3-1: 陰謀の発覚
翌朝、クロフォード公爵家の朝は穏やかに始まったように見えた。レナはいつも通り朝食を取り、庭園を散歩しながら考え事をしていた。マリオンとの再会、そしてセリオの嫉妬とも取れる態度――それらがレナの胸に複雑な感情を生み出していた。
しかし、その静かな時間は長くは続かなかった。執事がレナのもとに駆け寄り、緊迫した表情で告げた。
「公爵夫人、急ぎ公爵様が執務室にお越しくださるようお伝えとのことです。」
「セリオ様が……?一体何があったの?」
執事は首を横に振り、詳細は分からないと答えた。レナは急ぎ足で執務室へ向かう。扉をノックすると、低く重いセリオの声が返ってきた。
「入れ。」
扉を開けると、そこには険しい表情のセリオと、緊張した面持ちの秘書たちがいた。レナが入ると、セリオは目だけで彼女を見やり、短く告げた。
「座れ。」
レナが席に着くと、セリオは机の上に並べられた書類を指差した。
「お前にも知っておいてもらうべきだ。この件は、クロフォード家の名誉に関わる問題だ。」
「クロフォード家の名誉に関わる……?一体どういうことですか?」
セリオは書類を手に取り、内容を読み上げた。それは、クロフォード家が領内の小作人たちに不当に高い税を課していると告発する内容だった。さらに、領民たちが苦しんでいるという噂が広まりつつあることが書かれていた。
「こんなものは事実無根だ。だが、これが領内に広まれば、私たちの信頼は失墜する。」
レナはその文面を見つめ、眉をひそめた。
「誰がこのようなことを広めているのですか?」
セリオは短く答えた。
「アーデル伯爵だ。」
その名を聞いた瞬間、レナの胸がざわついた。マリオンが再びクロフォード家に絡む理由が、これで明確になった。彼は公爵家の評判を落とし、さらにその中で自分の地位を高めようとしているのだ。
「確証はあるのですか?」
「完全な証拠はまだだが、奴が裏で動いていることは間違いない。奴の領地から噂が広まり始めている。」
セリオの声にはいつになく感情が込められていた。冷静であるはずの彼がここまで怒りを見せるのは、それほど事態が深刻である証だ。
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その後、レナはセリオの指示を受け、領地内の状況を把握するための報告書に目を通した。そこには、最近になって不穏な動きがあったことが記されていた。領内の一部で不満を抱く小作人たちが集まり、何らかの集会を開いているというのだ。
「このような事態が起きているのに、私たちは何も知らなかったのですか?」
レナの問いに、セリオは短く答えた。
「隠れて動いていたからだ。領民の間に信頼を失わせることを目的としている。」
「では、領民たちは本当に私たちを信じていないのですか?」
その言葉に、セリオは一瞬だけ沈黙した。
「そうではない。だが、噂は事実であるかのように広まる。それが人間の性だ。」
その現実的な言葉に、レナは胸が痛んだ。セリオがどれほど領民を思い、努力しているかを知っているだけに、彼らの信頼を揺るがすこの状況は耐え難いものだった。
「私にも何かできることはありますか?」
レナの言葉に、セリオは彼女をじっと見つめた。その目には一瞬の驚きが浮かんだが、すぐに冷静さを取り戻した。
「お前にできることは少ない。ただ、領民たちの前で公爵夫人としての責務を果たし、信頼を示すことだ。」
「それだけでは足りません。私はただの飾り物ではありません。私なりに動きたいのです。」
その言葉に、セリオの目がわずかに鋭さを帯びた。
「お前が何をするつもりだ?」
「領民たちと直接話をしたいと思います。彼らが何を感じているのかを知りたいのです。」
その提案に、秘書たちは一様に驚いた表情を見せた。だが、セリオはしばらく考えた後、静かに頷いた。
