今回の話は、知人のNさんの同僚であるBさんの体験談の続きとなります。
前回の詳しい内容については、1話前の「古井戸奇談」をご覧ください。
Bさんが、深夜の応接間から不可解な声を聞いた日から、1週間くらいが経った頃です。
夕食を終えた彼女は、両親や妹夫婦とTVを観ながら家族団欒のひと時を過ごしていました。
「うわぁぁぁぁぁぁぁー!みんなきてー!」
そんな穏やかな時間も風呂場から聞こえた悲鳴によって、一瞬の内に崩れ去りました。
声の主は、1人で風呂に入っていた妹夫婦の息子さんでした。
何事か?と思った家族全員が向かうと、パンツ1枚の息子さんが風呂場近くの廊下を指差して震えていました。
Bさんたちが、そこに目を向けると〝
「ちょっと、これ何なのよ!」
母親であるBさんの妹は動揺していたため、怒鳴るように息子さんを問い詰めてしまったそうです。
「僕にもわかんないよ!お風呂から出たら、廊下が血だらけになってたんだよー!うわーん!」
そう言って、彼は泣いてしまいました。
「この子を責めたってしょうがないだろう!!おい、誰か怪我でもしたのか?」
見かねたBさんの父親は、家族全員に聞きましたが、もちろん誰も心当たりがある人はいませんでした。
そもそもの話、これだけの出血量の怪我をしていたら、家族の誰かが気が付くのが当然です。
しかも、
この不可解な出来事に家族全員が恐怖を感じたそうですが、誰もこの現象についての原因についての説明が出来ませんでした。
結局、Bさんと母親が廊下の血液を拭き取り、その後はこの件については誰も言及しませんでした。
それから数日後のことです。
古井戸跡でガーデニングをしていたBさんと母親は、近くにある納戸から〝視線〟を感じたそうです。
最初は気のせいかとも思ったのですが、その翌日以降も2人は複数に渡って同じ場所から視線を感じたとのことです。
以前の不可解な出来事の件もあったので、彼女たちは古井戸跡に近づくのを止めるようになりました。
その直後、Bさんの父親が高熱の病に侵されて、寝たきりになってしまったそうです。
医師に診察してもらいましたが、原因がハッキリと分からないため、そのまま入院することになりました。
父親が入院したのとほぼ同時期のことですが、Bさんの家の庭に野良と思われる〝三毛猫〟が姿を見せるようになったそうです。
その猫は妙に人懐っこく父親の入院という暗い出来事もあったたためか、Bさん一家は癒しを求めて、三毛猫に餌をあげたりして可愛がっていました。
しかし、ある日の朝、Bさんの妹の息子さんが、
家族全員は悲しみました。
「この
Bさんの提案に母親たちは賛同し、三毛猫を庭に埋めお線香を炊いて、お花を添えて丁重に葬ってあげたそうです。
それから数日後。入院中の父親の体調が急速に良くなり、無事に退院出来ました。
父親が退院して以降は、Bさん一家に不可解な現象は一切発生しなくなったそうです。
(今回の出来事は、
一連の出来事を振り返ったBさんは、そう考えています。
皆様も古くから家にあるものを取り除く際は、くれぐれも慎重に考えてから結論を出された方が良いかもしれません……。