臨海署を後にした3人は、近くに建つ商業施設ダイバープラザに足を運んだ。流雫と悠陽に挟まれる澪は、自分が父と話している間に、2人の間で言葉が交わされなかったと察した。
かつて、相容れない流雫と詩応が接近したのは、詩応が流雫に問い質したいことが有ったのと、不仲の本質に気付いていた澪の策略によるものだった。
しかし、そもそも悠陽は自分から話す必要が無いと思っている。何から切り出せばいいのか迷う流雫も流雫だが。やはり、2人が言葉を交わすこと自体難しいのか……。そう思っていた澪に、悠陽は問う。
「澪、コスプレしてみない?」
「え?」
あまりの唐突な誘いに、澪は一瞬固まった。
「私はアウロラやるから、澪はミスティ……しない?衣装なら、私が用意するから」
アウロラの衣装は自作。尤も、自分のアバターだから販売などされていないのだが。1週間有れば簡単に用意できる。
それほどまでに、悠陽は同行者を求めていた。澪の話が本当なら、もう一度アルバの残党に近寄られても不思議ではないからだ。そうなった時に護ってほしい……その思惑が見え隠れする。当然、澪には流雫がセットだから、万が一の事態でも安心だと思っている。
「……いいですよ」
と澪は言った。
味方として上手く使われているだけのように思えるが、そう思われていることは初対面の時から判っている。だが、流雫とのイベントデートが面白くなるなら、それはそれとして受け入れられる。
3人は、リアルFPSと云うインドアアトラクションを見つけた。
見知らぬ人と赤外線の送受信機を搭載した大型の銃で撃ち合うゲームだ。3回被弾判定を受ければキルされたことになり、失格となる。ブース内の障害物を駆使するため、猪突猛進では勝てない。
今はEXCとのタイアップキャンペーン中で、アカウントを持っていれば割引になるらしい。悠陽は乗り気だった。その隣で、澪が
「流雫は……?」
と恐る恐る問う。流雫は
「澪がやるなら、僕も」
と答える。その答えに、澪は驚きを隠さなかった。
ゲームとは云え、人を撃つことは変わらない。ましてや、実際に銃を持ってのものだ。抵抗感は拭えない。EXC以上だ。
しかし、澪がアトラクションに興味を示している。それなら、誘いを拒否する理由は無い。それだけのことだ。
「判ったわ。でも、流雫だからって容赦はしないわよ」
と澪は言った。
「流雫らしいわ……」
と言いながら、7分を要した1戦の最後に銃を返却したのは澪だった。8人での個人戦で、流雫は澪と最後まで残った。しかし、互いを知り尽くしているだけに、次の手を読むと下手に動けなかった。
流雫は障害物のブロックに跳び乗り、次々と飛び移った。そうして撹乱すれば、澪にも隙が生まれると思った。だが、明文化されていなかったものの、流石にエンタメとしてのリアルFPSのルールに違反していたらしく、失格処分となった。
ただ、それまでの動きは、何度もテロと戦ってきた時のそれと遜色無いことを、澪は知っていた。苦手意識を澪と遊ぶためで押し殺しているにせよ、流雫としては一歩進んだ方だと思う。
悠陽は最多の3人をキルしたが、残り3人になった段階では最初に脱落した。相手の動きを読んだ澪と、個人戦にも関わらず彼女をサポートした流雫の的確なショットのコンビネーションには太刀打ちできず、1ダメージを負わせることすらできないまま沈んだ。
先にキルされた5人も、唖然とした表情で2人を見ていた。
「あれが違反じゃなければ……」
「あたしもそう思うわ」
とカップルが言葉を交わす。あれが違反でなければ、流雫が勝っていただろう。澪ですら予測不能な動きをやってのける、それが宇奈月流雫なのだ。
「ありがと、流雫」
