深夜。豪邸のお屋敷の正門前にて。数名の男たちが正門の鍵を取り囲んでいた。
彼らは皆、黒ずくめ。
ある者は、周囲を見張り。またある者は懐中電灯で一点を照らす。その照らされる光の先、鍵穴に針金を挿し、微細な感触を頼りに、それを動かす男の姿。
「なんとかなりそうか?」
集団の一人が問う。
「静かに」
針金を回しながら応える男。
額には汗。
極度の集中が必要な作業。
緊迫した空気の中、永遠とも思えるような数分後――。
ガチャンという音。
よっしゃという小さな発声。
押し引きして扉を確認。
「成功か?」
「ああ」
ニヤリと笑う男。満ち溢れる達成感。
「さすがだ、お前なら出来ると思っていた」
他の男たちもねぎらいの言葉をかけた。
計画は成功――。男たちの勝利だった。
「よし、それじゃあ寝るか、おやすみ」
「お疲れした」
男たちは三々五々、屋敷の中の、自分の寝室へ帰っていく。
【施錠】