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第2話 後ろ指


 あたしはいつも一人ぼっち。どうしてだろう。ちゃんと笑えているはずなのに、ポタポタと瞳から涙が毀れていく。


 (大丈夫、あたしは強いから)


 暗示をかけるようにいつも繰り返す言葉。誰にも届かない、あたしだけしか知らない秘密の言葉。


 助けてほしいなんて思わない。だってあたしは強いから、こんなの平気だもん。


 『るいが来た。るいが来た』


 ……来ちゃいけないの?学校に。ここにもあたしの居場所はないのかな?


 本当の気持ちを隠しながら『笑顔』を作らないとダメ。


 ――あたしは強い子だから。


 『来なくていいのに。お前と関わりたくないんだよね』


 ……どうして、そんな事を言うの?あたし何もしてないのに、なんで?


 「あははー」


 『うわ、笑ってて気持ち悪い。二度と笑顔なんか見せんなよ』


 「あはは」


 『シカトしようよ、お母さんに関わるなって怒られるよ』


 「あは……」


 ねぇ、あたしちゃんと笑えてる?笑顔になれてる?泣いてないよね。



 ――お前の母親『狂ってる』その娘だからお前も『狂ってる』



 『『消えてくれないかな?』』




 ……あたしだって生きてるんだよ?痛いんだよ?悲しいんだよ?


 笑顔って、どうやって『作れば』いいのかな?


 (分からなくなっちゃった)

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