と澪は言った。流雫が自分のために苦手なゲームに手を出し、それで楽しんでいたことが嬉しい。
その様子が、悠陽には羨ましかった。同時に、少しばかりの劣等感に変わる。澪が流雫を中心に回っていることを思い知らされたからだ。
希望だからこそ、不意に感じた外様感。ゲームやコスプレだけが接点なのは、あまりにも脆弱過ぎる。ただ、折角澪と流雫を味方に付けることができた。これ以上求めると逆効果になりかねない。
もどかしく思えるが、悠陽は今を耐えるしかないことを覚悟した。
ダイバープラザを後にした3人は、東京テレポート駅で別れた。悠陽の家は23区でも東端で、そのまま新木場へ向かうのだ。
逆方向の流雫と澪は、最後に渋谷に寄る。美桜に会いたい、と流雫が言ったのだ。
渋谷の慰霊碑の前に立ち、手を合わせる流雫。隣の澪もそれに続く。
「……悠陽さん、先刻のゲーム……あまりよく思ってなかったね」
と澪が言う。
「個人戦にせよ、澪がキルされるのだけは避けたい。でも天王洲さんにとっては、それが面白くなかった。僕が澪をアシストしたこと、釈然としていないハズ」
と流雫は言う。先刻のリアルFPSで登録した時に、悠陽の名字を知った。これでアウロラさんと呼ばなくていい。
最後に残った2人が自分と澪なら、後はどっちが勝ってもいい。流雫はそう思っている。逆に言えば、2人になるまでは澪をサポートしたい。だから2人で悠陽を狙うのは、当然のことだった。
「澪は天王洲さんをフレンドだと言ったけど、伏見さんのように慕ってるワケじゃない。あの人は澪を都合よく使いたいと思ってるから」
「じゃあ、流雫は悠陽さんからどう見られてると思ってるの?」
「澪とセット。澪が味方でいる限り、自動的についてくる。アルバのナンパの件も有るし、僕は男の時点でその程度の扱いだと思ってる。でも、味方は多いに越したことは無いからね……」
と流雫は答える。だが、それが外れているとは、2人揃って思ってはいなかった。
澪は、最愛の少年の言葉が引っ掛かっていた。澪自身は別として、流雫が駒扱いされているとしか思えなかったからだ。それが自虐ではないことは、その口振りからして判る。
「……じゃあ、詩応さんは?2人の間に面識は無いけど」
と問うた澪に、流雫が答える。
「澪との接点が有る限り、伏見さんも味方につけられると思ってる。澪と一緒にいる紅きシスターの存在は、既に知っているハズだし」
詩応も自分と同じ扱い、流雫はそう結論付けた。澪は怪訝な表情で問う。
「悠陽さんがあたしをコスプレに誘ったのは、コスプレイヤーの同行者としてボディーガードが欲しいからでしょ?流雫もボディーガード扱いだし」
「でも、それより大きいのは、天王洲さんは澪のコスプレ相手として、澪に近寄ってきた伏見さんに接触したい。自分の味方にしたいから」
と答える流雫。
乱暴な言い方をすれば、流雫と詩応、場合によっては真すら、澪をエサに自分の味方にしたい。形振り構っていられないのは、それだけ独りが不安だからだ。経緯は違えど、美桜や澪と知り合うまで孤独だった流雫には、その思いは判る。
ただ、詩応にとって彼女の計算は地雷でしかない。そのことは、彼女と一緒に戦ってきた2人がよく知っている。名古屋からのボーイッシュな少女が悠陽の味方をするなら、それは澪のためだ。
「思い通りに行くとは思わないけどね」
と言った流雫に、澪は
「美桜さん……みんなを護ってください……」
と呟く。流雫を託される夢を見たあの日から、澪にとって美桜は女神も同然だった。
EXCの開発者アカウントのリストから、美浜椎葉の名前が削除された。持ち主が弥陀ヶ原に頼まれた解析に当たっている間のことだ。
