それだけならまだしも、思わずついでのように
「そ、それにっ! 〝裸男〟ってのは何だ! いつもいつも俺の前で裸を見せつけてくるお前だって立派に〝裸女〟だろーが! お、俺がっ! どれだけお前に手を出しそうになんのを我慢してると思って……!」
思わず、『ここでそれ!?』と皆から突っ込まれてしまいそうなセリフを吐いて
「み、見せつけてなんかっ! 部長のエッチ!」
結果、
真っ赤になった
***
「ぐぁっ!」
思わず条件反射みたいに手にしていた風呂敷包みを振り回したら、遠心力で手からすっぽ抜けて、
海老みたいにギュウッと身体を折り曲げてフルフル震えながら動かなくなってしまった
「あ、あのっ、
ゆさゆさと肩を揺すって問いかけてみても返事がない。
というより多分出来ない様子の
「部長、か、身体を起こして下さい! 私、私っ」
言うが早いか涙目で顔を上げた
「ば、バカッ、
ヨシヨシすればするほどそこが
「あ、ちょ、マジで、や、めろ……っ! ホント、それ以上さ、れたらっ、本気、でヤバイ、……から、ぁっ」
そうして、とうとう――。
「あああ、もう!」
本気を出した
それを一瞬横目で追ってから、はぁはぁと肩で大きく息をする
「ホントお前ってヤツは! ここが
思いっきり叱られてしまった。
「えっ!?」
何故「痛いの痛いの飛んでいけ」をして抗議されないといけないんだろう?
それは外でやったらいけない行為なのだろうか?
サッパリ意味が分からなくてキョトンとした羽理に、
「――もしかしてお前、いま自分が何をやらかしたのか分かってない、とか……?」
若干前かがみ。
股のテントを隠すようにして、
羽理は解放されて自由になった手のひらと、微妙に姿勢の悪い
「えっ。あっ。……わ、私っ! ……もしかしてご立派さんを
そう思えば、逞しい雄芯が手のひらの下で脈打つ感触がありありとよみがえってくるようで、今更のようにブワリと頬に
「だっ、だからって! ……そんな風に反応しなくてもいいじゃないですかぁ! 部長の変態! エッチ!」
***
照れ隠しだろうか。
酷い言われようとともにバシバシ!と背中を叩かれて、
「あのなぁ。
勢いに任せてそう抗議したのだけれど――。
「……へっ?」
途端
「あ、あの……文句と言うか……。その、ひ、ひとつ質問なんですけど……。
だが、ソワソワと落ち着かないみたいに羽理から恐る恐るそう確認されて、一気に怒りが冷めて。
「だっ、誰がっ! 誰をだ!?」
あわあわしながら、逆に羽理へ問いかけてしまっていた。
「だから……部長が……私を、です。……あ、あのっ。わ、私の勘違いならいいんです。……忘れて下さいっ」
言うなり、羽理がくるりと
「バカっ。タクシーで来たのに歩いて帰る気かっ。そんなんしたら午後の業務に遅刻するだろっ」
(違う、言いたいのはそんな言葉じゃないっ!)
握った羽理の手首が自分とは比べ物にならないほど華奢で……。少しでも力を込め過ぎてしまえば折れてしまいそうに細かったから。
こちらからは羽理の後ろ姿しか見えないけれど、ちらりと見える耳が真っ赤になっていて。
それが何だかたまらなく
「た、タクシーくらい自分で拾えるので大丈夫ですっ」
なのに、そんな可愛い
「ひゃっ、部長!?」
「か、勘違いなんかじゃねぇから……! だから……その、俺を置いて行くなっ」
自分でも恥ずかしいくらい声が上ずっているのが分かって、
(心臓がうるさすぎて敵わん!)
加えて頭の中で自分の分身たちが、『こら、
「……ぶちょ、苦し……」
それで無意識。
羽理を抱きしめる腕に力を込めすぎてしまったらしい。
「あ、すまんっ」
慌てて腕の力を緩めてからもう一度深呼吸をすると、
そうして、やっとの思いで胸の内を語り始める。