要子は今まで、恋などとは程遠い生活をしてきていたので、いきなり結婚などと言われても、ピンとこなかったのです。
両親、2人の姉、王様、交渉人、それぞれ挨拶をして、要子は
「要子です。
どうして私なのか教えて下さい、
姉は自分が行ってもよいと言ってました、
どうして姉だとダメなんですか? 」
「まあ!
要子いきなりなんですか?
申し訳ございません、
無愛想な子でして。
先日も申し上げましたが、この調子でして、まだまだ、結婚などは頭にない状態ですので。」
しかし、王様はにっこり微笑み、流暢な日本語で、
4年間は日本にいたのだから、日本語は話せるだろうけれど、
とても外国人とは思えない話しぶりで,
「僕は要子さんの、そのようなところが好きなのです。
正直なところです。
えー~、どうして?とおっしゃいましたね、、
人が人を好きになる、理由が必要ですか?
河川敷の遊歩道を真剣な表情で自転車をこいで走っていた、、
とても、愛らしくて、オデコが、、
どけてー!
でしたか、、よけてー!でしたか叫びながら。
もう1度は、同じ河川敷の遊歩道にベンチがありますね、、
ちょうど、僕が泊まるホテルの下になるのですが、、そのベンチに座って、ポップコーンを食べてました。
隣に僕が座っても見向きもしないで、
コンマ、ゼロゼロゼロワンを読みながら、
ポップコーンを食べてました、、
要子さんは周囲を気にしない性質ですね。
コンマゼロゼロゼロワンは、
僕も愛読していましてね、、
もう、夢中になりました。あ、要子さんにですよ。
それでいろいろ調べさせて頂きましてね。
えー、僕は、お嫁さんは日本の女性と子供の頃から決めてました。
おばあちゃんは日本人です。
それと、お姉さんは、千代子さんですね、嬉しい申し入れですが、僕は要子さんが好きなのです。
お姉さんがよろしければ、僕の王国には、イケメンの独身男性がまだまだいますから、
ご紹介しますよ。」
姉はなんと、お願いしますと言い、
交渉人がパソコンを開き、写真を見せてもらいます。
要子には、姉の気持ちが理解出来なかった。
そして、16才の要子は、現実なのか夢なのか、自分は不思議世界に入ってしまったのではと、
姉達の顔を見て、両親の顔を見て、自分のほっぺをつねってみたりしていた。
………… つづく ……………