翌朝。
準備を終えた私たちはそれぞれ転移と転送ゲートを使い、幾つかの武器を開放しつつ戦いへと赴いていた。
もちろん一番最初に帝国全土を覆う結界と隠蔽を施したよ?
何に気なしにノーウイックの隠蔽も私と相乗りで付与できたのよね。
なので取り敢えず、決戦の前に状況のすり合わせを行っているところだ。
そして伝えられた驚愕の事実。
昨晩行った搦め手と言うか策略、あり得ないほどの混乱をゾザデット帝国の叛意ある貴族たちに齎していた。
帝国のほぼ中央、グラリアド公爵の領地。
事前の調査と策略で、すでに居場所を掴んでいた私たち。
侯爵の隠れ家である別邸、帝国軍近衛兵団により包囲が終了していた。
「お疲れ様です。サナラジータ伯爵様」
「お、おはようございます。ゲームマスター美緒さま」
「…布陣は完璧のようですね」
別邸を見下ろす立地に設営された本部テントの中。
ゾザデット帝国の精鋭である軍務大臣の彼。
さらには陣頭指揮として参戦しているグラード侯爵が膝をついた。
「凄まじいですな」
「えっ?」
「あなた方の昨晩の策略…すでに航空戦力はすべて無力化に成功しております」
実はグラリアド公爵に通じていた有力貴族たち。
そのすべてを昨日急遽作成した怪しい魔刻石により、航空戦力を運用できる操縦士を含むほとんどの男性たちが使い物にならなくなっていた。
「…聞いた話ですが…どうやら年老いたものまでもが…そ、その…」
何故か顔を赤らめるグラード侯爵。
うん。
まあ…
私も一応コメイからは聞いているのよね。
しかも私の魅了を込めた後に『改造』したことを…
まったく。
なんか私までめっちゃエロい女みたいじゃないのよっ!
「さすがはゲームマスター様です。私どもの想定を超える効果…いやはや…」
ううっ?
なんか…
目つきが居た堪れないのですけど?!
…あとでコメイ、お仕置きですからねっ!!
コホン。
何はともあれ航空戦力での逃亡の心配はなさそうだ。
私はここでの指揮権をコメイにお願いし、本命である悪魔ザナンクに集中することにした。
実はザナンク、かなりの実力者であることを私は思い出していた。
きっとレベルは250以上。
もしマキュベリアだけなら危なかったかもしれない。
主力部隊で確実に捕らえる。
ルルーナとレルダン、さらにはナナとファナンレイリ、そして妖精の二人とロッドランドという過剰とも思える戦力で、ノーウイック渾身の隠ぺいを全員に再度付与した状態で転移した。
※※※※※
かつての世界線、そして幾つものルート。
私に不埒な真似を、そして隠蔽されていたけど…マキュベリアを散々穢したザナンク。
絶対に許さない!!
そして今までのルート。
一度もなかった悪魔そのものとの戦闘。
ついに幕を開けた。
※※※※※
静寂に包まれたシベリツール、マキュベリアの館。
刹那光と轟音に包まれた。
「っ!?ぐうっ?!て、敵襲だと?!!…がああ、なんだ?この束縛…なあっ?!!」
いやらしい顔つきで惰眠を貪っていたザナンク。
何故かマキュベリアのベッドの上でほぼ裸、さらに彼女の枕を舐めまわしている姿にマキュベリアがブチギレた。
「キサマ…このド変態が!!…死んで詫びろ!!」
ザナンクを包み込むマキュベリアの超絶魔力。
彼の防御を突き破り、血しぶきが舞い、端から凍り付いていく。
しかし急所を避け、凄まじい身捌きで躱していくザナンク。
致命傷を与えられない。
さらには膨れ上がる魔力。
(…強い…確実に絶封の魔刻石で捕えているのに…っ!?)
「マキュベリアっ!!避けてっ!!!」
「っ!?ぐぬ?!」
氷の大地。
そこからいきなりはえてくる悍ましい死霊の群れ。
その中からひときわ大きな魔物が咆哮を上げる。
「くっ、アイスカオスドラゴン?…8体?!」
呪いを含む絶対零度のブレスがマキュベリアぎりぎりを突き抜けた。
瞬間ぶれるザナンク。
(っ!?逃がさない!!…はああっ!!!)
「っ!?ちいいっ!??くそがっ、美緒か?…前より強いだと?!!」
転移は使えないザナンクだが、幾つかの秘術で逃亡を図っていた。
でも捕らえた。
私は渾身の魔力で彼の精神を捕縛する。
いやだけど…悍ましいけど…
(絶対に逃がすもんか!!)
今この瞬間、絶対に逃がさないために私は彼の精神とリンクをした。
流れ来る身の毛もよだつ情景。
コイツ…
こ、この、ド変態!!!
何で私押し倒されてるの?
うあ、コイツの手が…わ、わたしの…胸に…
(なんだあ?そんなに俺様に抱かれたいのかよ?!…いいぜ…ほらっ!!)