ログインできなくなったことを知った椎葉は、菩薩のような表情を浮かべる。予想した通りになったからだ。
「露骨だな……」
と呟く椎葉は、スマートフォンに表示されるIDを入力し、開発画面に目を向ける。
自分が手掛けてきたAIに再会した椎葉は、テスト環境モードの裏で新たなデータを実装した。このアカウントにだけ存在する特殊なデータ。これでダメなら完全に詰む。最初で最後の大きな賭けだ。
挙動に問題は無い。テスト環境モード解除のコードを叩く椎葉は
「新宮……恩に着る」
とだけ呟き、エンターキーを押す。その瞬間、スマートフォンが鳴った。
画面に表示される名は川端。動きに気付くには僅かに早い気がする。ただ、出ないワケにはいかない。椎葉が通話ボタンを押すと同時に、焦りと落胆の声が響く。
「プロジェクトリーダーが死んだ」
「……貝塚が……!?」
と、椎葉は眉間に皺を寄せ、血相を変える。
「池袋で事故を起こしたらしい」
通話相手がそう言うと、椎葉の頭で2つの点がリンクする。
弥陀ヶ原からAI解析を頼まれたのも、事故に関する捜査の一環だった。まさかその当事者が貝塚だとは。
「お前、リーダーに歯向かっていたな。何か知ってるんじゃないのか?」
と川端は問う。椎葉は牽制する気で言った。
「栄光の剣。副理事長だったらしいな」
「……それは知っている。だが事故とは無関係だろ」
「俺が知っているのはそれだけだ。尤も、今日で開発部隊を離れるがな。お前は貝塚に可愛がられていたが、開発スキルも有る。明日からはお前が頑張れ」
と言い、椎葉は通話を切る。
しかし、頭の整理が追い付かない。何杯目かのコーヒーを飲み干した椎葉のスマートフォンが、またしても鳴る。数日前に再会したばかりの刑事だった。
臨海副都心を走る地下鉄に揺られ、家の最寄り駅に着いた悠陽は、家に帰り着くと早速EXCにログインした。バトルフィールドに立つアウロラを取り囲むNPCのエネミー。何時もと変わらないプレイ画面で、悠陽はキーボードを忙しなく叩く。
ただ、何か様子が違う。一言で表せば、本来のゲームバランスを取り戻している。理由は判らないが、あのナンパ騒動以前の平和だった頃のようだ。
軽やかなキータッチでエネミーを殲滅させる悠陽は、知らない。これが新宮が隠し持っていた秘密兵器であることに。
不正検知システムに携わっていたエンジニアが、アウロラに接触したのはフラウ銃殺の翌日。彼もまた、アウロラがイベントに行くことを知っていた。
「スタークは一連の件を知っていた。アウロラに接近したのも、真相を伝えるためだったのだろう」
と流雫は言い、確信する。シュヴァルツがアウロラに執着心を抱いているのは判っていた、だからストーキングを装って先回りしたのだと。
「……シュヴァルツが率いる栄光の剣、そのナンバー2はEXCプロジェクトリーダーだった。開発にも介入しているが、AI批判にペナルティを科す学習データを秘密裏に実装させているらしい」
「らしい?」
「仲よくなったエンジニアが、そう言っていたんだ。だからシュヴァルツとリーダーは、栄光の剣としてスタークの動きを警戒した」
と、アルスの疑問に答えた流雫は続ける。
「しかし、スタークはアウロラに接触した2日後、列車に飛び込んだ。もしこれが、自殺を装った口封じなら……」
「……実行犯はフォロワーか?」
「そうとしか思えない」
と流雫は言う。その前の2日連続キルも、口封じの一種だとすれば話は合う。
「あくまでシュヴァルツが黒幕なら、だけど……」
「命中していなくても、的には当たっているハズだ」
と言ったアルスは溜め息をつく。
僅かな関連性から真相に辿り着く、流雫の推理力には頭が上がらない。しかし、だからこそ外れていてほしいと願う。そもそも、流雫がこうして推理し、戦う必要は無いハズだからだ。
