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BRISING VALKYRIEー成り上がりの野球乙女達ー
BRISING VALKYRIEー成り上がりの野球乙女達ー
二代目菊池寛
現実世界スポーツ
2025年05月19日
公開日
2.3万字
連載中
かつて、中学の女子野球部を全国まで導かせた剛腕スラッガー。『鬼姫』こと村上梓(むらかみ・あずさ)は強豪校の女子野球部にスカウトされ、そのまま進学するも、とある事情で暴行沙汰を起こしてしまい内申を失い、暴力を起こした梓は責任を背負い野球を辞め、そのまま地元の就職専門の高校・頼館(らいかん)高校へ進学する。 其処でかつてのシニア時代のチームメイトで元女子野球Uー18日本代表だった小野寺涼子(おのでら・りょうこ)と同じクラスメイトとして再会する。 女子野球部設立を目的とする涼子は梓を誘うが、彼女を野球を辞めており、拒むも、涼子の必死さと強い希望で心折れてしまい入部する。 たった2人から始まる同好会をスタートに。 次々と集い揃う実力者の少女達。 果たして、彼女達は女子野球部の設立を果たし、全国大会出場を目指せるのか!?

部活設立編

入学式、再会は突然に。

私立頼館らいかん高校。

設立10年を迎える、地元民の中でも入学試験のテストに名前を書くだけで1発で入学出来るシステムを持つ。


何せ、大学進学率は絶望的だが、逆に就職成功率は極めて高い、言わば就職を重視とした高校だ。


おっと、まだ自己紹介がまだだったな。

私の名前は小野寺涼子おのでら・りょうこ。今年度からこの頼館高校に入学する事となった1年生だ。


涼子「………一般科の、7組か。」


掲示板に張られた、各所属クラスの名前欄の張り紙を見て確認し終えた私は1人、自分が所属するクラスの教室へと向かって歩く。


この高校にはクラス毎に授業内容やその進路先によって違う。


例えば、商業会社の就職希望を主に重視とした『商業科』は1組と2組。


食品関係の仕事を希望を重視とした『食品科』は3組と4組。


デザイナー希望を始め、服飾と言った仕立て重視とした『服飾科』は5組と6組。


そして、何処にも属さず、ただ単に夢も目標も何1つも無い奴等が集い揃う唯一の『一般科』は7組から9組。其処に属する生徒の大半は不良やらギャルやらで構成されている。


私が属する7組の教室に入ると、今日から同じ教室で学ぶクラスメイトがどう見ても人生を諦めた面構えしてる輩ばかりだ。だけど、私は其奴等とは違う、私はの為に全部を捨てて1からこの高校に入学したんだ。


そう、野球をやる為に。


涼子は自分の席に着席すると同時に鞄から硬球を手に取り出しながら、決意する、もう一度野球をする為に。


それから暫くして、始業式が始まるまで席に付いて待機してると、始業のチャイムが鳴ると共にクラスメイト達は一斉に席に着くと共に紺色の長袖ジャージを着込んだ黒髪ロングポニーテールの女性が教室に入ると共に教卓の方へと駆け寄る。


綾瀬「あーー。新入生の皆、私は今日からこの1年7組の担任する事になった綾瀬蓮あやせ・れんだ。一応、担当科目は現国を任せている。先ず、君達が属するこの『一般科』に付いて説明するから、ちゃんと最後まで聞くように。」


綾瀬と名乗った女性教諭はこのクラス、主に『一般科』に関しての事を説明し始めた。


綾瀬「えーー。皆も既にパンフレットを呼んで確認していると思うけれど、この『一般科』は『商業科』『食品科』『服飾科』のどれとも違い、言わば『自由』を基本としている、まあ、簡単に説明すれば普通に大学進学の為に勉強しても良し、部活動をやっても良し、要は何でも有りと言った方が良いかな。」


不良男子「それってつまりー。犯罪沙汰を起こしても良いんですか?先生ー?」


1人の不良らしき男子生徒が挙手しながら、下らない質問をすると、綾瀬は溜息しながら質問の答えを伝える。


綾瀬「いやいやいや、流石にそれは無いからね、確かに一般科は自由を基本にしてるけど、出来れば犯罪沙汰は起こさない様に。学校も何時までも庇いはしないから。皆も絶対に犯罪とかしない様に。それじゃあ堅苦しい質問はこれくらいにして、まだ入学式まで時間が有るからそれまでは1人1人、自己紹介をしようか。それじゃあ出席番号順から…__」


自己紹介かぁ…。確か私の出席番号は34番だったな。各クラス40人在籍してるから私の出番は後からだろう。


次々とクラスメイト達は1人1人と自己紹介する最中、もう直ぐ私の出番が回って来そうになった。その時だった。


ドガーーン、と。皆が席につき静まり返る中、扉を蹴飛ばし堂々と入ってくる女子生徒がいた。彼女はそのまま教室の前に立ちながは周りを見渡す。


金髪不良女「へぇ、此処が今日からアタシが通う高校の教室か、悪くないなぁ!!」


クラスメイトを見渡していた処、直ぐ様に窓際の方へと向かう、そう言えば全員席に着いた時に何か、私の後ろの席だけ座って居なかった様な気がしたが、まさかこの金髪不良女と隣の席かよ!?


と、私と眼があった瞬間、不良女は明らかに私を見て動揺した。まるで自分を知っていそうな顔付きだった。


金髪不良女「おい!!何でテメェこの高校にいるんだよ!?」


突然と私のシャツの胸倉を左手で掴みながら、私に怒鳴り出した見知らぬ不良女、ん?いや、待てよ、そう言えば此奴の面構え、どっかで見た様な……って、ああっ!!


涼子「………お前、もしかしてだが、梓なのか?」


梓「っ……。」


村上梓むらかみ・あずさ

中学時代、私と同じシニアリーグの所属チームに所属してたチームメイトで親友。『鬼姫』と呼ぶ恐れられる程の女とは思えないパワーを持つ剛腕スラッガー。


そんな親友の梓は昔の純粋なスポーツ少女時代の欠片の面影は1つも無く、派手な金髪不良スタイルとなっていた。


いや、親友のイメチェンは兎も角、問題はもう1つ…。クラス担任である綾瀬はニコニコと


綾瀬「……今、教室の扉を蹴りで倒したのは、出席番号35番のお前で良いよな?」


梓「あぁ!?だったら何だよ?文句があんのかコラァ__」


瞬間、チョークが眼にも見えない光速の速さで放たれて梓の頬をかすり通り、窓ガラスに突き刺さると共に教師相手に偉そうに啖呵切ってた梓は思考停止する。


梓「………あ?」


綾瀬は微笑みながら数本だけチョークを軽く投げて捕るの繰り返しをしながら梓に言った。


綾瀬「今直ぐに教室の扉を直せ、良いな?」


梓「………ひゃい。」


ピクピクと梓は震え、綾瀬に怯えながら可愛らしい小さな声で返事する。


そして7組の不良生徒達は、この学校で犯罪沙汰は疎か、喧嘩沙汰起こすのは止めとこうと心の中で誓った。

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