目を覚ますと外はすっかり暗くなっていた。
部屋の照明が柔らかく光っている。
カナエは体を起こすと部屋を見渡す。
あの後、飲んで食べてと楽しい時間を過ごして、
ベットの傍にはもたれかかるようにマユが眠っている。
起こさないように立ち上がると、静かにテーブルの上を片付けて、床に散らばった缶を拾った。
あらかた片付け終わると、マユの傍に行って彼の緩まったネクタイを外した。
顔は赤くはないから酔ってはいなさそうだけど。
それにしても睫毛が長い。
雑誌の写真は舐めるように見てきた。
整った顔に綺麗な肌、今日はモデルの頃にはしてなかったおでこが髪をあげているからよく見える。
じっと見ていたからか、急に心臓がドキドキとし始めた。
眠ったままの彼を前に手を伸ばす。
ネクタイを外した後の首もとのボタンを外す。
胸元まで外れると鎖骨が見えた。
カナエは小さく唸ってうずくまる。
・・・ちょっとまずいかも知れない。
視線を降ろすと自分が反応していることに気付いて息を吐く。
ハッと顔をあげるとマユは目を閉じてスウスウと寝息を立てている。
カナエの喉が鳴った。
ごくりと息を飲んで、マユの胸に近づいた。
かすかに香る甘いコロン・・・マユって香水つけるのか、そっか・・・。
知らないことばっかりだと、手を動かした時、敏感な場所に触れた。
『・・・あっ。』
無防備に眠ってるのに、自分はこんなことになってる。
カナエはマユに背を向けると抑えるように前かがみになった。
『・・・落ち着け。』
小さな声で呪文のように唱えていると、ふと耳に暖かい息がかかった気がした。
『え?』
後ろからマユの腕の中に引き寄せられて、カナエは彼の顔を見た。
マユはいつもと少し違い目が
低い声でカナエの耳に唇を寄せると呟いた。
『何してるの?』
『・・・マユ。』
マユの視線がカナエの足元へ映ると、カナエは両手でそれを隠した。
『なんで隠すの?』
『・・・マユ、酔ってる?』
『さあ。』
大きな手で顎を触られて唇が重なる。
カナエは驚いて目を見開いたが、その感触に瞼が落ちた。
とろりとしたキスが唇から胸、腹へと落ちていく。
カナエはたまらずに指先で自分を
キスの合間、マユは微笑む。
『へえ、可愛い、もっとして。』
マユの体にもたれてカナエは快楽へ堕ちていく。
べったりとした指の感触に小さな息が漏れる。
『・・・マユ。』
果ててしまいそうなのにマユは『もっと。』と言う。
カナエは体を預けながらマユのキスに溺れている。
『・・・駄目だよ。』
『駄目?』
腹に触れていたマユの手がゆっくりと下りて、カナエの手に触れた。
その瞬間、カナエは快感の海で白く落ちる。
両手の中で受け止めるとマユは笑った。
『・・・よく出来ました。』