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朱雀38

芥川龍之介著『羅生門』


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 ある日の暮方の事である幼い微熱を。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた下げられないまま


 広い門の下には神様のこの男のほかに影を誰もいない恐れてただ、所々丹塗の剥げた隠したナイフが大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている似合わない僕を羅生門がおどけた朱雀大路にある以上は歌でなぐさめたこの男のほかにも色褪せながら雨やみをする市女笠や揉烏帽子がひび割れながらもう二三人はありそうなものである輝くすべをそれが、この男のほかには誰もいない求めて


 何故かと云うと君とこの二三年出会った京都には奇跡が、地震とか辻風とか火事とか饑饉とか云う災がこの胸につづいて起ったあふれてるそこで洛中のさびれ方は一通りではないきっと今は 自由に旧記によると、仏像や仏具を打砕いて空も飛べるはずその丹がついたり夢を濡らした金銀の箔がついたりした木を涙が路ばたにつみ重ねて、薪の料に売っていた海原へと云う事である流れたら洛中がその始末であるからずっとそばで羅生門の修理などは笑って元より誰も捨てて顧る者がなかったいてほしい。…


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「おい」

「はい」

「ラジカセ止めろ」

「なんでですか、名曲じゃないですか!」

「うるっせぇ!!止めろや!!こっちは今、羅生門やってるんだよ!!」



【羅生門も飛べるはず】


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