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第4話 不穏な人影

9月になっても、暑くて暑くてPerchには涼みに来て下さるお客様で毎日、賑わっている。

大学が夏休みの私は週4〜5回バイトに入っている。

その、おかげで気になっていた、あのお客様を接客する事が増えて‥‥勇気をだして話しかけることに成功した。そこから少しづつ会話が増えて名前も知れた。楢原 匠翔さん。25歳。伊集院コーポレーションの会社員。楢原さんの情報が知れるたびに心が躍るような感覚を味わえた。それだけで夏休み、いーっぱいバイトを頑張って良かったなっと、思いだしてはニヤニヤしてしてしまう。

パタン

あっ。お客様。いけない仕事中だった。気を引き締めて

「いっらっしゃいませ。」っと挨拶をすると、あっ〜〜楢原さんだった!!急に心臓の動きが早くなるのがわかった。

「こんにちは。」

「こんにちはー。まだまだ暑いですよね。とけそうです。えへへ。」

楢原さんをいつもの席に、ご案内する。


「アイスコーヒーで!」

「アレ?アイスカフェオレじゃなくて良いんですか??」いつもと注文が違い不思議に思い聞く。

「うん。迷ったんだけどねー。この後‥‥‥ちょっと厄介な仕事があるからブラックで気合いをいれようかなーっと思ってね。」ニコっと笑って言う。

「そうなんですかー。頑張ってくださいね。コーヒーに応援の念を入れておきます。えへへ。念は恐いかー。アハハハ。」何を言ってるのか自分でもわからなくなって笑ってごまかす。恥ずかしいぃぃぃぃ。


「フフフ。念もありがたく飲むよ。フフフ。」

楢原さんは優しいから笑ってくれた。よかった。


 パタン

 「いらっしゃいませ。」見かけた事ないお客様が入店してきて席に、ご案内する。楢原さんと同じ年齢ぐらいのの会社員でスーツも靴もおしゃれな感じにきまっている。

「お決まりになりましたらお呼びください。」早く戻らないと楢原さんにアイスコーヒーを持って行けない。っと思っていたら呼びとめられる。

「おすすめある?」

「そうーですね。私が好きなのは飲み物ならカフェオレで食べ物ならチョコワッフルです。」

「フフフ。甘いのが好きなんだね。」

「はい。幸せになれます。」

「幸せならよかった。」

「えっ‥‥‥。」アレ??なんか‥‥‥。

「幸せになれるならいいねー!!ただ‥‥‥ワッフルはお腹に入らないな‥‥‥。」

「じゃ〜今日は飲み物だけで次回はワッフルも召し上がってください。」ニッコリ笑う。

「そうしようかな〜。じゃーカフェオレをアイスでお願い。」

「かしこまりました。」


はじめましてのお客様だけど、笑顔が多くて話しやすかったな。また来てくれたらいいな。


でも、お客様と話してたから楢原さんのアイスコーヒーを持って行けなかった残念すぎる。念を入れれなかったよ。

「紗英ちゃん。お願い。」

「はーい。」アイスカフェオレを受け取り、さきほどのお客様に持っていく。

「お待たせしました。アイスカフェオレです。」

「ありがとう。紗英ちゃんっていうんだね。」

「はい。そうです。ごゆっくりどうぞ。」


あっ!楢原さんが立った!!急いでレジに行く。

「ごちそうさま。」

「ありがとうございます。780円です。」

「大学は夏休み?」

「はい。10月から後期なのであと20日ぐらい休みです。バイト以外は予定はないんですけど‥‥‥。」

「そうなの?じゃ〜今度どっかに出かけない??」

「えっ!」どういう事だろ??数秒、動きが止まってしまう。楢原さんが聞く。

「あ〜彼が怒る?」

「いいえ。いっいえ。彼氏はいません。」ブンブン頭を振る。

「そうなんだ?じゃ行こうよ!!」

「行きたいんですけどお店的にお客様といいのかなっと心配でオーナーに聞いてからお返事してもよろしいですか?」冷静を装って話すが心臓が口から出るんじゃないかというぐらいバクバクしていた。

「もちろん。待ってる。」ニッコリ笑って言ってくれる。

「ありがとうございます。あっお仕事頑張って下さい。」

「ありがとう。また!」

「ありがとうございました。お気をつけて。」

どうしよう。どうしよう。着ていく服あるかな?どこに行くのかな?行き先聞いてから服を買った方が良いかな?どうしよう?茜さんにアドバイスもらおー。あー先に瑞穂さんにきかないと‥‥‥。行けますように。頭がパニックすぎて色んな事が頭の中で渋滞していた。


さっきのお客様が席を立ちレジに向かってくる。

「ありがとうございました。880円です。」

「はい。」っと1000円札をだす。

「ありがとうございます。120円のお返しです。」

「ありがとう。また来るよ。紗英ちゃんに会いに‥‥‥。」ニッコリ笑って言われて‥‥‥普通なら、ちょっと恐いんだけど、このお客様はなぜか初対面なのに親近感を感じ恐くなかった。

「ウフフ。是非お越し下さい。お待ちしてます。」

「うん。ありがとう。」

仕事が終わった後に瑞穂さんにたずねる。

「瑞穂さん。お客様と出掛けてもいいですか?」

「えっ!もしかして〜?楢原さん?」

「はい。」

「楢原さんならOK!!他の人に誘われたらまた教えて。あやしい人はダメだから!私が見極めるね。」真央さんは、家族のいない私の姉のような存在になっていた。

「フフフありがとうございます。」

「デートに行ったら報告待ってるね。」さりげなく真央さんがデートっていう。

「デートって!!デートじゃないですよ!」ブンブン首を振る。

「フフフ。それはデートだよ!!」

「えぇ〜そうなんですかね?デートですかね?」ちょっと嬉しくなっていると

「うぅぅぅん。多分」真央さんが多分って‥‥‥‥‥

「多分ってなんですかー??」

「アハハハハハハ。」








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