女子野球同好会の廃部まで残り9日、後3人。日数がまだ有るとは言え油断ならないと思った涼子は梓と共に7組の教室に登校する。
ねね「あ!涼子っち!梓っち!おはー!」
涼子「お早う、ねね。」
梓「お早うさん、相変わらず1番早いなぁ、お前は。」
ねね「だって私の家と学校の距離がちかいからねー。良いでしょ?良いでしょ!?」
梓「だああああっ!!鬱陶しいわ!!」
すると、はしゃいでる最中、クラスの男子が私達の元へと駆け付け、私に話し掛けて来た。
男子生徒「あ、小野寺さん、少し良い?何か教室の外に小野寺さんと話したい人達が来てるんだけれど…。」
涼子「私に?一体誰何だ?……悪い、少し外すわ。」
梓「おう、行ってらー。」
私は直ぐに教室を出ると、入口付近に質の悪そうな不良らしき2人の女子生徒が立っていた。
右隠れ前髪「お前、その、女子野球同好会の部長、だよな?」
ニット帽「その、とくにお前、真澄姐さんと知り合いだよな、少しで構わないから、面を貸してくれ…。」
この2人の不良女子の顔に私は見覚えがあった。そうだ。此奴等は確か真澄と一緒に居た不良グループの…。話の内容となると恐らく真澄の事でだろう。
涼子「………分かった。屋上で良いか?」
右隠れ前髪「い、良いぜ。」
ニット帽「おう。其処で話そう…。」
2人の不良女子生徒は私を屋上へと案内する。到着した2人は私に話しかける。
右隠れ前髪「紹介が遅れた。ウチは1年の
ニット帽「
涼子「そう言われて見れば、お前等の顔にも見覚えがあるな。で、私に何の様だ?まさか真澄に付き纏うなとか言わないよな?」
2人の不良女子は複雑そうな顔をすると、共に私に向かって頭を下げながら、あるお願いをした。
中田「頼む!!真澄姐さんを…野球に連れ戻して欲しいんだ!!」
大島「最初は私等も不良何かより野球やってる方が似合ってるって説得しようとしたんだけど…もう真澄姐さんの野球への情熱は半端じゃなくてさ。」
涼子「………意外だな、てっきり反対すんのかと。」
中田「………。」
大島「………。」
2人の不良、中田と大島は何故か複雑そうな表情をする、まるで何か事情が有るのだろうと私は話し掛けた。
涼子「何か、事情が有るんだろ?…詳しく、話してくれないか?何で、真澄は不良に落ちぶれてしまったのかを。」
中田「……由美、良いよね?」
大島「ああ。……私と祐子はこの高校に入学する2週間くらい前かな、ある日、私達は運悪く前に喧嘩した不良共への報復を不意に受けてしまって、絶体絶命な時、私達を助けてくれたのが真澄姐さんだったんだ。姐さんは元々、隣街町で恐れられた『黒獅子』の異名を持つ、有名な女不良何だ。」
中田「どうして姐さんが不良になった切っ掛けは、何でも、野球で投げられなくなったって、聞いた事があるんだ。どう言う意味か分かりないが…。」
やっぱり、野球を辞めた原因はあの試合の延長戦のデッドボールが、彼奴、だから野球を辞めて、不良に落ちぶれ苦しんでたのか…。
大島「そう言えば前の喧嘩の帰りに何処かの子供野球チームの練習を見て、何か良い顔をしてたね。」
中田「よな、やっぱり姐さん、本当は野球をやりたくて迷ってるんだよ…。けど、あの様子で野球してくれって言ったら意固地になって断るかもな…。」
確かに、この2人の言う通りに、仮に説得したとしても、真澄は直ぐ様に断られるのは確実だ。
中田「それに、あんまり時間が無いんだ。」
涼子「時間が無い?どう言う事だ?」
中田「実は明日。家のグループ全員で隣街町の奴等と抗争を行う予定何だよ、無論、真澄姐さんも参加させられる…。」
大島「特に家のグループのリーダー、逸見に逆らったら…。」
涼子「そんなにヤバいのか?」
大島「当たり前だろ!彼奴は、逸見五日は一度に数十人の男共を完膚無きまで半殺しにさせたりする暴行魔何だ!」
中田「おまけに倒した奴の金品を全て奪い取ったりする、真澄姐さんがあんな奴の所に居たら後戻り出来なくなる!だから頼む!お前、真澄姐さんのダチだろ!?どうか野球の道に連れ出してくれ!!」
そう言い中田と大島は私に向けて頭を下げお願いした。真澄を元の道に戻させたいと言う此奴等の眼に嘘偽りを感じ無い、だとしたら私がやる事は1つ。
涼子「………言いたい事は良く分かった。受けてやるよ、その頼み。」
中田「本当か!?」
涼子「ただし、その代わりと言っては何だが、お前等にも協力して貰うぞ。良いな。」
中田「当たり前だ!姐さんを助ける為なら何たって協力するさ!」
大島「何でも言いつけてくれ!」
こうして、私は2人の不良の協力の元、落ちぶれた真澄を不良の道から野球の道へと戻す事を決意した。
待ってろ真澄、絶対にお前を再び野球の道に連れ出してやるからよ!!