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『このギルドには、受付嬢の怨霊が出ます。でもそれが日常です。』 ―“死んでも笑顔で受付中!”―
『このギルドには、受付嬢の怨霊が出ます。でもそれが日常です。』 ―“死んでも笑顔で受付中!”―
ゆる
異世界ファンタジースローライフ
2025年05月17日
公開日
1.2万字
完結済
このギルドには、ちょっと不思議な日常がある。 ――カウンターの向こうに座る受付嬢は、実は美しすぎる地縛霊。 死んでなお笑顔を絶やさず、依頼者や仲間たちを支える彼女・マリエル。 常連も新人も、最初は戸惑うけれど、気付けばその存在が当たり前に。 セクハラ冒険者の撃退や、神官による除霊騒動。 ちょっぴり切なくて、でも温かい“死にがい”あふれるギルドの日常。 死者も生者も、誰もが自分の居場所を見つけられる場所で、今日もマリエルは“受付中”。 不思議で優しい“怨霊受付嬢”とギルド仲間たちが織りなす、 ほのぼのファンタジー・コメディ。

第1話 序章:朝が来ました

「おはようございます。朝が来ました。今日も、いつものように――いつもの日常が始まります」


私の名前は、マリエル。

ギルドで受付嬢をやっています。

仕事は忙しいけど、にぎやかで楽しい職場です。

受付のみんなも、冒険者の皆さまも、優しくていい人ばかり。


……ただ、ひとつだけ、不思議なことがあるんです。


新人の方や、遠くからやってきた冒険者の方々。

なぜか皆さん、びっくりしたような顔をして、私のことをじっと見たあと――

私以外の受付に並ぶんです。


どうしてでしょう?

そんなに変なところ、あるでしょうか……?


私、笑顔には気をつけていますし、接客マナーも毎日おさらいしてます。

お客様第一で、丁寧な対応を心がけて――


……あ。


そういえば、最近、鏡に映らなくなってきました。

あれは少し困りますね。前髪の分け目を直せなくて。


まあ、そんなこともあります。

霊的な都合というやつです。


でも、大丈夫。今日も元気に、笑顔で!


「さあ、今日も頑張りますよ!」





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