毎年、この天龍神社の祭りでは巫女舞が披露される。
基本、未成年の少女が巫女服を着て舞うのが昔からの慣わしらしい。その理由を親父に聞いたら、一年の豊作を神様にお願いする為だと教えてくれた。
親父曰く、━━━……
この神社の神は、舞いと〈身体が穢れていないモノ〉が好むらしい。
それを知った村人。この時の村は、作物が枯れ死にかけていた。そこで藁にすがる思いで、生娘を使って神殿の前で舞いを見せた。
すると、半年ぶりに雨が降り枯れていた川が潤う。驚くべきは……、それだけじゃなかった。翌日の朝、枯れて果てていた田んぼ、畑、などの実りがたくさんできていたそう。
それ以来、毎年この天龍神社では〈巫女舞〉の儀式が受け継がれている。
平和な景色が広がっている視界の中で、ふと思い出してしまった一部。
でも、この時の俺は知らなかった。
地元の大人しか知らない、〈もう一つの……禁忌〉を━━━━……