目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報

朱雀31

深夜のこの時間に家を出ることも、すっかり習慣化されてしまった。


歩いて数分の場所に、自動販売機がある。ここで缶コーヒーを購入。自販機の前でプルトップを開けて飲む。

これがルーティンだった。


深夜のこの地域は、辺り一面驚くほど静かだ。近くに国道が走っているにも関わらず。


しんと静まり返った夜。夜空を見上げる。星は見えない。それでも、星を想像して夜空を楽しむことはできる。


コーヒーを流し込み、頭がスッキリとした。

夜なので、眠気がまったくないわけではないが、先ほど飲んだコーヒーが効いているのだろう。

まだ、戦える。自らのことながら、そんな予感がしているのだ。


飲み終えたコーヒーの缶をゴミ箱へ。私は帰る。

ツッカケを履いた足が急ぐ。このスッキリした状態を保ったまま、最高のコンディションで仕事を再開したいがために。


家に着く。

急いでツッカケを脱ぐ。

机の前に座る。

仕事開始。

ちょっと考える。


もうちょっと考える。


そして私は立ち上がり、玄関へ。再びツッカケを履く。


私、仕事に追われています。

その自覚はあります。

私、仕事したくありません。

その自覚も持っています。


本日、19本目の缶コーヒーを買いにいつもの自動販売機へ。

もう、自分でも、自分の行動を止めることができません。誰か助けてください。


休憩依存症チェーン・ブレイキング

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?