」
なんかゲームとか詳しくないけど…すてーたす?とかあっちゃう感じ?!
「ステータス、オープン」
大体最初はこうなんだろ?!
「またやってるの〜レイカ…魔属性検査は明日よ〜」
魔属性検査…だと…!?
魔属性検査…?
神さんに聞けば…
神さん…?誰だそりゃ…
神さん神さんとさっきから何を私は言っている…
〜〜〜
「神さま…良いのですか?記憶をもたせたまま転生させちゃって…」
「記憶消し魔法は痛いんじゃ、それにもうわしらのことは忘れておるじゃろう。」
あちらの世界の人化が進んどる。やはり…