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第2話 異世界転生

 次に目を開けた時には、巨乳の母親に抱っこされていた。


 最初に思ったことはこれだ。ででかい! 母親に欲情するのはよくないが、すごい巨乳だな…。待てよ。前世の頭脳がそのままってことは、ある意味身内ってことにならないのか?


 いや、体はこの世界のものなんだから、身内なのか? とにかく、今世こそ、より良い人生にしよう。あと、事故には気をつけよう。そんなことを考えていると、母親がほっぺにキスをしてきた。胸元が見えて、興奮してしまう…。母に興奮するのはよくないが、前世の頭脳がそのままなんだから仕方ないか。


 この世界はどんなものだろうか。魔法と銃が発達した中世のような世界らしい。魔法が絶対的な力を持つ世界で、基本的に魔法の攻撃の方が強力だとされている。中世的な雰囲気なのに、前世の現代のような銃もあるし、銃火器だけが異常に発達している。名前や形も前世と同じものが多い。


 そして俺は、優しくて巨乳な魔法使いの母親ヘレスと、銃使いの父親フロストヴィルに育てられ、ブラコンの姉フレイヴェナと共に育った。


前世では長男で、年上の兄弟が欲しかったから、少し嬉しさを感じている。両親が育ちがいいからなのか、あるいはこの世界の歴史からなのか、魔法と銃のことだけでなく、性教育までしっかり教えられた。


 性教育は俺にとっても大事なことだと思うが、ここまで性をオープンに親子で話すなんて、前世の日本では考えられなかった。ちなみに、俺が生まれた町はプロディアスという名前だった。


 俺は13歳になっていた。ずっと銃を撃ちたくてたまらなかった俺は、一刻も早く銃を試してみたかった。でも、父に何度も「銃を撃たせてほしい」と頼んだが、「まだ幼すぎる」と断られ続けていた。いつものように父親に銃を撃ちたいと頼んだが、また「まだ早い」と言われた。銃を撃ちたい欲が爆発しそうだったので、父の知り合いでガンショップを経営しているおじさんのところへ行ってみることにした。


 俺は、店がまだ開いていない時間を狙って行くことにした。開店したらおじさんは店番で忙しくなるだろうと考えたからだ。お店の前に立っていると、「ヴェスじゃねえか」とおじさんが出てきた。


 父が銃を撃たせてくれないことを説明し、「銃を撃たせてほしい」と頼むと、おじさんは快く引き受けてくれた。こうして俺は、父の知り合いのおじさんの家で毎日のように銃の練習をすることになった。おじさんはガンショップを経営しているだけあって、いろんな銃を持っていた。スナイパーを手に取ってみると、これはKar98kに似ているなと思った。


 すると、おじさんが難しい顔をして口を開いた。


「子供にはまだスナイパーは早いな。射撃するなら、ハンドガンの方がいいんじゃないか。」


 そう言われたので、俺はルガーMkIIを手に取って尋ねた。


「これはどうですか?」

「それは初心者にオススメだよ。撃ってみるかい?」

「はい!」


 こうして俺は、2度目の人生で初めて銃を撃つことになった。


「まずはマガジンに弾を込めて、マガジンを銃にセットする。それから銃の上部を手前に引いて、引き金を引くんだ。」

「なるほど。全弾当てられるかな。今度はもう少し離れたところから撃ってみよう。

「今度も全弾当てたぞ!」

「今度はこの距離はどうだ!」

「この距離でも全弾当てられるか。ヴェス、お前は天才だな。初めてでこれとは驚きだ。」

「おじさん、僕ってそんなにすごい?」

「すごいどころじゃない! 天才だよ。」


 その日から、おじさんにいろんな銃を撃たせてもらったが、どうやら俺には銃の才能があるらしく、どれを撃っても「天才」と言われた。まあ、お世辞だろうとは思っていたけど。



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