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朱雀18

自分のことをギフテッドだと思い込む天才がいる。


その人には、周りがどんなに何かを言おうと、届かない。

その人には、周りがどんなに何かを伝えようと、響かない。


なぜなら、自分のことをギフテッドと思い込む天才だからである。


周囲なんかいくら馬鹿にしたって良いのだ。

周りの連中はギフテッドでないのだから。私とは住む世界が全く違うのだから。

そして自分はギフテッドだから何を言ったって良いのだ。


心の底からそう思っている。


ギフテッドだと思い込む天才のその思い込みは、ブレない。


だけど、その人も、年を取っていくにつれて、何かおかしいということに気付いていく。


なぜなら、自分のことをギフテッドと思い込む天才は、ギフテッドではないからである。


人を馬鹿にしてばかりで、今まで何にもしてこなかった、普通の凡人だからである。

自分が馬鹿にした、ギフテッドではない大勢のうちの一人である、普通の凡人だからである。


他人の評価をしてばかりで、自分の評価を受ける番となると、ただただ逃げ回っていた、普通の凡人だからである。


いい加減、早く目を覚まそう。似非ギフテッドさんたちよ。


今なら、まだ、間に合う。

早くこっち来なって。勇気出して来てみなって。


意外とこっちの世界も楽しいもんよ。


【現実より】

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