アウロラが流雫と澪に接近しなければ、こう云う事態には陥らなくて済んだ。2人の日本人への祈りが足りないのか、とアルスは思う。
「行ける所まで行け」
と言ったアルスに、流雫は
「でも死ぬべき場所は其処じゃない」
と返し、口角を上げた。その表情はフランス人にも想像できる。
通話を終えたアルスに、赤いロングヘアの少女はラテを啜りながら
「ゲームが原因で殺人とは、本当に世も末ね」
と言った。その奥から
「でもこうして、無事を願う人に支えられて、ルナは幸せ者ね」
と言いながらガレットを焼いて持ってくる、ブロンドヘアの三つ編みの淑女。
「母として、誇りに思うでしょう?マダム・クラージュ」
とアリシアは返す。
流雫の母、アスタナ・クラージュ。レンヌで、日本人の夫と旅行代理店を営んでいるが、アリシアのアルバイト先でもある。今日はカップル2人、その流雫の実家に招かれたのだ。
「当然よ。ただ2人には礼を言わないと」
とアスタナは言う。
「何時だってルナの味方でいるから、ルナは孤独と戦えるの。だからこれは、私からのせめてもの礼よ」
目の前のガレットに手を付ける2人。蕎麦粉のクレープにアボカドサラダがトッピングされているが、2人は言葉を発さず堪能する。
アルスは日本への短期留学で、流雫のガレットを毎朝口にした。
「母さんから教わったんだ。日本にいても、すぐに故郷を思い出せるようにと」
と言っていたことを思い出す。つまり、このガレットは謂わば流雫の原点。
彼をフランスから追い出した、この家族から引き剥がしたも同然の身として、罪の意識を抱えている。
「ルナは絶対に屈しない」
と、アルスは呟く。
屈する運命など有り得ない。オッドアイに宿る光の強さは、誰より知っている。そう、恋人の座に君臨する献身的なボブカットの少女以上に。その自負も有る。
アリシアには、それが些か気懸かりに映る。贖い、その言葉で自分を縛り付けているように見えるからだ。ただ、歯止めが利かなくなるほど愚かではない。
「そうね。あの2人にはルージェエールの守護が有る。不安は何も無い」
とアリシアは言う。アスタナは2人を見ながら微笑む。我が子とその恋人が重なる。ただ、日本にいる2人には平穏が足りない。それだけが残念だが、平穏を手に入れるために戦っているのも事実。
戸籍上の親子ではなくなって12年、しかし流雫は唯一の母親として慕っているし、逆もそうだ。互いを想わなかった日は無い。だから誰よりも、流雫の無事を願う。
通話を切った流雫は、EXCにはログインせず今までのことを思い出していた。
アルスとの通話では触れなかったが、悠陽を襲った犯人はEXCとは無関係だ。つまり悠陽との接点は無い。シュヴァルツのフォロワーで、SNSを見て悠陽の存在を知った……それであれば可能性は有る。
ゲームの実況を軸にした配信は、謂わば戦国時代。熱狂的なフォロワーを得た者がマネタイズを成功させられるが、最も成功しているのがシュヴァルツ。
インフルエンサーのためにと犯行に及んだ、とするなら、何故そうする必要が有ったのか。そもそも、ナンパを拒否されただけだ。
……悠陽が襲われた理由は別に有る。EXCの場外で、栄光の剣に目を付けられていたとするなら、理由としては成り立つ。しかし、だとすれば悠陽は何を見たのか、何を知っているのか。
澪は今EXCにログインしている。恐らくは詩応もいる。楽しいプレイを邪魔することは気が引けるが、一応ログインすることにした。
澪から一通り話を聞いた詩応は、ボブカットの少女と同時にEXCにログインした。碧と紅のシスター2体が並ぶ。数分遅れて黄のシスターが合流する。澪が彼女をフレンドとして承認すると、モバイル組3人のボイスチャットが始まった。
