お昼ゴハンを済ませて冒険者ギルドに戻った私は受付嬢の席に着いた。
これからの時間は薬草採取に出かけた三人の子どもたちが帰ってくるまでやることがないのでいつも
今日もそのつもりでいたが、ふと私はカウンターに置かれた一枚の依頼書が目に
「あれ? この依頼書……。さっきあの子たちが受けた薬草採取の依頼書だよね? なんでこんなところにあるの?」
確かマリオットがポケットにしまっていたはず。
私は怪訝に思った。
「ああ、それならあいつらが別の依頼を受けたので、置いて行ったんだよ」
奥から出てきたガンドルフィがそう教えてくれたが、その別の依頼というのがなんであるのかが私はとても気になった。
「ゴブリンの討伐依頼だよ」
「ゴブリン!?」
私は驚いて声をあげた。
「別に驚く事じゃないだろ。ゴブリンなんてどこにでもいる一般的なモンスターだ。確かにマーカロン村ではこれまで見かけたことはなかったが、ついさっき、一匹のはぐれゴブリンの目撃情報があってな。あいつらが依頼を受けたんだ」
「子どもたちだけで行かせたのか!? き、危険じゃないか!?」
私は思わず立ち上がった。しかしガンドルフィは平静だった。
「ゴブリン一匹くらいなら別に大丈夫だろう。あいつらだってたまに川や池に出没するスライムを討伐したりしているんだ。
シルヴィア。弟のパナンが心配なのはわかるが、もうちょっとあいつらを信頼しても大丈夫だぞ。マリオットは素質のある戦士、ジェラドは筋の良い魔法使い。そしてパナンは───パナンは……えーっと……あ、そうだ。やる気があって勉強ができて……あと錬金術で薬の調合が少しできる」
「す、すまない。ガンドルフィ。少し席を外す」
「ん? 別にいいけど、
デリカシーのない発言をするガンロルフィを地平線の彼方まで殴り飛ばしてやりたくなったが、今はそれどころではなかった。
私は取る物も取り合えず冒険者ギルトを飛び出し、子どもたちの後を追った。