:ベストはファミレス!?
「メイド喫茶! やっぱ時代はフリフリエプロンだよ!」
「いやいや、コスプレ喫茶の多様性をなめちゃダメでしょ!」
放課後、駅前で繰り広げられる激論(?)。が、結論は――。
「ってことで、歩いて五分のファミレスで」
由美の一言であっさり決定した。
「……ファミレスなんだ……」
「まあ、結果オーライってことで」
こうして、ありす・由美・カミラの三人は連れ立ってファミレスを目指して歩くことになった。
ただし、一般人から見ればちょっと異様な光景――。
二人の少女が、それぞれ肩に竹箒を担いで歩いているのだ。
「……はぁ~。これじゃあまるで、ボランティアで公園の落ち葉掃除に行くみたい」
由美が深いため息をつきながら呟いた。
「言われても……仕方ないでしょ? ね、カミラちゃん?」
「ごめんなさい。遅刻しそうで、つい、飛んできちゃって……」
箒で空を飛んで通学。普通じゃないが、彼女たちには日常だ。
「でもほら、コンパクトにできないの? 耳の中に入るくらい小さく」
「孫悟空じゃないんだから無理だよ」
「……ソンゴクウ? 誰ですか?」
カミラが目をぱちくりさせる。
「お猿のモンスターだよ。超強くて、如意棒って武器を持ってるの」
「猿のモンスター……?」
「昔ね、三蔵っていう偉いプーリストが――」
「はいはい、ストップ。プーリストって何。お坊さんでしょ、普通に言って?」
由美のツッコミに、ありすは口をとがらせた。
「カミラちゃんにわかりやすく言おうと思って……」
「で、お供に猿と犬と雉がついいく」
「それ、桃太郎が混じってるよ」
「う……」
「でも耳に入れるって発想は面白いですわ。如意棒というのですね? 私の箒も縮められたら……」
「呼べば来るから、あんまり気にしてなかったけど、確かにコンパクト化できたら便利だよね」
「研究してみます。いっそ腕時計に収納とか……」
魔法少女たちの夢は広がる。
そうして、三人が魔法アイテムの持ち運びについて論じているうちに、ファミレスの看板が見えてきた。
「さ、到着っと!」
「……さて、世間の目が気になるわね。ほうき二本連れてる女子高生三人組って、どういう構成?」
「魔法少女系デコトラ集団?」
「それはやめて……」
少女たちの一日は、まだまだ続く――。
以下はセクション2のラノベ調書き直し版です。キャラの個性を活かしつつ、会話のテンポと読者の読みやすさを意識しています。
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セクション2:注文は魔法級!
ファミレスの自動ドアが開いた瞬間、ウェイトレスの視線がピタリと二人の“箒”に吸い寄せられた。
(うわ、ガチで見られてる……)
ありすが苦笑いを浮かべる一方で、カミラはきょとんとしたままだ。
それでもプロ意識の高いウェイトレスは、何事もなかったかのように微笑んだ。
「いらっしゃいませ。三名様ですね? 禁煙席でよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします!」
由美が即答すると、三人は窓際のテーブルに案内された。
ありすとカミラは、何食わぬ顔で箒を壁に立てかけてから席につく。
「はい、メニューどうぞ」
由美がカミラとありすにメニューを渡す。
「私は、ストロベリーパフェで」
「私は……チョコパフェと、苺ヨーグルトサンデーと、カフェオレサンデーと……あと、苺のミルクムースケーキとクリーミーカスタードプリンで」
「多っ!?」
由美が思わずメニューを取り落としそうになる。
「えっと……私はロースステーキを450グラム、焼き加減はレアで。ソースはガーリックでお願いします」
「……肉食系!?」
由美のツッコミが止まらない。
「ふふふ……魔法少女はね、お腹が空くのよ」
ありすが、どや顔で言う。
「そうなんです。魔力消費に合わせてエネルギーを補給しないと体がもたないんです」
カミラも真面目な顔で頷いた。
「え? 魔法って、そんなにエネルギー使うの?」