「分かった。だが、私も同行する。お前一人で動かれると困る。」
その言葉に、レナはわずかに笑みを浮かべた。冷たく見える彼の態度の中に、彼女を守ろうとする意志が感じられたからだ。
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数日後、レナとセリオは領内の村を訪れた。彼らが到着すると、村人たちは驚きと戸惑いの表情を浮かべて迎えた。だが、レナはその場に立ち、柔らかな微笑みを浮かべながら話しかけた。
「皆様、突然お伺いして申し訳ありません。公爵夫人として、皆様の声を直接お聞きしたく参りました。」
その言葉に、村人たちは少しずつ打ち解け始めた。彼女が自ら村人たちに歩み寄り、一人ひとりと話をする姿は、セリオにとっても意外だったようだ。
彼女の真摯な態度に心を動かされた村人たちは、次第に自分たちの不安や不満を口にし始めた。それらの多くは、最近広まった噂に基づくものであり、具体的な根拠はなかった。
「やはり……。」
レナは心の中でそう呟いた。
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その帰り道、セリオは馬車の中で静かに呟いた。
「お前の行動は予想外だったが、悪くない。」
その言葉に、レナは驚きながらも微笑んだ。
「ありがとうございます。これからも、私にできることをさせてください。」
セリオは何も言わなかったが、その目にはわずかな信頼の色が宿っていた。二人の距離が少しだけ縮まった瞬間だった。
だが、彼らの知らないところで、マリオンの陰謀はさらに大きく動き出していた――。
3-2: レナの孤独な戦い
領民たちの間に広まる噂と、クロフォード公爵家の名誉を揺るがそうとする陰謀――その全貌が徐々に明らかになりつつあった。しかし、表面的には問題が解決したように見えたとしても、レナの心には新たな重荷が加わっていた。
「私がもっと早く動けていれば、こんな事態にはならなかったかもしれない……」
レナは日々、自分を責めるようになっていた。セリオと共に領地を巡った際、村人たちが抱いていた不安や不満の多くが、誤解や噂に基づくものであることは分かった。だが、それだけでは十分ではない。根本的な問題――マリオンが仕掛けている陰謀を解決しなければ、再び同じような混乱が起きるだろう。
それにもかかわらず、セリオは直接的な行動を控え、冷静に情報収集と対策を進めている。彼の慎重な態度は理解できるものの、レナにはもどかしく感じられた。
「私はただ守られるだけの存在ではない……。何かできることがあるはず。」
そう思ったレナは、自ら動く決意を固めた。
その日、レナは義妹リリアンの部屋を訪れた。彼女は明るい笑顔で迎えてくれたが、レナの表情に何か特別な決意があることを察したのか、すぐに真剣な表情に変わった。
「レナ、どうかしたの?」
「リリアン、あなたにお願いがあるの。」
「お願い……?何でも言ってください!」
リリアンの協力的な態度に、レナは胸を軽くした。そして、今自分が考えていることを彼女に打ち明けた。
「私は、マリオン様の動きを直接探る必要があると思うの。」
その言葉に、リリアンは目を見開いた。
「それって……危険じゃないですか?兄もきっと反対すると思います。」
「分かっているわ。でも、このままではまた同じような問題が起きるだけ。私はクロフォード家の一員として、この陰謀を止めたいの。」
リリアンは少し考え込んだが、やがて小さく頷いた。
「分かりました。私も協力します。でも、一人で危険なことはしないでくださいね。」
「ありがとう、リリアン。それだけでも心強いわ。」
翌日、レナは使用人たちに頼んで領地内の情報を集めてもらった。村人たちや商人たちの間でどのような噂が広がっているのか、そしてそれがどこから発信されているのか――その全てを明らかにするためだった。
