最下層である70階層を攻略した美緒たち。
今その一角で美緒は聖魔賢者で得たチートスキル『真相解明』で封印されている扉を調べていた。
そしておもむろに魔力を込め何かをつぶやく。
「……なるほどね。マールが諦めるわけだ」
「美緒、解呪できるの?」
「うん。問題ないよ?……もう術式は組んだからすぐに解ける……あー、一応リンネはエルノールとドレイクの後ろで隠れていてくれる?いきなり襲われちゃうかもだから」
「う、うん」
今から救い出すノーウイック。
その素性を知らないエルノールとドレイクは美緒の不穏な物言いに不安を募らせる。
「美緒さま?そ、その、ノーウイックというのは危険なのですか?」
「……リンネ様が危ねえ?……どういうことだ?!」
「あー、そ、そのね?えっと……」
思わず言い淀む美緒。
その時封印が音を立て崩れ落ちた。
「っ!?」
美緒たち以外の気配が膨れ上がる。
そしてリンネの悲鳴が響き渡った。
「キ、キャアアアアアアアアアアアア―――――――――――!!???」
「はああああああっっ!?お、女あ、女の体あああああああーーーーーーーーー!!!!!」
「い、いやあ♡あふん♡……あうっ♡……やあっ♡やだっ♡うあ♡」
いきなり後ろから羽交い絞めにし、リンネのGカップのたわわな胸を後ろからわしづかみ強弱をつけいやらしく揉みまくりハアハアと呼吸を荒げる男性。
恍惚の表情を浮かべ鼻の下がとんでもなく伸び切っていた。
さらにはリンネの首筋に顔をうずめこれでもかと匂いを嗅いでいる?!
そしていきり立つ男の下半身?!!
いやらしく蠢く男のごつい手が、リンネの形の良い巨乳を歪め続ける。
指先はしっかりと可愛らしい先端を摘み、これでもかと刺激を与える。
顔を真っ赤にし瞳を潤ませるリンネ。
そして零れる甘い吐息。
めっちゃエロい?!!
「はあ、はあ…たまんねえ……ああメチャクチャそそる女の匂い、おおう、イきそうだ…なんという極上の女……ここは極楽か?!……ああっ、いいっ!!たまらんおっぱいだ、はあ、はあ…何という柔らかさ…ああ、直接生で触りてえ…しゃぶり付きてえ……それにこの心ときめく張り!!……俺のいきり立つ『俺』が触れているこの尻の弾力のある素晴らしい感触!!…ああマジで蕩けそうだ、俺はもう死んでもいい…ぶべらっ?!!!!」
美緒の掌底が炸裂。
けたたましい衝撃音とともにまるで漫画のように天井に突き刺さる男。
ひとしきりびくりと動いていた男の下半身が痙攣し、沈黙。
静寂が支配した。
「リ、リンネ?あああ、可哀そうなリンネ…あんなに激しく揉まれちゃって……」
そっとリンネを抱きしめる美緒。
リンネは心ここにあらず、すでに呆然とし真っ赤に染まった可愛い顔には涙が浮かんでいた。
因みに男性二人。
余りのエロさに一部が反応。
恐るべし。
伝説のエロ男ノーウイックの神をもしのぐフィンガーテクニック。
男二人はごくりとつばを飲み込み、普段普通に接していたリンネのあまりにもあふれ出すエロさを再確認していたのであった。
※※※※※
両手をこれでもかときつく縛られ、下半身が地面にめり込み原形が分からないくらい顔を腫らした男を美緒とリンネが睨み付ける。
美緒の掌打とリンネの打撃を数十発喰らったノーウイック。
むしろ良く死なないものだ。
男二人は違う意味で感心していた。
「分かったかな?……ノーウイック。私とリンネには絶対服従。返事!!」
「……ふぁ、ふぁい」
遠目で震える男性二人。
美緒とリンネの纏うオーラ。
怖すぎる。
「もし次私の仲間においたをしたら……」
美緒はすらりと超元インベントリから悍ましい大きな鋏を取り出し、刃先をねっとりと可愛らしい舌で舐める。
もちろん演技だよ?
勘違いしないでよねっ!!
「ちょんぎるからねっ!!!」
「ひ、ひいいっ!??」
涙目のノーウイック。
すでに伝説の男は美緒とリンネには頭が上がらなくなっていた。
※※※※※
完全に調教(笑)が完了。
メインキャラクター、8人目の男。
これで今認識しているのはレストールと、まだ会えてはいないもののロナンを含め10名。
ようやく半分だ。
あと10人。
私は思考を巡らせ彼らを想う。
町娘エレリアーナ。
竜帝アラン。
竜の咆哮ランルガン。
極光の深紅の華真祖マキュベリア。
古代エルフの秘宝マルレット。
導かれし侍十兵衛。
呪われし妖魔の頭領九尾ミコト。
大精霊フィードフォート。
奇跡の大軍師コメイ。
神人より落とされし只人レギエルデ。
(ここまで来れた。……あと10人、それで準備が整う……今は帝国歴25年、あと数日で26年。……間に合う。大丈夫だ)
私はさらに決意を深めていた。
※※※※※
取り敢えずノーウイックは回復させました。
今は何故かやたらドレイクと罠の事とかで盛り上がっている。
私は彼を鑑定してすさまじい力に少し驚いていた。
彼、レベル150だった。
そしていくつかの私の知らないスキルも習得していた。
性格というか悪癖のある彼だけど……
うん。
心強いのは間違いない。
「ねえ、みんな。私もうちょっとで修行僧カンストしそうなの。ちょっとだけ戦ってもいいかな?」
「うん?美緒、因みに今ジョブレベルは?」
「えっとね…93だね」
「っ!?……相変わらずあなたの上がり具合頭おかしいよね。良いよ。皆も良いよね」
「もちろんです」
「ああ、構わねえぞ」
「む?美緒……い、いや、美緒さま、あんたすげえな」
うあ、ノーウイック話しにくそう。
ふう。
まあいっか。
「ねえノーウイック?いいよ、呼び捨てで。言葉遣いも気にしないで。……えっちな事しないなら私は怒らないし?まあ帰ってギルドに着いたら自由時間あげます。娼館にでも行ってきて?……男の人って溜まると体に良くないんでしょ?……絶対にギルドの他の女の子に手を出したら許さないからね!!」
「お、おう。すまねえ。……ふっ、美緒はいい女だな。理解が深い」
「はあ?」
「普通お前さんみたいな美しい女性、口が裂けても『娼館に行ってもいい』とは言わないぞ?ドレイク、お前たちマジで運が良いな」
「ははっ、まあな。……美緒は最高の女だ。もちろんリンネ様もな」
「ええ。娼館はともかく美緒さまは世界で一番美しく可憐で可愛らしい女性です。ノーウイック?もし美緒さまに触れていたら、美緒さまが許しても私がお前を殺すからな」
相変わらず言葉の端々に私を盛るエルノール。
慣れたとはいえ思わず赤面してしまう。
「コホン。じゃあ少し戦うね。っ!?ん?……えっ?どうして……」
「っ!?美緒??」
「あ、ごめんね?ここにいないはずのモンスターの気配が……っ!?」
瞬間消える美緒。
そして悍ましい気配が皆を包み込む。
「「「「っ!?」」」」
そして黒光りする鱗で覆われた禍々しい邪竜の咆哮が響き渡った。
在り得ないとんでもない気配。
恐らくレベル300前後。
全員から冷や汗が噴き出す。
「……邪竜フェブニール……だと?!!!」