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第2話 「兄と推しとホモカプと(たぶん)バッドエンド」

教室のドアを開けた瞬間、私――塁(中身・美里)のオタクセンサーがビンビンに反応した。


「…ここが、あのBLゲームの舞台……」


天井高め、謎におしゃれな間接照明、異様にイケメン率が高い男子校。

ああ…これは確かにファンタジーだ。男子校って概念、ほんと尊い。


隣にいるのは我が推し、建人先輩。

気だるげに頬杖ついてるだけで絵になるの、ズルくない?


しかし、美里のオタク魂はこの日、ふとした発言で戦慄することになる。


「塁って、さ…他に好きなヤツとか、いる?」


「ん?」


その目、なんか本気じゃない!?

あの冷静クール系の建人先輩が、めっちゃ探るような目してくるじゃん!?

なにこれ、もしや塁ルート本当に存在するの?製品版に入ってないだけで、隠しルートで私、推しの恋愛対象になってる? そんなウマすぎ展開、夢女子耐えられないよ!?


いや、でも私は!「主役カプ(弟×建人先輩)」を愛でる民!

ここで私がバッドエンド要因になるなんて……ありえん!!


「えっと…好きっていうか…その…弟が、すごい大事なんだ」


※本音:推しが大事すぎて呼吸困難


すると建人先輩、なぜか微妙にしょんぼりしてる!?

えっ待ってごめん!推し泣かせちゃった!?ちょ、世界線バグってない!?


ここから始まるのは――

推しを応援したいのに、なぜか攻略されそうになるという奇怪な転生生活。


美里、どうする??

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