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朱雀25

朝起きて、まずはカーテンを開け、一度大きく伸びをする。


軽くベッドメイクをした後、手洗いへ向かう。

用を終えたら、そのまま洗面所へ行き、歯磨き、洗面。


終えたらいつも、ついでにそこで着替えを済ませる。

洗濯したてのパリッとしたシャツを着て、シワ一つないパンツに足を通す。

寝巻きはそのまま洗濯機に入れ、ついでに他の衣類も合わせて洗濯しておく。


洗濯機の洗濯音を後ろに聞きながら、新聞を取りに行く。


新聞を取ってきたら、一度ダイニングテーブルに置き、朝食の準備に取りかかる。

朝食のメニューはいつも決まっている。

サラダ、パン、パンに付けるハチミツ、ヨーグルト、コーヒー…

これらを手際良く用意する。


準備できたら、新聞を読みながら、一口一口味わうように、朝食を食べる。


テレビは点けない。

朝の小鳥のさえずりと、透き通った朝の光に包まれながら、静かに朝を味わう。

ゆったりとした、静謐せいひつな時間――。


彼の職業は、殺し屋である。昨日も三人、始末した。


朝は、誰にでも訪れる。そして、朝を快適に過ごす権利もまた、すべての人に平等に与えられている。

洗濯物を干そうと考えたり、切らしたハチミツを買いにスーパーへ向かおうと予定するのも、もちろん自由だ。


朝という時間は、誰にとっても不可侵なのである。


【朝】

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