「意外かもしれないけど、使うのよー。魔法って、いくらでも使えそうに見えるけど、“質量保存の法則”と“エネルギー保存の法則”からは逃れられないのよね」
「物理法則、意外と大事」
「つまり、すごい魔法を使えば使うほど、お腹もすっごく減るの」
「なるほど……。なんか、ちょっとだけ魔法に親近感湧いてきた」
「じゃあ、由美ちゃんも魔法使いになれば?」
「遠慮しとく。食費が倍になりそうだから」
「うふふ……」
「ふふ……」
笑いが弾けるテーブル。ファミレスという平凡な場所で、少女たちの非日常がひっそりと広がっていく。
了解しました。以下に、ラノベ小説らしい文体でセクション3を書き直しました。キャラクターの個性を引き立てながら、テンポよく掛け合いを進めています。
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セクション3:魔法少女と指名手配犯と中学生(仮)
パフェのスプーンを口に運びながら、ふとカミラが疑問を口にした。
「……あの、由美さんって魔法使いじゃなかったの?」
スプーンをくわえたまま、由美がぴたりと動きを止めた。
「――ああっ、しまった。先にそれを説明するべきだったね」
「はい?」
カミラが小首を傾げる。
由美はスプーンを皿に置くと、わざとらしく咳払いを一つ。
「実は――中学生っていうのは、世を忍ぶ仮の姿で」
「はい?」
「私は……超常現象対策課・特別捜査官なのです!」
「なんですってぇぇぇぇっ!?」
カミラが驚愕し、ありすがちょっぴり誇らしげに補足する。
「平たく言うと“妖怪退治屋さん”だよ」
「えぇ……そ、そうだったんですか……」
パフェを食べながらそんな話をされて、どう反応していいのか分からずカミラが戸惑う。
そして由美は急に目つきを鋭く変えて、真剣な声色で切り出した。
「それで――どうしても確認しておきたいことがあるの、カミーラさん」
「……はい?」
「あなた。最近、国際指名手配されなかった?」
「はああああああああああああああっ!?」
ファミレスの空気が一瞬凍りついた。
テーブルの下で、ありすがぼそりと一言。
「……だから言ったでしょ。カミラちゃんだって」
「ど、どういうことですか!? 私が指名手配だなんて、そんな――!」
動揺するカミラに、由美がスマホを取り出して画像を見せる。
「これが今、うちに来てる協力要請の資料。“カミーラ・ドルベーク、魔女、推定年齢157歳、A級指名手配”」
「……157歳!? ちょっと、ちょっとちょっと!」
カミラが顔を引きつらせながらスマホの画面を凝視する。
「この画像……あったりします」
「知ってる人なの!?」
「――私です。魔法で大人なった姿です」
「……本人かい!」
「何者かが、私の未来の姿を加工して嫌がらせで流したのだと思いますっ!」
「心当たりは?」
「あります。伯爵、犬野郎、あと騎士団長とか――多すぎて特定できません!」
「カミラちゃん、意外と過激な人生……」
「見て見ぬふりできない性分でして。腐れ外道を見ると……つい、こう、叩き潰したくなるというか……」
「わかるわ。悪党は皆殺し!」
由美がガタンと立ち上がって拳を握ると、カミラも負けじと同じ姿勢に。
二人は拳を突き合わせたかと思うと――
「「意気投合!」」
がっちりと握手。
「カミラさん、あなたとは気が合いそうだわ!」
「ぜひ“カミラ”と呼んでください、由美さん。私たち、きっといい友達になれます」
どこかで見たことある熱血バディもののような展開に、ありすがボソッと呟いた。
「……なんか、危ないコンビが誕生しそうな予感がする」
しかしその空気も悪くない。むしろ楽しい。
「とにかく、もし貴女を陥れようとしてる連中のこと、何か気づいたら私たちに教えて」
「はい。ありがとうございます」
「じゃあまずはメルアドと番号、交換しよう!」
スマホを出して連絡先を交換する三人。
女子中学生らしからぬ緊張感とスケールの話題も、甘いスイーツと一緒に溶けていく。
そして、彼女たちの友情は確かな一歩を踏み出した。
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