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第12話 友達からの情報

「ねえねえ聞いた?」


 教室内でなぜか視線が刺さる。咲夜は、後ろを振り返るか誰もいない。

 コソコソと話している女子たちがたくさんいた。そして、なぜか自分をチラチラ見ている。自意識過剰だろうと気にしないようにしていたが、まさかの出来事が起きる。


「ねぇ、咲夜。噂になってるよ」


「え?! 何の話」


 翼が声をかけてきた。今、教室や廊下でちらちらと見られる原因のことのようだ。


「咲夜さ、最近、悠といっしょにいること多いよね?」


「うん。なんかキスしたとか、付き合ってるとか、噂になってるけど。あんま、良くない噂も」


「え?! そうなの? それは恥ずかしいね」


 全然まんざらでもない様子で対応する。


「別に噂になってもいい感じ?」


「う、うん。別に気にしないよ? 私、悠好きだし。平気」


「あ、それはいいんだけど。気持ち悪いっていう噂もあって……女子同士でキモイとか言う人いてね。気をつけて」


「ああ……、だよね。私もそう思うもん。だけど、それは個人的な感想で

 本人たち関係ないよね。好きあってるなら良くない?」


「まぁ……そうだけどね。ただ、いじめられないように警告しておこうと思ってさ」


「ありがと。嬉しい。気をつけるよ」


「あ、私は、応援してるよ。2人がラブラブなの知ってるから」


「そっか。それはよかった」


 咲夜は本当だろうかと疑問に思いながら、半分聞いてやり過ごす。

 人を100%信用なんてできないものだ。

 友達もおなじだ。


 噂は気になったが、自分の気持ちには素直になろうと心に決めた。

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