私の大学時代の同級生のT君(仮名)は、強運を持つ男でした。
遊びやバイトに熱中していた彼は、ロクに出席してない講義のテストで、たまたま一夜漬けした所が全て出題されて単位を取得出来たり、ダメ元で面接を受けた大手企業から内定をもらったりしていたので、当時の私は彼を非常に羨ましく思いました。
更に、29歳の時には、友人に誘われて参加した合コンで、タイプだった女性の方から熱烈なアタックを受けて、見事ゴールインを果たしました。
よくよく話を聞くと、彼は大学生になる前から、強運に恵まれていたそうです。
中学時代、部活の夏合宿中に食中毒が発生し、数人の先輩や同級生が入院する事件が起きたのですが、彼だけは合宿前日に風邪を引いて欠席していたので、その災厄から逃れました。
そんな彼が某商社のサラリーマンをしていた頃、接待で地方の歓楽街にあるバーに立ち寄りました。
その店のマスターは霊感が強い人物らしく、彼を見ると
「君には非常に強い守護霊がいるのが見えるよ」
と言ったそうです。
「へー、それはどんな守護霊なんですか?」
T君はマスターに質問しました。
「
マスターは、彼の守護霊の具体的な容姿について答えてくれました。
それから数年後。
彼は脱サラし、長年の夢であった玩具店を経営する事になりました。
店舗を立ち上げる際、市場の相場よりも安価で玩具を卸してくれる業者が、彼に接触してきました。
あまりの好条件に目が眩んだ彼は、その業者と取引しようと考えていました。
しかし、契約を取り交わす前夜、1人の女性が自分に近寄ってくる業者を追い払う夢を見ました。
目が覚めても、そのビジュアルは脳裏に焼き付いていたそうです。
何となく嫌な予感がしたT君は、(風邪を引いた)と嘘を言って業者との契約を延期する事にしました。
それから1週間ほど経った頃、
それと同時に、サラリーマン時代に会ったバーのマスターの話と、夢の中の女性の特徴が一致していた事に気がつきました。
彼自身は「単なる偶然だよ。アハハ!」と話していましたが、私は (T君の常人以上の強運は、彼に憑いている昔のお姫様と思われる守護霊のおかげなんじゃないか?)と思います。
恐らく、今後も彼は大きな不幸に遭う事なく、幸福な人生を送るのでしょう。
そう確信した私は、ますます彼の事を羨ましいと思いました。
私とT君がコンビを組んで、漫画とか小説書けばベストセラー作家になれるかもしれません!
今度、誘ってみようかな(笑)?