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第6話

 要子には紀代子が話している事について、十分理解は出来ませんでした。 


経験豊富って?    


「要子は、ホント、変わってる、、


あのね、ちぃねえちゃんは、高校の時から今までに、私が知ってるだけでも5人と付き合ったのよ! 


でね、たぶん大学に入って、初体験したと思う、すごい変わったでしょ、


何もしなくても綺麗なのに、


お化粧したり、髪型もよく変えて、バッグなんかも、なんであんな高いブランド物持てる? 


 彼からのプレゼントだって言ってたけど、


男の方も、何もないのに、あんな高いのをプレゼントしないと思う、、


ちぃねえちゃんは経験豊富なのよ!  


でね、、要子! あのリッカルドさんね、、


強そうで、しつこそうよね、帰ってきた時のちぃねえちゃんの顔見た? 


とろんとしてたじゃない? 」          


 要子は驚いてしまい、あんぐりと口を開けて紀代子の顔を見たまま言葉は出ません。    


 几帳面で完璧主義で、化粧など自分を飾ることを嫌い、いかにも清潔で上品なお嬢さん風のはずが、


かなりきつい言葉を使い、よく自分の姉の事を観察していたことに驚いてしまい。  


 静かで、自己主張しない人は 恐いと思いました。   


  母親は職場に何の連絡もせずに無断欠勤したことを叱っていて。


要子は下の階にそっと降りて、居間の話を盗み聞きして。  


 千代子は素直に謝り、隣に座っている濃い感じのリッカルドさんに英語で、


母親が怒っている理由を説明しているようで。   


 しかし、2人とも手を握りあって座っていて、平気な様子で。 


 要子は姉は初めて人を好きになったのではないかと思うのですが。


表情が違うのです。


幸せオーラがいっぱいで。    


 母親は言うだけ言ってしまうと、千代子が、      


「結婚するつもり。 


それでね、ママとパパも一緒に王国と彼の国のイタリアへ行ってきましょうよ、


彼のジェット機に乗せて行ってくれるって、


あちらの御両親にも会っておいたほうがいいでしょう! 


 パパがお仕事休めないようだったら、ママだけでも、お願い!」  


  要子は母親が今までの引きつった顔を一転させて、


満面の笑顔になり、そうね、勿論、行って見てくるべきね!


と返答したのには驚きだった。



父親の意見も聞かずに。 




       (つづく) 


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