「シュヴァルツ……」
澪は詩応から聞いた名前を呟き、メモする。後で検索してみようと思ったからだ。
「流雫は既に知っていたりして」
と詩応が言い、澪が続く。
「流雫には、最強の右腕がいますから」
今頃、流雫はアルスと2人で、シュヴァルツについて調べているに違いない。あくまで自分と澪のために、その思いを抱えて鋭い着眼点と推理力を発揮する。
「その話は後。取り敢えず、真のデビュー戦をエスコートしないと」
と詩応は言い、マップを開く。その瞬間、ネイビーのスーパーヒーロー然としたアバターがログインした通知が来る。
「詩応さん、真さん。あたし、流雫のところに行ってきます。また後で」
と言い、澪は名古屋からアクセスする2人と別れる。
碧きシスターの背中に背を向けた紅と黄、2体のアバターはウェポンを手に、フィールドに足を進める。
「流雫が何か掴んだな」
と言った詩応に、真が
「何が起きとりゃあす?」
と問う。ショートヘアの少女は
「厄介なこと」
としか答えなかった。
AI批判関連のアラートの発動と、エグゼキュータ発動の件数はこの数時間でゼロ。その統計に、椎葉は安堵の溜め息をついた。
……自分のアカウントを削除されると読んでいた椎葉は、新宮のアカウントに自分が有していた開発権限の全てを移した。ログイン情報は、線路に飛び込む数日前に教えられた。
「何か有った時に、俺の代わりにシステムを世話してほしい」
と言われたのだ。椎葉は、悪質な冗談と捉えつつも受け取った。 今思えば、こうなることを予期していたのだろうか。
新宮のアカウントは残されていた。悪用の危険が有るからと、主を失ったアカウントを即刻削除するのは管理面では初歩のハズだが、連中はそうしなかった。 あの列車飛び込み以降、椎葉の動きだけに気を取られていたことがよく判る。
新宮は生前、秘密裏に新たなデータを作成していた。EXCやAI批判のトリガーワードを無視することで、制裁を発動しないようにするものだった。実装したデータは、アップデート前にリカバリしなければ削除できない。そのアドミニストレータAIの仕様を逆手に取ったのだ。
新宮のアカウントにアクセスし、譲渡した開発権限を使い、新宮が生成したデータを実装する……。それが、椎葉が貝塚との通話で決めた作戦だった。
その貝塚の死は、事故が原因ではなかった。弥陀ヶ原から、そう聞いた。
事故の直前に意識不明に陥っていたことが、ドライブレコーダーの映像から判明している。つまり、バスに衝突したことすら知らないのだろう。
自動運転のログや挙動のログを総合すると、自動運転が解除されたと同時に制御不能に陥った車はバスに向かったことが判る。そして衝突したことを引き金に向きを変え、地下への階段入口に衝突して止まった。
犯人は、AIとシステムに介入して事故を起こすようプログラミングし、事故と同時にプログラムを削除した。検証アプリを使えば、そう云うことすら可能だ。
……内部に、貝塚をよく思わない人物がいる。川端の裏切りか、別に誰かいるのか。
椎葉のスマートフォンが鳴る。
「逢沙か。どうした?」
と通話相手に問う椎葉に、落ち着いた口調で逢沙は
「昨日から福岡にいるんでしょ?折角だし、今から会わない?」
と問い返す。
この2週間近く会っていないだけに、悪くない提案だ。
「何処にする?」
と椎葉は問う。
普段は東京にいるが、この週末だけ福岡に取材に行っている。そのことは椎葉も知っていたが、まさか会うことになるとは。
退屈だろう福岡での夜が、少し楽しくなる。これぐらいの恩恵は受けてもいい。