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第7話 再開…!愛した人は音を無くしていた…切ない恋が動き出す♯7

紬、改札前の壁にもたれかかり、過ぎ行く人々を見送る。(紬 M)「あの時から、あの声がずっと耳の奥にいて、あの名前が忘れられなくて」ぼんやりと過去を思い出す。

2014年 4月

新学期。騒がしい教室。紬、前から2列目の自分の席に座り、教室を見渡してソワソワしている。(紬 M)「クラス替えの名簿から、自分の名前の次に、その名前を探した」イヤホンを付けて教室に入ってくる想。(紬)「·····」紬、「あの子だ」と思って想を目で追う。黒板に貼られた座席表を見ている想の元へやってくる湊斗。2人楽しげに話し出す。紬、2人を見ていて、湊斗と目が合う。(湊斗)「ん?」(紬)「あ、ううん(と首を横に振る)」(湊斗)「·····」湊斗、紬が想を見ていたと察して、(湊斗)「(想に)青羽」(想)「·····あ、佐倉です」(紬)「·····あ、青羽です」間があって、(湊斗)「(笑って)何これ。あ、戸川です」ぎこちなく笑う紬と想。

2014年 7月

紬、湊斗の前の席に座って、(紬)「ね、戸川くん」(湊斗)「ん?想?彼女いないよ。今は」(紬)「(聞こうと思っていたことで)·····」(湊斗)「青羽って彼氏いるの?」(紬)「え?」(湊斗)「って、聞かれた。想に。つい最近」(紬)「·····え、なんて言ったの?」(湊斗)「知らないって。自分で確認すればって」(紬)「いないよ。彼氏いない。1人もいない。全然いない」(湊斗)「うん。それ想に言ってやって」想、イヤホンを付けて教室に入ってくる。湊斗、紬に目配せして。(紬)「·····」紬、想に駆け寄って、(紬)「佐倉くん」(想)「(イヤホンを外して)ん?」(紬)「·····」(想)「·····」(湊斗)「·····」(紬)「(イヤホンを指さして)·····何聴いてんの?」(湊斗)「(笑って小声で)お前が何聞いてんだよ」(想)「これ?あ、じゃあ」と、イヤホンを紬に渡す。紬、少し躊躇ってから受け取って、イヤホンを付ける。少し聴いて、知らない音楽で、(紬)「あー·····はいはい。(作り笑いで)うんうん」(想)「え、何それ、どういう?」(紬)「良いよね。すごく良い。うんうん」(想)「(知らないんだな、と察して笑い)·····知ってる?」(紬)「(食い気味に)知ってる」(想)「ほんとに、」(紬)「(食い気味に)知ってる」想、紬を見て笑う。紬、照れくさくなって、視線をそらす。(想)「今度CD貸すね」と、紬の耳からイヤホンを外す。紬、耳元の髪を直す。(想)「青羽は?何聴くの?」(紬)「んー、言っても佐倉くんわかんないかもなー」と、2人楽しそうに話す。湊斗、2人を横目に見て、教室を出て行く。

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