使用人たちは最初、レナの指示に戸惑いを見せたが、彼女の真剣な態度に心を動かされ、快く協力してくれた。
数日後、集まった情報を整理していく中で、一つの興味深い事実が浮かび上がった。それは、領地内で広まっている噂の多くが、特定の商人を介して伝えられているというものだった。その商人はマリオンの領地との取引が盛んな人物であり、噂の発信源として非常に怪しい存在だった。
「この商人が、マリオン様と関係している……?」
レナはその情報を元に、さらに調査を進めることを決意した。しかし、このことをセリオに伝えるべきか迷った。彼に報告すれば、自分の行動が止められてしまう可能性がある。だが、一人で動くことにはリスクが伴う。
「……今は、私ができる範囲で進めるしかない。」
レナは自らの孤独な戦いを続ける覚悟を決めた。
その夜、レナは再び商人の情報を追うため、書庫で記録を調べていた。屋敷は静まり返り、まるでその静寂が彼女の決意を試すようだった。
「ここに何か手がかりがあるはず……。」
過去の取引記録を丹念に調べていく中で、彼女は一つの不自然な点に気づいた。問題の商人が関わる取引の多くに、通常では考えられないほどの利益率が記録されていたのだ。その利益が、マリオンの領地への献金として使われている可能性が高いと推測できた。
「これが証拠になるかもしれない……!」
レナは興奮しつつも慎重に記録を整理し、さらに情報を深掘りすることを決意した。
翌日、レナは使用人の一人を密かに呼び、ある依頼をした。その使用人は信頼できる人物であり、彼女が屋敷の外で動くための協力者だった。
「この記録を商人に確認してほしいの。彼がどのような反応を示すか、それを教えてちょうだい。」
使用人は少し驚いた表情を見せたが、すぐに真剣な顔つきになり、頷いた。
「分かりました、公爵夫人。必ずやり遂げます。」
使用人が出発した後、レナは再び孤独を感じながらも、少しずつ前進している実感を得ていた。
数日後、その使用人が戻り、商人が不自然に動揺したことを報告した。その反応が、彼が何かを隠している証拠だと確信したレナは、次の一手を考え始めた。
「もう少しで真実にたどり着ける……でも、これ以上進むならセリオ様に相談するべきかもしれない。」
彼女の孤独な戦いは続いていたが、少しずつ真相に近づいている手応えを感じていた。そして、クロフォード家を守るため、自分にできる最善を尽くす決意を新たにしたのだった。
外では静かな夜が更け、満月の光が庭園を照らしていた。それは、彼女が歩む険しい道を優しく導くように輝いていた。
3-3: セリオの過去
レナがマリオンの陰謀を追う中、クロフォード家の屋敷には一つの不穏な空気が漂い始めていた。セリオはいつも通り冷静に振る舞っているものの、彼の表情には微かに苛立ちの色が見え隠れしている。
「何かが起きている……。」
レナはその変化に気づいていた。セリオはマリオンの動きを追うことに集中しているはずだが、時折見せる鋭い視線や短い言葉の応酬には、普段とは異なる感情が含まれているように思えた。それが何なのか、彼女には分からなかった。
ある日の夕方、レナは使用人からセリオが庭園にいると聞き、足を運ぶことにした。彼が執務室以外で過ごしていることは珍しい。庭園に着くと、彼は夕焼けに染まる空を背に、静かに佇んでいた。その姿はまるで孤独そのものだった。
「セリオ様……。」
レナが声をかけると、セリオはわずかに振り返ったが、何も言わずにその場に立ち続けた。
「ここにいらっしゃるなんて珍しいですね。少し、気分転換をされているのですか?」
レナの問いに、彼は低い声で答えた。
「気分転換……そんなものではない。ただ、考え事をしていただけだ。」
「何か、私でお手伝いできることがあれば教えてください。」
その言葉に、セリオは一瞬だけ表情を緩めたように見えたが、すぐに再び冷静な顔に戻った。
