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第23話 寝たからには、責任を取れよ

なんだか私、ずっと落ち着かない。気づいたら、彼のシャツをぎゅっと握りしめながら、ぼんやりと聞いていた。


「誠意、十分だったよね?それで、結局どうなったの?教えてよ。」


でも、答えを待つ間に、あっという間に意識が遠のいてしまった。


目を覚ました瞬間、見知らぬ部屋、見知らぬベッドにいることに気づいた。頭はガンガン痛むし、喉もカラカラだ。


必死に体を起こそうとすると、薄い布団がするりと私の体から滑り落ち、その瞬間、視界が一瞬フリーズ。

さらに布団をめくったら、私は完全にパニックになった。


――私たち、もしかして、やったのか?

酔っ払って何が起こったのか、全く思い出せない。見知らぬ環境に囲まれ、頭の中は疑問でいっぱい。


ベッドの横に折りたたまれたバスタオルが置いてあるのを見つけ、何も考えずにそれを巻きつけてベッドから降り、裸足で部屋を出た。


広い家だ。まるで別荘みたいで、階下からは賑やかな音が聞こえてくる。


階段の途中で、リビングに人が集まっているのが見えた。昨晩遅れて酒の席に加わった人たちだ。翔太もいるけど、桐生宗介の姿はない。


そのうちの一人が私に気づくと、咳をして、他の人たちもその視線に合わせて、私を見てきた。


みんな、ちょっと意味深な笑みを浮かべていて、私、顔から火が出そうだった。恐らく、私たちの間に何があったのか、いろいろ想像しているんだろうな。


私は恥ずかしさでいっぱいで、すぐに部屋に戻り、ドアを背にして、乱れた呼吸を整えようとした。


昨夜のことは思い出せないけど、多分桐生宗介が私を連れてきたんだろう。彼に電話して、何があったのかちゃんと聞こうと決めた。


枕元の携帯を手に取ると、電源が切れている。電源を入れると、時間はまさかの深夜2時。


電話をかけると、その時、ベランダから携帯の着信音が聞こえてきた。


誰も電話に出ない。着信音がずっと鳴り続けている。私は疑念を抱きながらカーテンを開け、ベランダに出てみると、桐生宗介が寝巻き姿でデッキチェアに横たわっているのが見えた。


外はまだ暗くて、月明かりがほんのりと照らしていた。ベランダの向こうに小さな庭が見える。


彼は片手でタバコを吸い、もう一方の手で携帯を持っている。どうやら私の電話の着信を見て、出なかったらしい。


「目、覚めたか?」

彼は煙を吸い込んでから、少し頭を傾けて、低く渋い声で言った。それはまるで熟成されたワインのような、魅力的な響きだった。


私の心臓はバクバクしていて、どうしていいのかわからなかった。聞きたいことがたくさんあったけれど、言葉が出てこない。


彼は、少し唇を上げて、私を一瞥する。意味深な笑みが浮かんでいて、その視線が私の体をじっと見ているのがわかった。


バスタオル一枚で、あまり知らない男の前に立っているなんて、すごく気まずい。彼の目線がとても鋭くて、まるで全てを見透かされているような気がして、無意識に胸元をしっかりと握りしめてしまった。


「そんなに緊張しなくてもいいだろ。見ていいもの、見ちゃいけないもの、全部見たから。スタイル悪くないし。」


私は驚いて、信じられない顔をして彼を見つめた。すぐに顔が真っ赤になった。


「ここはどこ?」

「俺の家。」

「私が酔ってるのを知ってて、どうしてそんなことをしたの?」


桐生宗介はタバコを吸い込み、煙の中で笑った。

「勘違いするなよ。洋子が最初に俺を押し倒してきたから。」


彼の言葉に頭が混乱して、何をどう返すべきか分からなかった。


「昨夜、お前は俺の首にしがみついて離さなかった。それどころか、俺をベッドに押し倒して、そのまま俺の上に乗ったんだ。洋子、俺は普通の男だ。お前がそんなに迫ってきたから、仕方なく俺も優しくしてやっただけだ。」


私は頭がガンガンしてきた。桐生宗介の表情を見て、読めなかった。

もしかして、私は本当に浮気したのか?


「どうだ?信じられないのか?録音もあるんだぞ、聞くか?お前が後で言い訳できないように、わざわざ録音したんだ。」桐生宗介は私をからかうように見て、携帯を取り出した。


録音?彼の話が本当なら、私は顔向けできない。死んだ方がマシだとさえ思った。


彼は唇を少し上げ、携帯を操作し始めた。私に聞かせるつもりらしい。


私はすぐに耳を塞ぎ、「聞きたくない!」と叫んだ。


その瞬間、私の体に巻きつけていたバスタオルが滑り落ちた。私は慌ててそれを拾おうとしたが、桐生宗介は私よりも早くタオルを掴んだ。


喉が詰まって、顔は真っ赤になり、タオルを引っ張りながら「放して!」と言った。


彼はタオルを放さず、そのままデッキチェアから立ち上がり、タオルを巻き直して私を包んだ。タバコをくわえたまま、何事もなかったかのように。


私はタオルをしっかり握りしめ、心の中で思った。このまま彼と関係を持ったなら、本当にどうしようもない。


その瞬間、彼は突然私を壁に押しつけて、タバコを取ると、私との距離を詰めてきた。低く、セクシーな声で囁かれた言葉が、私の心を震わせた。


「俺を寝たからには、責任を取れよ。」

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