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第4話 再開…!愛した人は音をなくしていた…切ない恋が動き出す♯4

湊斗、高校のサッカー部の同級生と飲んでいる。湊斗と思い出話で盛り上がる、西田圭介(26)と長岡尚也(26)。湊斗の向かいに座っている野本拓美(26)、泥酔いしてうつむいている。湊斗、圭介と尚也に、(湊斗)「·····あのさ、」(圭介)「結婚すんの?」(湊斗)「しないけどさ。いや、するかもだけどさ」(尚也)「え!?待って!やだ!」(湊斗)「やだって何。いいから、聞いて」(圭介)「青羽さんと結婚とかお前マジで来世消しカスだわ」(湊斗)「ちょっと何言ってんのかわかんないし。聞けし」(尚也)「いいなぁー、絶対子どもカワイイじゃん。お前に似ろ」(湊斗)「俺に似たってカワイイだろ。違う。聞いて。想。想のことなんだけど」(圭介)「·····え、青羽さんからの想の話、だいじょぶ?」(湊斗)「そもそも紬の話してないし·····想、今どこで何してるか、知らない?」(尚也)「は?湊斗が知らないなら誰も知らないっしょ」(湊斗)「·····だよね」紬、高校からの友人・横井真子(26)と食事。(真子)「じゃあ部屋決めなかったんだ」(紬)「うん·····」(真子)「戸川くん慎重そうだもんなぁ、そういうの。ね」ぼんやりしている紬。真子、様子が気になって、(真子)「·····紬?」紬、気付かない。(真子)「(紬の顔の前で手を叩いて)紬!」(紬)「(気付いて)はい!」(真子)「どうした」(紬)「·····ツチノコ(と弱々しく呟く」(真子)「見つけたの?よかったねぇ」(紬)「見かけたの」(真子)「ツチノコ?」(紬)「佐倉くん」(真子)「·····ん?佐倉くん?あの佐倉想くん?」(紬)「あの佐倉想くん」(真子)「上京してすぐ女つくって即効で紬を振った、あの佐倉想くん?」(紬)「うわ、傷のえぐり方えぐい·····」(真子)「へぇ、同じ世界観に存在してたんだ。懐かし。何、なんか話したの?」(紬)「ううん、見かけただけ。人違いかも」(真子)「佐倉くんレベルのビジュアルの人違い。へぇ、そのレプリカのほうでいいから付き合いたいわ」(紬)「·····いや、うん。わかってるよ。私も確信あるよ。察してよ」(真子)「連絡先·····知らないか」(紬)「知らない知らない。湊斗も知らないって」(真子)「じゃあ誰も知らないねー、戸川くんが知らないなら」(紬)「·····だよね」(尚也)「なんで今更、想?」(湊斗)「別に·····なんとなく思い出して」(圭介)「ほっとけよ、古賀センの送別会すら来なかったやつ」(尚也)「てかさ、推薦で大学行っといてサッカー部辞めるとかある?なくない?」(圭介)「高校んときあんなクソ真面目だったんにな」(湊斗)「(何も言い返せず)·····」拓美、ふと顔をあげる。(圭介)「あ、起きた。おはよ」(湊斗)「拓美知らない?想の連絡先」(拓美)「·····いいじゃん、別に、湊斗ラッキーじゃん」(湊斗)「·····」(拓美)「想がいたら、青羽さん、お前と付き合ってなくない?」圭介と尚也、拓美を小突く。何も言い返せない湊斗。拓美、悪気なく続けて、(拓美)「再会とかされたら·····(鼻で笑って)ねぇ?やばいでしょ普通に」(湊斗)「(笑って)たしかに」(圭介・尚也)「·····(湊斗を見る)」湊斗、「うんうん」と自分を納得させて、(湊斗)「たしかに、再会されんのは困る」(真子)「あるかもねぇ、再会」(紬)「元気にしてんのかな·····」(真子)「会って話せば?もう時効でしょ。見かけたとこで待ち伏せれば会えんじゃん?」(紬)「·····約束してなくても?」(真子)「今日、約束してたわけじゃないでしょ?」(紬)「·····」店を出る湊斗、拓美、圭介、尚也。先を行く圭介と尚也。考え事をしながらゆっくり歩く湊斗。拓美、少し酔いが醒めて、悪かったと思い、(拓美)「ごめん、怒った?」(湊斗)「(笑って)怒んないよ」(拓美)「怒んないよなぁ、湊斗」(湊斗)「·····(空を見上げて)晴れてる」(拓美)「(空を見上げて)は?」

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