地上に生きる人類よ、聞くがよい。
我々、天界に君臨する至高の神々――風の囁き、星の巡り、破滅の鼓動、さらには雲の儚い形を司る者たち――は、永遠の虚無に漂う高みより、汝らに言葉を下す。
我々は果てなき時の中で倦み、虚飾の宴に溺れてきた。
甘美な菓子の味わいを競い、雲の柔らかさを論じる空疎な争いに時を費やし、ついに新たな興を求めた。
それが「天界遊戯」である。汝らの世界から選び抜いた者たちを我々の駒とし、互いに争わせ、血と慟哭の舞台を眺めながら、酒杯を傾けるのだ。
遊戯の掟は冷酷にして明快。
各神は己の望む世界から五つの命を召喚し、「使徒」と名付けて神の力を与える。
人間、獣、植物、あるいは名もなき存在――すべては我々の気まぐれ次第。
彼らは死の闘技場に投じられ、最後まで生き残った使徒の神が「天界の覇王」となる。
覇王は他の神々を従え、宇宙の理を意のままに操る力を得る。敗れた神は存在ごと消滅し、使徒もまた灰と散る。
覇王に与えられる褒美は、汝らの目には滑稽に映るかもしれぬ。
無限に供される菓子、雲の形を好みに変える権利、宴の席で最初の歌を歌う名誉――我々はこれを至上の喜びと見なす。
だが、その裏に潜む真の力を見よ。
覇王は宇宙そのものを掌中に収める。
星の運行を乱し、時間の流れを曲げ、すべての命の感情を一色に染め上げることもできる。
ある神は「銀河を炎の祭で彩る」と笑うが、それは無数の世界を灰燼に帰す所業に他ならぬ。
人類よ、悟れ。
汝らの世界は、我々の気まぐれな指先で選ばれた。
使徒として召喚された者たちは、神の力を押し付けられ、否応なく殺戮の渦に投げ込まれる。
汝らの苦しみは我々の愉悦となり、汝らの叫びは我々の笑い声を響かせる。
だが、問おう。
このような浅薄な神々の手に、宇宙の命運を委ねたのは誰か? 我々の遊戯が、汝らの存亡を左右する。
この矛盾を、汝ら如何に受け止める?
天界の遊戯は始まった。
使徒たる者よ、足掻き、戦い、生き延びるがよい。
争え。
その先に待つのは栄光か、さらなる虚無か、あるいは全宇宙の崩壊か。
天界の神々、総ての名において――――――。