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第22話

 夜中の12時ジャストにカランカランと鐘が鳴り響き、王様と要子の城を開放しての結婚披露パーティーは終了しました。  


 交渉人のハンスがマイクを持ち、


参席してくれた人々への礼とこれで終了とすること、

また自国へのお帰りは充分気をつけてお帰り頂きたい、

帰りの手段について何かあれば、

自分のところへ来てほしい、

また、いつかこうして国民の皆様と会える日を自分も、王様も王妃様も強く願っている。


どうかお元気で! 


 大体、そのような内容を英語、中国語、フランス語、ドイツ語、韓国語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、日本語で話しました。  


 要子は驚き、王様を見上げると、王様は要子の手を握りなが、


彼は国際弁護士として生きているけれど、語学の天才なんだよ、


すごいだろ、彼がいる時は内緒話は出来ない、大方の国の言葉は理解している、耳が聴力が、とても素晴らしい。  


 要子はこんな人が実際に存在することに驚きましたが、


紀代子と結婚すると自分の義兄になるのですから。           


 その夜、王様は要子が美容師さんに化粧を落としてもらい、ドレスを脱がせてもらい、美容師さん達が部屋を出ると、ゆっくり丸い大きなお風呂に入りました。 


 いつも元気いっぱいの要子もさすがに疲れ果てていて、


ぽかぽか湯に浸かっていると眠くなってきます、


慌てて、髪を洗い、体を洗って出てくると、 なんと王様が先ほどまでのタキシードではなく、部屋着スタイルで応接セットに深く座っていました。  


 王様もさぞかし疲れたようで目をつぶっていて。  


 要子は音をたてないように、ドレッサーに向かい、紀代子から薦められて使っているヘチマ水をベチャベチャ顔に付けます。  


 要子も紀代子もスッピン派。


紀代子は肌の為には何か水分と油分は与えて、日焼け止めだけはしっかりと。  


 まだ16才の要子にも、紀代子はそれらを与えていました。  


  ドレッサーに新しいヘチマ水やホワイトワセリン、日焼け止めクリームが置いてあり、


きっときいねえちゃんが置いてくれたのだと合点して使っていますが。   


髪をとかしドライヤーをかけたいなぁと思っていると、後ろに王様が立っていました。  


 絨毯が素晴らしいと人は音もなく動けるものなのだと、そんなことを思っていた要子でしたが。






       (つづく)


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