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第44 ジパング店 開店準備1

新店舗運営の方針を語る雪乃


新店舗の改装がほぼ完了し、オープンへ向けた準備もいよいよ大詰め。雪乃は店舗の中心に立ち、関係者たちを集めて新たな運営方針を説明した。


「皆さん、新店舗の運営について、基本方針をお伝えします。」


彼女の真剣な表情に、忍、弥生、クラリス、シモーヌ、夜、そして花が耳を傾ける。


厨房と接客の役割分担


「まず、厨房は両店舗で共通にします。つまり、ラルベニアとジパングで同じ品質の料理とスイーツを提供します。厨房は月と弥生が中心になりますが、必要に応じて私も入ります。」


月が軽く手を挙げ、「任せておいて、雪姉様」と微笑んだ。


「接客は、ラルベニア側をクラリスとシモーヌ、ジパング側を忍と弥生に担当してもらいます。忙しい時は、応援に入ってもらいます。」


クラリスとシモーヌがうなずき、忍と弥生も「了解です!」と元気よく返事をする。


応援の体制と移動


「そして、忙しくなった方には夜と花が応援に入ります。どちらの店舗が混雑してもすぐ対応できるように、どこでも転移門を活用してください。」


「了解しました!」と夜が即答し、花は「まぁ、私も時間がある時は手伝うわ」と軽く応じた。


雪乃の役割


「私は、ラルベニアとジパングを両方行き来して状況を確認しながら、必要があれば厨房にも入ります。」


雪乃の説明を聞き終えた月が少し笑いながら、「雪姉様、本当に両店舗を管理できるの?」と声をかけた。


雪乃は軽く肩をすくめて、「転移門があるから、物理的にはなんとかなるわ。それに、皆がしっかりしてくれているからきっと大丈夫。」と自信を見せた。


最後に


「ラルベニアのお客様もジパングのお客様も、満足していただけるように、皆で力を合わせていきましょう。」


雪乃の言葉に、全員が「はい!」と元気よく答える。


こうして、新店舗の体制は整い、ジパングとラルベニアを繋ぐ特別な喫茶店の運営が本格的に始まろうとしていた。


新たな課題を抱える雪乃


雪乃は厨房で作業を進めながら、ふと手を止めてつぶやいた。


「…ジパング側に接客がもう一人欲しいところね。」


周囲で準備を進めていた月が耳にとめ、「雪姉様、どうしたの?」と声をかけた。


「花がね、いつもお店に入れるとは限らなくなってしまったのよ…」と雪乃は困ったように小さくため息をついた。


月は手を止めて、「そうね、花は今やジパング政府の中核を担う一人だものね。壱姉様の即位式以降、花の役割もますます増えるでしょうし。」と同意する。



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花の不在を見越して


雪乃は少し考え込みながら言葉を続ける。


「花がいないとなると、ジパング側の接客が手薄になるわ。忍ちゃんと弥生ちゃんだけじゃ、繁忙期に対応が難しいかもしれない。」


月は雪乃の言葉にうなずき、「確かに。それに、花がジパング政府でやってること、かなり大規模なプロジェクトよね。私たちのお店にまで手が回らない日も出てくるわ。」


「ええ。花がいないのは仕方ないけど、その分、新しいスタッフを入れるべきかもしれないわね。」と雪乃は決断を固めるように言った。



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新たな人材の必要性


「誰か、接客が得意で、私たちの喫茶店の雰囲気に合う人が見つかればいいけど…」


月が少し考え込んで、「ジパング国内で信頼できる人を探してみるのはどうかしら?あるいは、忍ちゃんや弥生ちゃんに紹介してもらうとか。」と提案する。


「そうね…忍ちゃんたちと相談してみましょう。」と雪乃は頷きながら、再び作業に戻った。



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未来への一歩


花という頼もしい存在が政府で忙しくなり、喫茶店にいつも関われない状況。それでも、雪乃たちはそれを受け入れ、前向きに新たな人材を探しながら店舗運営を進めていくことを決めた。


「ジパングとラルベニア、両方の店舗を最高の形にする。それが私たちの使命ね。」と雪乃は心に誓い、再び目の前の仕事に集中するのだった。


ジパング店舗の新たな挑戦


ジパング店舗の改装が進む中、店舗の窓には目立つ張り紙が掲示された。



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《張り紙内容》

接客パート募集


経験者優遇


短時間勤務可


高収入


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