目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

ー記憶ー123

 消防士は火災鎮圧や救命活動を主に行うが、レスキュー隊はその消防士よりも高い技能を持つエリート集団だ。彼らは厳しいトレーニングを経て選ばれる。


 雄介もまた、レスキュー隊に憧れを抱いていた。


 彼はいつかその一員になりたいと思っており、このチャンスを逃すわけにはいかないと考えた。


 しかし、望のことが心配だ。いや、逆に彼が記憶を失っている今こそチャンスではないか。望の記憶がないことで、彼に気を遣わずに行動できるという利点がある。


 雄介はそう考え、レスキュー隊になるための申し込みをする。


 その間、彼はこの町を一時離れなければならないが、逆にこれは良い機会だと思った。


 もし望が記憶を失っていなかったら、ここを離れる機会はなかったかもしれない。それゆえ、雄介にはレスキュー隊になる資格がなかったかもしれない。


 しばらくして、雄介はレスキュー隊の研修を受けることになった。


 彼はその研修を受けるため、和也に「レスキュー隊の研修を受けに行く」とだけ告げ、研修の場へと向かった。


 レスキュー隊の研修は消防士時代とはまったく違うものだ。本当にエリートと呼ばれるだけのことはあり、体力だけでなく知力も必要とされる厳しいトレーニングであった。

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?