「お前ができることはない。」
その冷たい一言にレナの胸が少し痛んだが、それでも彼のそばに立ち続けた。そして、意を決してもう一度問いかけた。
「セリオ様……最近、何かお悩みがあるのではありませんか?お顔に出ているように見えるのですが。」
セリオはその言葉に反応し、目を細めた。
「……余計な詮索だ。」
それでも引き下がらないレナの視線に、セリオはしばらく沈黙した。そして、ぽつりと呟くように言葉を紡ぎ始めた。
「……お前は知らないだろうが、私は昔、家族を失った。」
レナは驚きで目を見開いた。彼の過去について詳しく聞いたことはなかったが、これほど深い傷を抱えているとは思いもしなかった。
「どういうことですか?」
「私の母は、領地を守るために多くの犠牲を払った。そして、父もまた家を支えるために無理を重ねた。だが、その結果、二人とも早くにこの世を去った。」
セリオの声には、抑えようとしても隠しきれない悲しみと怒りが滲んでいた。
「その時、私は気づいた。感情を表に出すことは弱さだと。誰かを守るためには、冷徹でなければならないと。」
彼の言葉に、レナの胸が締め付けられるようだった。彼がこれまで冷たい態度を貫いてきた理由が、ようやく分かった気がした。
「それが、セリオ様の生き方を形作ったのですね。」
レナはそう静かに言った。セリオはしばらく黙ったままだったが、やがてポツリと言葉を続けた。
「……だが、それでも私は間違えたのかもしれない。」
「間違えた?」
「領民たちに対しても、お前に対しても、私はただ冷たく振る舞い続けてきた。だが、それが本当に正しいのかどうか……最近は分からなくなってきた。」
その言葉に、レナの目には涙が浮かんだ。彼の苦しみを知り、彼がこれまで一人で背負ってきた重圧を思うと、胸が痛んだ。
「セリオ様……私は、あなたのその思いを知ることができて嬉しいです。」
「なぜだ?」
「あなたが冷たい人ではないことを、私は信じていました。でも、それを聞けて、あなたが何を守ろうとしてきたのかが分かりました。」
レナの言葉に、セリオは初めて驚いたような表情を見せた。そして、ゆっくりと深呼吸をしてから静かに言った。
「……私は変われるだろうか。」
「変われます。私がそばにいますから。」
その一言に、セリオの瞳が微かに揺らいだ。彼の冷たい壁に小さなひびが入った瞬間だった。
その夜、レナは自室でセリオの言葉を思い返していた。彼の過去に触れ、彼が抱える孤独と痛みに気づいた今、彼との距離をさらに縮めたいという思いが強くなっていた。
「セリオ様……私たちの未来は、きっと変えられるはず。」
月明かりが窓から差し込み、彼女の決意を照らしていた。
一方、執務室に戻ったセリオは、静かに机に座りながら、ふと小さな微笑みを浮かべた。
「お前は、私の中に何かを取り戻させてくれるのかもしれないな……。」
だがその時、秘書が慌ただしく執務室に駆け込んできた。
「公爵様、大変です!マリオン伯爵が……!」
セリオの表情は一瞬で引き締まり、冷たい鋭さを取り戻した。
「何が起きた?」
嵐の予感を抱きながら、彼は椅子から立ち上がり、次の行動を決意した。
彼とレナの絆が深まる中、マリオンの陰謀はさらなる動きを見せようとしていた――。
3-4: 初めての絆
マリオンの陰謀が明らかになる中、クロフォード家では緊迫した空気が漂っていた。レナはセリオとともに情報を整理し、次の手を考える日々を送っていたが、敵の動きは予想以上に速かった。
ある夜、セリオが執務室からレナを呼び出した。机の上にはいくつかの文書と地図が広げられており、彼は鋭い目でそれを見つめていた。
「レナ、これを見ろ。」
彼が指差した地図には、領地の北東部に印が付けられていた。その地域で最近、騒乱が起きているという情報が入り始めていた。
「この地域は、マリオンの領地と接している。奴の手が入っている可能性が高い。」