(ひいっ?!!)
コイツ…
こういう状況、どうやら慣れている?!!
不味い。
精神を押し切られる?!!
(ハハハ。小便クセエガキが!!俺様を手玉に取るなんて1000年はええ。良いぜ?精神から犯してやるよ!!)
悍ましい気配が私を包み込む。
涙があふれ出してしまう…
(…うあ…いや…やあ…やだあああああああ…)
刹那の時間。
私はザナンクに……
コイツのアレが…わたしの…
純潔を…
※※※※※
(ふん。俺様の精神に侵食だと?…舐められたものだ…ヒューマンのメスガキのくせに!!!)
刹那のタイミングで俺様は拘束された。
確かに強い。
確実に俺様を上回っていやがる。
だが…
くくくっ。
なんて優しい心だ。
コイツ…
俺様と対話するつもりだ…
ハハハ。
良いぜ?
たっぷり可愛がってやんよ?!
俺は自身の最も得意とする『妄想空間』に美緒を捕らえた。
くくく、もうお前は俺のものだ。
※※※※※
俺様の最も得意とする欺く魔力。
それで作り上げた渾身の結界世界。
この中では誰も俺様に逆らえない。
俺様を捕らえる?
バカが。
囚われたのは、お前だよ!!
俺はゆっくりと、俺様が構築した精神に囚われ、ほとんど動けない美緒の美しい胸を力任せに握る。
「くうっ?!…い、いやあ?!!」
ほう?
以前よりもずいぶん成長したなあ?
揉み心地が段違いだ…
はあはあはあ…
俺は美緒の胸を揉みまくり、おもむろに服を引き裂いた。
ピンク色の美しい先端。
俺は遠慮なく揉みながら噛みついた。
「いぎっ?!…うああ、やあ、やめっ?!!」
なんという感触!
そして切れたのだろう、ほんのりと甘い血の味が俺の口の中に広がる…
たまらねえ…
力がみなぎっていく…
今は精神感応のみ…
これはまさに妄想に他ならねえ。
だが確実にお前の精神、犯してやる!!
そしてそのあとは…
その体、凌辱しつくしてやる。
クククッ。
まだ乙女…
やべえ
滾りまくりやがる!!!
「ひゃはははははははははははははっっっ!!!!」
「い、いやああああああああああああ??!!!!」
何という乙女の香り…
精神体でこれだと?!
コイツ…まさか?!
「…そうか…この力と魔力…くくく、ビンゴおおおおおおおお!!!!」
妄想空間の中―――
体中を俺様に引き裂かれ、女の部位を激しく乱暴にいじられた美緒。
泣き叫び、浮かぶ恐怖と絶望の表情…
たまらねえ…
俺は妄想の中で美緒の美しい足首を握り潰すほど強くつかみ、無理やり足を開く。
そして。
俺の膨張したアレが、美緒の乙女に突き刺さ―――
「ごはあっ?!!!」
「させんっっ!!!」
「こんのド変態があああああああああっっっ!!!!」
※※※※※
ブチン!!
「ひぎゃあああああ――――――???!!!!!!」
「この下種が!!!」
「許さない!!!」
すでに私の仲間と悍ましい魔物たちとの戦闘、激しさを増していた。
しかしすべてに聞こえるほどのブチギレる音…
そして弾け飛ぶザナンクの右腕と左足。
私の保険、レルダンとルルーナとの精神共有。
私の危機に、彼ら二人が究極の覚醒を果たしていた。
「…う、うあ…ぐすっ…ル、るるーなあ…レ、レルダン…うああ、あああああっっ」
危なかった。
もしあと一瞬でも…遅れていたら…
私の精神はザナンクに凌辱されつくしていた。
「美緒っ!!しっかりしてっ!!はあああっっ『聖なる加護』」
瞬間包まれる優しくも神々しい光の魔力。
ファナンレイリ渾身の聖魔力が私を包み込んだ。
「美緒っ!!」
そしてすぐさま私を抱きしめてくれるルルーナ。
私もたまらず彼女に縋りつく。
「ひぎゃああああああああああああああ―――――??!!!!!」
その瞬間。
アザーストとスフィナの全精力を吸収し、覚醒したマキュベリア渾身の究極魔法がザナンクを捕らえていた。
そして。
「セイグリットおおおおお、フルバーストおおおおおおおおおっっっ!!!!」
「はああああっっっ『魔装神装、光の槍!!!!』
「くらええっっ!!!『Ωヘルフレイムっっっ』!!!!10連発だああああああっっっ!!!」
怒りに震える勇者ロッドランドの渾身の一撃と妖精二人の最大奥義。
大地が光の奔流と凄まじい魔力に包まれその情報を失う―――
物理法則がその機能を放棄していた。
※※※※※
数秒後。
シベリツールの厳寒の大地。
寒風吹きすさぶ中―――
すでに動く者はいなかった。
大量のドロップ品。
それがここであった激戦を証拠づけていた。