それを裏付けるように、もう帰社していてちょうど今し方駐車場に車を停めたばかりだと付け加えてきた
説明出来ないことを目一杯やらかしている自覚のある羽理は、思わず「ひっ」と悲鳴を上げてしまった。
その様子に何か察したんだろう。
***
「電話、終わった?」
聞かれて「はい」と答えたら
「
ベンチそばに立ったままの羽理の顔を座った状態で下からヒョコッと覗き込んできた岳斗に、羽理は「だっ、大丈夫です」と、全くもってそうは見えない態度で言ってしまって。
「心配事があるならいつでも相談に乗るからね?」
立ち上がった岳斗に、ふわりと頭を撫でられた。
「有難うございます」
岳斗にはこんな風に不意打ちで触れられても、さっきみたいに変な下心を感じさせられなければ全然平気だ。
だけど――。
(部長室に呼び出されたら私……
そんなことを考えながらギュッと胸のところを押さえて、羽理は小さく吐息を落とした。
***
(軽トラ、荷物が沢山載せられて便利なんだが、乗り心地が良くねぇんだよな)
リクライニング出来ないシートに、クッション性の高くないサスペンション。
最近の農道は国道や市道なんかよりよっぽど舗装が良いから、走行していてもそれほど車体が跳ねまわったりはしないけれど、それでも長いこと乗るには不向きだ。
(ケツが
ギシギシに固まった身体を伸ばすと、あちこちがパキパキ鳴って気持ちよかった。
この身体の疲れ、実は運転のみのせいではない。
今日の出張先でも、
本来ならば売り方などをプロデュースするだけの立場にある
家族からの勧めで、大学は農大に行った
別に実家が農家とか……そう言うわけではないのだけれど、農業とは切っても切り離せない家業を営む、母方の祖父や伯父の背中を見て育った結果、
きっと、子供のいない伯父が姪っ子・甥っ子にあたる
そもそもこの、〝
だからだろうか。〝ウリ〟なんて変わった響きを持つ