「では、ここで問題を起こすことで、クロフォード家の統治力を疑わせようとしているのですね。」
「その通りだ。」
セリオの声は冷静だったが、その中に怒りが隠されているのをレナは感じ取った。彼が家族や領民を守るためにどれほど尽力しているかを知る今、彼の怒りは自分にも伝わってきた。
「セリオ様、私も同行させてください。」
その言葉に、セリオは一瞬驚いたように目を見開いた。
「お前が?」
「はい。この問題はクロフォード家全体の問題です。公爵夫人として、私も責任を果たしたいのです。」
レナの決意に満ちた瞳を見つめながら、セリオは静かに頷いた。
「分かった。ただし、危険なことがあれば、すぐに退避することを約束しろ。」
「約束します。」
翌日、セリオとレナは領地の北東部へ向かった。馬車の中、セリオは書類に目を通しながら指示を出していたが、レナにも何度か質問を投げかけてきた。そのやり取りは、彼らが少しずつ信頼関係を築いている証のように感じられた。
「レナ、お前ならこの状況をどう見る?」
「騒乱を起こしている人々が、本当にマリオンの指示で動いているのかを確認する必要があります。もしそうでなければ、彼らを説得して協力してもらう方法もあると思います。」
「的確だな。私も同意見だ。」
セリオが微かに微笑むのを見て、レナの胸には小さな安堵が生まれた。
現地に到着すると、領民たちは驚きと警戒の表情を見せたが、セリオとレナが直接話をし始めると、その態度は次第に変わっていった。
「私たちは、領民の皆様が安心して生活できる環境を守るためにここに来ました。」
レナの穏やかで真摯な言葉に、集まった人々は少しずつ心を開き始めた。
「しかし、最近の騒乱には困っています。誰かが私たちを操ろうとしているような気がして……。」
一人の村人がそう告げたとき、セリオが鋭い声で問いかけた。
「その誰かとは具体的に誰だ?」
「名前までは分かりませんが、最近、外から来た商人が頻繁にこの村を訪れていました。」
その言葉に、セリオとレナは目を合わせた。やはりマリオンの商人が関わっている可能性が高い。
その夜、セリオとレナは村に宿を取り、翌日の対策を練っていた。セリオは地図を広げ、明日の動きを指示していたが、ふと手を止め、レナに向き直った。
「今日はお前に助けられた。領民たちと話す場面では、お前がいなければ彼らの信頼を得ることは難しかっただろう。」
その言葉に、レナは驚きと喜びを感じた。セリオが素直に感謝の言葉を口にするのは珍しいことだった。
「ありがとうございます。ですが、私だけではありません。セリオ様がいらっしゃったからこそ、領民たちも安心してくれたのです。」
「……そうか。」
セリオの声は静かだったが、その目にはわずかな温かさが宿っていた。その瞬間、二人の間に小さな絆が生まれたように感じられた。
翌日、二人は領民たちの協力を得て、商人の動きを追うことに成功した。その商人が、マリオンの指示を受けて騒乱を煽っていたことが明らかになり、クロフォード家の名誉を揺るがそうとする陰謀は大きな進展を見せることになった。
帰りの馬車の中、セリオは静かに呟いた。
「お前がいなければ、この結果は得られなかっただろう。」
「セリオ様……。」
「お前はただの公爵夫人ではない。クロフォード家の一員として、私と肩を並べて戦う資格がある。」
その言葉に、レナの目には涙が浮かんだ。これまで冷たく遠い存在だったセリオが、初めて彼女を対等な存在として認めてくれたことが何よりも嬉しかった。
クロフォード家を巡る陰謀はまだ終わっていない。だが、二人の間に芽生えた信頼と絆は、これからの困難を乗り越えるための大きな力となるはずだと、レナは信じていた。
外の景色は静かに移り変わり、朝焼けが新たな一日の始まりを告げていた。それは、二人の関係にも新たな一歩が踏み出されたことを象徴するように見えた。