結局裸男の彼女はワンちゃんだと告白した後、
先に弁当を食べ終わっていた
何事かを考えているのだろうか。
岳斗が時折小さく吐息を落としたり時折中空を見つめたりしながらも、黙々と弁当を食べている横で羽理はずっと、
と、保冷袋のサイドポケットに入れているスマートフォンが、未確認通知ありのランプをピカピカさせているのに気が付いて――。
(あ、そう言えば携帯、朝から全然見てなかった!)
今日は何だかバタバタしていてスマートフォンを見るのをすっかり忘れていたのを思い出した羽理だ。
ソワソワしながら通知画面を開いたら、〝裸男〟からのメッセージが一件、未読のままになっていた。
『何かあったのか?』
たった一言しか書かれていない、それを受信したのは午前九時過ぎ。
羽理は、朝一でどこかへ行って帰ってくるなり、すっごく不機嫌な顔をしてフロアに入ってきた
確かあの時は、
とってもとってもやましかったから、
未読のままでの放置だから既読スルーよりはマシかも知れないけれど、それすらまるで「はい、お察しの通り何かありました!」と言っているようで落ち着かない。
メッセージアプリの画面を開いたまま(わーん、マズイよ、どうしよう!)と思っていた矢先、ブーッブーッと手の中のスマートフォンが震えて、着信を知らせてくる。
発信者通知には『裸男』と表示されていて。
羽理は心の中で声にならない悲鳴を上げた。
「あ、あの……
一応岳斗に断ってベンチを立つと、少し離れた場所で通話ボタンをタップする。
「……もしもし?」
言いながら恐る恐る耳に当てた携帯から、
『今頃やっとメッセージを確認したか』
少し音質の悪い音声で、不機嫌そうな
恐らく何かの作業をしながら、ハンズフリー通話をしているんだろう。
そのお陰で変に胸がざわつかずに済んで、ホッと胸を撫で下ろした羽理だ。
『昼休みになっても全然既読になんねぇから、帰り、気になって高速使っちまったじゃねぇか』
恨みがましい文言が続くのを聞いて、「えっ? 今日のご出張は片道二〇キロ圏内の近場でしたよね? 三〇キロ以下の場所への移動での高速代は、経費では落ちませんよ?」と、つい経理の立場でお仕事モードになってしまった羽理だ。
そんな