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群婚国家の真ん中っこですが愛されるすぎて困ってます~先祖返りの麒麟は我が道を行く~
群婚国家の真ん中っこですが愛されるすぎて困ってます~先祖返りの麒麟は我が道を行く~
牧野りせ
異世界ファンタジースローライフ
2025年05月26日
公開日
4.9万字
連載中
群婚国家ハラエノクニ、はじまりの神の系譜に連なるアミツキは先祖返りの麒麟獣人。母も姉妹たちも鳳凰なのに……な~んて劣等感を抱く暇もないくらい生まれた時から大事にしてもらってる。先見や占いの力を使って家族守ったり国守ったり時には父や兄の隠しごとを暴いて母はおかんむりだけどそんな日々も愛しくて楽しい!アミツキの成長と周囲の人々の心の交流を描いた楽しくて時々泣けるあったかストーリー。 **公式作の隙間で書いてるので更新不定期。ゆっくりめ。気長にお待ちください**

第1話 それが世界というやつ

まだ、世界が混沌としていたころ――

光も影もなく、風も水もかたちを持たず、

ただ静寂だけが広がる、無の時代。


その静寂のなかに、ひとりの神が生まれました。


神は虚無に向かい、大地を創り、

その中心に一本の木を植えました。

それは、天と地とを結ぶ神木――命の木。


神は神木に祈ります。

「この大地をより良きものとせんため、

ふさわしき子を我に授け給え。」


祈りは聞き届けられ、神木は八つの実を結びました。

やがてその実は静かに裂け、

そこから八柱の子供神が姿を現しました。


神は彼らに、ひとつずつ音の名を授けました。

――エ、ヒ、カ、メ、ト、ホ、カ、ミ。


八柱の神々はそれぞれ異なる性と力を持ち、

人々からは「八王子」と呼ばれるようになりました。


神は八王子に命じました。

「仲睦まじく地上を治めよ。

そこに生きるすべてが、健やかにあれるよう、力を尽くしなさい。」


八王子は、長子エ王子を中心に力を合わせ、

この大地に秩序と恵みをもたらしていきました。


次世代の神々と世界の守護

時は流れ、八王子は思いました。

「この地を、さらに豊かに保ちゆくためには、

愛と慈しみをもって支える、新たな神々が必要だ。」


彼らは再び神木に祈りました。

「地上を愛し、命を慈しむ子を、どうか我らに。」


祈りはまたも届き、神木は八王子それぞれに五つの実を結びます。

その実より生まれしは、四十柱の子供神。


彼らは父母である八王子の志を継ぎ、

それぞれの役目を担って、世界を支える守護神となりました。


こうして、

創造神、八王子、そしてその子ら――

三代にわたる神々の系譜によって、

世界は平和と調和に満ちた時代を迎えたのです。



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