結局〝一緒に過ごすのが一番の薬〟案件のあと、
会社や
むしろ
Yasuは売り場の総面積もかなり広く、化粧品も種類が豊富で。何ならスーパーも併設されているので、アスマモル薬局より多種多様な生鮮食品が並んでいた。
ついでに言うと電化製品や衣料品、ペットコーナーもある、割と雑多な品ぞろえのディスカウントショップだ。
何だか変な組み合わせですね!?と思いながら、気持ち
「なぁ羽理。さっきから思ってたんだがな……。距離、あけすぎだろ」
言われてグイッと
背中に
「
確かにショック療法を受け入れた羽理ではあったけれど、こんな風に不用意に距離を詰めるのは、動きが怪しい心臓のためにもやめて頂きたい。
現に今だって、胸の中で心臓が馬鹿みたいに踊り狂っているのだ。
「――何度言わせるんだ羽理。部長じゃなくて
なのにそんな羽理の訴えなんてどこ吹く風。
懸命に告げた抗議を完全スルーされて、すぐ耳元。耳触りの良いバリトンボイスで呼び方を訂正された羽理の心臓は、苦しいくらいにドクドクと暴れている。
こんなにも自分は動揺しまくっているというのに……。
「な、んで……
自分の不整脈の方が、
「それはお前が俺をドキッとさせるような行動に出ないからだろ」
今度こそククッと声に出して笑いながら「期待してるぞ?」と付け加えられた羽理は、ますます困惑してしまう。
「たい、よ……は心臓痛くな……るの、怖くない、の?」
いつキュッと胸を締め付けられて、心臓が止まってしまうか予測不能だと言うのに。
そんなことを思いながら胸の不快感に眉根を寄せたら、
「んー。お前がそばにいてくれることで起こる動悸や息切れなら、俺は割と平気だな。それよかむしろ――」
言いながら一本のワインを手に取った
羽理がよく分からないままにコクッとうなずいたら、それをカゴに入れながら「俺は……お前がいなくなることの方が怖い」と付け加えられた。
「え……?」
「ま、あれだ。そういう想像したら死ぬほど胸が苦しくなるってだけの話。……そうならないよう俺も頑張るから……。頼む。いなくならないでくれ」
言うなり、ギュッと背後から抱き締めるように身体を包み込まれた羽理は、(そ、それはっ……逃がさない、の間違いではないですか、
それでも
なのにその理由に思い当たれないことが、羽理はもどかしくてたまらなかった。