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朱雀39

深夜。豪邸のお屋敷の正門前にて。数名の男たちが正門の鍵を取り囲んでいた。


彼らは皆、黒ずくめ。

ある者は、周囲を見張り。またある者は懐中電灯で一点を照らす。その照らされる光の先、鍵穴に針金を挿し、微細な感触を頼りに、それを動かす男の姿。


「なんとかなりそうか?」

集団の一人が問う。


「静かに」

針金を回しながら応える男。


額には汗。

極度の集中が必要な作業。


緊迫した空気の中、永遠とも思えるような数分後――。


ガチャンという音。


よっしゃという小さな発声。


押し引きして扉を確認。


「成功か?」

「ああ」

ニヤリと笑う男。満ち溢れる達成感。


「さすがだ、お前なら出来ると思っていた」

他の男たちもねぎらいの言葉をかけた。


計画は成功――。男たちの勝利だった。


「よし、それじゃあ寝るか、おやすみ」

「お疲れした」


男たちは三々五々、屋敷の中の、自分の寝室へ帰っていく。


【施錠】

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