第9274回国会 衆議院 予算委員会 第121号
元号X年3月18日(火曜日) 午後1時00分開会
● 委員長(田中誠一君)
これより予算委員会を開会いたします。
●
総理。今年度の「生成AI活用による公文書要約実証事業費」ですが、公文書の要約をAI任せにするなど、これは議会を軽んじているのではありませんか?
国会提出資料にまでAIが関与するのは、民主主義の形骸化です!
● 内閣総理大臣(佐藤信介君)
AIはあくまで補助的手段であり、要約結果もすべて人間が確認する体制で――
● 珍味珍平君(遮って)
答えていない!私の質問は「その責任を誰が取るのか」です!
● 与党席より(複数名)
落ち着け!質問が感情的すぎるぞ!
(議場騒然。「やめろ!」「黙れ!」「お前、名前どうなってんだ!」などの怒号飛び交う)
● 委員長(田中誠一君)
ご静粛に願います。質問者も、答弁者も、発言は委員長の許可を得てください。
● 珍味珍平君
委員長、今の野次は撤回させてください。「黙れ」と言われたんですよ?議場侮辱です!
● 委員長(田中誠一君)
ただいまの発言、議事録から削除いたします。
(なお騒然。机を叩く音あり)
(質問者、机を叩いた議員に対して飛び蹴り。暴力行為に発展)
(場内、大乱闘状態突入)
● 委員長
ご静粛に願います!ご静粛に願います!本委員会は、国の予算を審議する場であります。ご静粛に!ご静粛に願います!……
---
本日も予算委員会は通常運転である。
テレビを見つめていた国民の顔には、ただただ呆れが広がっていた。
ただ、この日は少しばかり毛色が異なっていた。
乱闘が続いた後、「しばらくお待ちください」のテロップが流れ、画面がお花畑に切り替わる。
ここまでは、許容範囲だった(いや、全然良くはないが)。
しかし、お花畑に切り替わった数秒後、また画面が切り替わる。
突如として海外の洗剤CMが始まった。
一瞬、何が起こったのか理解出来ずに固まる国民。
そしてすべてを理解し、インターネットが阿鼻叫喚の炎に包まれるまで、あと二十五秒。
【国家間スポンサード】